電気料金明細に書かれている「燃料費調整額」とは?

投稿日:2025年07月09日

電気料金明細に書かれている「燃料費調整額」とは?


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導入:なぜ電気料金が毎月変わるのか?

「先月より電気料金が高くなっている」「思ったよりも請求額が安かった」など、電気料金の変動を不思議に思ったことはありませんか。毎月の電気代が一定ではなく変動するのは、電力消費量だけでなく、「燃料費調整額」という仕組みが関係しているためです。
電気料金は、大きく分けて「固定費」と「変動費」の二つの要素で構成されています。
 • 固定費:契約アンペア数に応じた「基本料金」など、毎月一定の料金
 • 変動費:使用した電力量に応じた「電力量料金」や、燃料価格に影響を受ける「燃料費調整額」など

このうち「燃料費調整額」は、発電に必要な燃料(石炭・LNG(液化天然ガス)・原油など)の価格が変動することで、毎月の電気料金にも影響を与えます。
たとえば、2022年から2023年にかけて、世界的なエネルギー価格の高騰や円安の影響を受け、燃料費調整額が大幅に上昇しました。その結果、多くの家庭で電気料金が大幅に値上がりしました。一方で、2023年後半から2024年にかけては、燃料価格が落ち着いたため、燃料費調整額がマイナスとなり、電気料金が一時的に下がる動きも見られました。
このように、燃料費調整額の変動は、家計に直接影響を与える要素の一つです。しかし、燃料費調整額がどのように決まり、なぜ変動するのかを詳しく知っている人は多くありません。
本記事では、「燃料費調整制度とは何か」「どのように計算されるのか」「過去の推移や今後の見通し」について、わかりやすく解説します。燃料費調整額の仕組みを理解することで、電気料金の変動に納得し、将来的な料金の推移を予測する手助けになるはずです。


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燃料費調整制度とは?

燃料費調整制度とは?

電気料金には「基本料金」や「電力量料金」のほかに、毎月変動する「燃料費調整額」が含まれています。この燃料費調整額を決める仕組みが「燃料費調整制度」です。
この制度は、発電に使用する燃料(石炭・LNG(液化天然ガス)・原油)の価格変動を電気料金に反映するために設けられました。燃料価格が上がれば電気料金も上がり、燃料価格が下がれば電気料金も下がる仕組みになっています。

燃料費調整制度の概要

燃料費調整制度の目的は、電気料金の透明性を高め、燃料価格の変動を消費者に適切に反映させることです。この制度が導入される以前は、燃料価格の変動に応じて電気料金が随時改定される仕組みでした。しかし、その場合、電気料金の改定に時間がかかることや、急激な燃料価格の変動に対応しにくいという問題がありました。
そこで、燃料価格の変動を毎月の電気料金に迅速に反映するため、現在の燃料費調整制度が導入されました。この制度により、電気料金は3か月前の燃料価格を基準に調整される仕組みになっています。

燃料費調整額が発生する理由

燃料費調整額が毎月変動するのは、発電に使う燃料の価格が市場の影響を受けて変動するためです。主な要因として、以下のようなものがあります。

 ① 国際的な燃料価格の変動 
日本の火力発電に使われる燃料は、ほとんどが海外から輸入されています。そのため、原油やLNG、石炭の国際価格が変動すると、日本の電気料金にも影響を与えます。
例えば、2022年にはロシア・ウクライナ問題の影響でエネルギー供給が不安定になり、世界的に燃料価格が高騰しました。その結果、日本国内の電気料金も急激に上昇しました。

 ② 為替相場の影響(円安・円高) 
輸入燃料の価格はドル建てで取引されるため、為替相場も重要な要素です。円安になると、同じ量の燃料を購入するのにより多くの円が必要となり、結果として電気料金が上昇します。一方で、円高になると輸入コストが下がり、電気料金も下がる可能性があります。
例えば、2022年には1ドル=150円近くまで円安が進み、燃料輸入コストが大幅に増加しました。一方で、2023年後半には円高傾向となり、燃料費調整額がマイナスとなる動きが見られました。

 ③ 日本のエネルギー政策の影響 
日本政府は、再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電の活用を進めていますが、その割合は依然として限られており、火力発電に大きく依存しています。発電コストの変動は、燃料費調整額にも影響を与えます。
また、燃料供給の安定性を確保するために、政府が特定の燃料の調達を優先する場合もあり、その影響で価格が変動することもあります。

燃料費調整制度の仕組み

燃料費調整額は、電力会社があらかじめ設定した「基準燃料費」と「実際の燃料費」の差額を基に計算されます。
燃料費調整額(円/kWh)=(基準燃料費 − 実際の燃料費)× 調整係数  • 基準燃料費:電力会社が設定する標準的な燃料価格(一定期間ごとに見直される)
 • 実際の燃料費:直近3か月間の平均燃料価格
 • 調整係数:燃料費の変動をどの程度電気料金に反映するかを決める数値

燃料費調整額は、電気の使用量に応じて増減します。たとえば、1か月に300kWhを使用する家庭の場合、燃料費調整単価が+5.00円/kWhなら、
 300kWh × 5.00円 = 1,500円
が電気料金に上乗せされます。逆に、燃料費調整単価が-3.00円/kWhの場合は、
 300kWh × (-3.00円) = -900円
となり、電気料金が割引されます。

燃料費調整額はどこで確認できる?

燃料費調整額は、各電力会社のホームページや電気料金の明細書で確認できます。たとえば、東京電力エナジーパートナーでは、毎月の燃料費調整額を公式サイトで公表しています。
電気料金の請求書には、以下のような項目で記載されています。

(例)電気料金明細の記載例
 • 基本料金:858円
 • 電力量料金:7,152円
 • 燃料費調整額:-900円
 • 再エネ賦課金:1,047円
 • 合計請求額:8,157円
燃料費調整額がマイナスであれば、電気料金が割引されることになります。逆に、燃料費調整額がプラスであれば、追加の負担が発生します。


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燃料費調整単価の計算方法

燃料費調整単価の計算方法

燃料費調整額は、毎月の電気料金に加算または減算される要素ですが、どのように計算されているのでしょうか。ここでは、燃料費調整単価の算出方法を詳しく解説し、具体的な計算例を示します。

 燃料費調整単価の計算式 
燃料費調整額は、次の計算式によって求められます。
燃料費調整単価(円/kWh)=(基準燃料費 − 実際の燃料費)× 調整係数
この式に含まれる要素を詳しく見ていきましょう。
 • 基準燃料費:電力会社が設定する標準的な燃料費(通常、一定期間ごとに更新される)
 • 実際の燃料費:直近3か月の平均燃料価格(石炭・LNG・原油の加重平均)
 • 調整係数:燃料価格の変動をどの程度電気料金に反映させるかを決める係数
この計算により、毎月の燃料費調整額が決まり、電気料金に反映されます。

 燃料費調整単価の具体的な計算例 
実際に、東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」プラン(2024年2月時点)のデータを使って、燃料費調整単価の計算例を見てみましょう。
例:2024年2月の燃料費調整単価の算出
 • 基準燃料費:17,000円/kl(1キロリットルあたり)
 • 実際の燃料費(2023年11月~2024年1月の平均):19,000円/kl
 • 調整係数:0.01
この場合、燃料費調整単価の計算は以下のようになります。
(19,000円 − 17,000円)× 0.01 = 2.00円/kWh
つまり、燃料費調整単価は「+2.00円/kWh」となります。
これが電気使用量に応じて加算され、家庭の電気料金に影響を与えます。3-3. 家庭の電気料金への影響 燃料費調整単価が実際の電気料金にどの程度影響を与えるのか、使用量ごとに試算してみましょう。

月の使用量(kWh) 燃料費調整単価(+2.00円/kWh)の場合 追加料金
200kWh 200 × 2.00円 400円
300kWh 300 × 2.00円 600円
400kWh 400 × 2.00円 800円

このように、燃料費調整単価が+2.00円/kWhの場合、電気の使用量が多いほど追加料金が増えることがわかります。
逆に、燃料費調整単価が**-2.00円/kWh**になった場合、同じ計算方法で電気料金から割引が適用されます。

 燃料費調整額の確認方法 
燃料費調整単価は、毎月の電気料金の請求書や電力会社の公式サイトで確認できます。 (例)東京電力エナジーパートナーの燃料費調整額(2024年2月時点)

対象月 燃料費調整単価(円/kWh)
2023年12月 +1.50円
2024年1月 -0.80円
2024年2月 -3.00円

このように、燃料費調整単価は毎月変動しており、電気料金の増減に影響を与えています。


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過去の燃料費調整単価の推移

過去の燃料費調整単価の推移

燃料費調整単価は、発電に必要な燃料価格の変動を反映するため、過去の経済状況や国際情勢によって大きく変動してきました。ここでは、2018年から2024年までの燃料費調整単価の推移を振り返り、どのような要因で電気料金が変動したのかを見ていきます。

直近数年間の推移

燃料費調整単価の変動を把握するために、2018年から2024年までの東京電力エナジーパートナーのデータを参考に、代表的な年度ごとの動きをまとめました。

年度 燃料費調整単価(円/kWh) 主な要因
2018年 -1.00円 〜 +0.50円 燃料価格は比較的安定
2019年 -0.80円 〜 +0.70円 原油価格が低迷
2020年 -2.00円 〜 +0.50円 コロナ禍による需要減で燃料価格下落
2021年 -0.50円 〜 +1.50円 経済回復に伴い燃料価格が上昇
2022年 +2.00円 〜 +9.00円 ロシア・ウクライナ問題によるエネルギー価格高騰
2023年 +6.00円 〜 -2.00円 燃料価格が落ち着き、調整額はマイナスへ
2024年(2月時点) -3.00円 燃料価格の下落と円高の影響

このデータからもわかるように、燃料費調整単価は大きく変動しており、特に2022年以降の変動幅が顕著になっています。

燃料費調整単価の変動要因

燃料費調整単価が大きく変動する主な要因を詳しく見ていきます。

 ① 2020年:コロナ禍による燃料価格の急落 
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済が低迷。石油やLNGの需要が減少し、燃料価格が大幅に下落しました。この影響で、2020年の燃料費調整額は一時的に-2.00円/kWhとなり、電気料金が抑えられる結果となりました。

 ② 2022年:ロシア・ウクライナ問題による燃料高騰 
2022年2月に発生したロシア・ウクライナ問題により、世界のエネルギー供給が不安定化しました。特に、ロシア産LNGや原油の供給が制限されたことで、エネルギー価格が急騰しました。
この影響で、日本の燃料費調整単価は+9.00円/kWhまで上昇し、電気料金が大幅に増加しました。300kWhを使用する家庭では、9.00円 × 300kWh = 2,700円の追加負担となり、多くの家庭が電気代の高騰を実感することとなりました。

 ③ 2023年:燃料価格の落ち着きと円高の影響 
2023年後半には、世界のエネルギー市場が安定し、燃料価格も落ち着きを見せました。また、日本円がやや円高傾向になったことで、輸入燃料の価格が下がり、燃料費調整額は再びマイナスとなりました。
例えば、2023年12月の燃料費調整単価は-2.00円/kWhとなり、300kWhを使用する家庭では600円の割引が適用されました。

燃料費調整単価の今後の見通し

燃料費調整額の変動は、世界経済や国際情勢に左右されるため、将来の動向を完全に予測することは難しいですが、いくつかの重要なポイントがあります。

 ① 短期的な見通し(2024年〜2025年) 
 • エネルギー市場の安定化:2023年後半からの燃料価格の下落傾向は2024年も続く可能性が高い。
 • 円安・円高の影響:円高が進めば燃料費調整額はマイナス方向に働き、円安になると再びプラスに転じる可能性がある。

 ② 長期的な見通し(2030年まで) 
 • 再生可能エネルギーの普及:政府のエネルギー政策により、再生可能エネルギーの比率が高まれば、化石燃料への依存度が減り、燃料費調整額の影響を受けにくくなる可能性がある。
 • 新たなエネルギー源の活用:水素発電や次世代型原子力発電など、新しいエネルギー技術が普及すれば、燃料価格の変動リスクが抑えられる可能性もある。


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燃料費調整についてのまとめ

燃料費調整についてのまとめ

ここまで、燃料費調整制度の仕組みや、電気料金への影響、今後の見通しについて詳しく解説してきました。まとめとしてポイントを振り返りましょう。

燃料費調整制度のポイント

 ① 燃料費調整制度とは? 
 • 発電に必要な燃料(LNG・石炭・原油)の価格変動を、毎月の電気料金に反映する仕組み。
 • 3か月前の燃料価格を基に調整額が決まり、電気料金に加算または減算される。

 ② 燃料費調整額が変動する主な要因 
 • 国際的な燃料価格の変動(例:原油やLNG価格の上昇・下落)
 • 為替相場の影響(例:円安になると燃料輸入コストが増加し、電気料金が上昇)
 • 日本のエネルギー政策(例:再生可能エネルギーの導入が進めば、燃料費調整額の変動が緩やかになる)

 ③ 燃料費調整額の過去の推移 
 • 2020年:コロナ禍で燃料価格が急落し、燃料費調整額はマイナス。
 • 2022年:ロシア・ウクライナ問題の影響で燃料価格が高騰し、燃料費調整額は過去最高の+9.00円/kWhに。
 • 2023年~2024年:燃料価格が落ち着き、燃料費調整額はマイナスに転じる。

燃料費調整額は…

 • 燃料費調整制度は、電気料金の大きな変動要因の一つであり、燃料価格や為替相場の影響を受けて毎月変動する。
 • 過去の推移を見ると、エネルギー市場の変動によって調整額が大幅に変わることがあるため、今後の動向を把握することが重要。
 • 電気料金の変動を理解することで、家計管理や電力プランの選択に役立ち、将来的な電気代の上昇リスクに備えられる。
 • 再生可能エネルギーの普及が進めば、燃料費調整額の変動を抑えられる可能性があるため、今後のエネルギー政策にも注目が必要。
燃料費調整額は毎月変動するため、日々のニュースや電気料金の明細をチェックし、最新の情報を把握することが大切です。電気料金の仕組みを正しく理解し、将来の変動に備えていきましょう。

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