太陽光発電システムを取り入れると、家庭の電気代の節約につながります。とはいえ、導入費用や節約の程度などが気になり、メリットとデメリットのバランスも正確に把握できず、導入をためらっている人もいるでしょう。本記事では、太陽光発電の仕組みや電気代を節約できる理由について解説します。また、導入のメリットや費用の目安、さらに節約効果を高めるためのポイントなどについても紹介していきます。
▶ 太陽光発電の価格と商品比較
▶ 自家消費型太陽光発電システムの設置費用と補助金
太陽光発電の仕組み
太陽光発電パネルは半導体で構成されており、太陽光が当たると電気が発生する仕組みとなっています。太陽光パネルで作られた電気が、まず運ばれるのが接続箱です。配線を通り接続箱へ運ばれた電気は、さらにパワーコンディショナーを介して、家庭で使用可能な電力に変換されます。パワーコンディショナーから、次に電気が運ばれるのが分電盤です。分電盤は、電気を住宅内の必要なところに分配する役割を担っています。
これが、太陽光パネルから電気が作られ、住宅内にある各家電製品が使用可能となる流れ、および仕組みです。説明したように、太陽光発電に必要な設備は、太陽光パネルのみではありません。接続箱や分電盤、パワーコンディショナー、さらには電力量計や発電モニターなど、さまざまな設備や機器が必要となります。また、太陽光パネルを屋根に設置するための架台も、重要な機器の一つといえるでしょう。
太陽光発電が電気代削減につながる3つの理由
太陽光発電を自宅に導入することにより、負担している毎月の電気代を安くできます。ここでは、太陽光発電が電気代削減につながる理由を説明します。
自家発電の電気を使用できるため
太陽光発電を取り入れている家庭では、日中の太陽が出ている時間帯、つまり、太陽光により電気が作れる時間帯は、太陽光発電によって得た電気を使用できます。ただ、夜間は太陽が出ていないため、太陽光発電は行われません。太陽が出ていない時間帯は、電力会社から電力を購入し、家電製品などを使う必要があります。発電した電気が自家消費できているのであれば、その時間帯は電力会社からの電気購入は不要です。
太陽光発電を取り入れていない家庭では、昼夜問わず、電力会社から電気を買わなければいけません。そのような家庭と比べると、自家発電による電気を使用できる太陽光発電を導入している家庭では、大幅な電気代の節約が期待できるでしょう。また、日中に使用する電力が発電量を下回っている場合は電気代が発生しないため、さらなる節約につながります。
電気の単価を安くできるため
一般的な家庭の多くは、基本料金に加えて、使用量に応じて電気料金単価が決定されるプランで電力会社と契約を結んでいます。このプランは、月の合計の使用電力量が増えるにつれて、段階的に電気料金単価が上がる仕組みです。言い換えれば、月の合計の使用電力量を減らせれば、電気料金単価を下げられることになります。説明したように、太陽光発電を取り入れている家庭では、太陽光で作り出した電気の自家消費が可能です。家庭で使用する電力のすべてを電力会社から購入しているケースと比較して、電力会社から購入する電力量を大幅に減らせるので、電気料金単価が下がる効果が期待できます。これも、太陽光発電が電気代削減につながる理由です。
再エネ賦課金の負担を減らせるため
毎月支払っている電気代は、基本料金と使用した電力料金のみで決定しているわけではありません。「再エネ賦課金」も上乗せされています。再生エネルギーの普及などにかかるコストを国民全体で負担する制度や、そのために支払う必要のあるお金が再エネ賦課金です。太陽光発電で余った電気を電力会社は買い取ってくれますが、そのための資金にも再エネ賦課金が使われています。太陽光発電が国内に普及するほど電気の売買量が増加するため、再エネ賦課金も増やさなければ、このシステムは成り立ちません。実際に、再エネ賦課金の負担額は年々増加しています。
この再エネ賦課金は、各家庭の電力使用量に比例して負担額が増える仕組みです。つまり、電力会社から購入する電力量が少ないほどに、負担する再エネ賦課金額は少なくて済みます。太陽光発電を導入し電気の自家消費が可能となれば、電力会社からの電気の購入量は減るでしょう。結果的に、再エネ賦課金の負担を抑えられ、電気代削減につながります。
太陽光発電を設置するメリット
電気代削減効果のほかにも、太陽光発電の導入にはさまざまなメリットがあります。ここでは、導入によるメリットをさらに紹介していきます。
電気を売って収益を得られる
太陽光発電で作り出した電気が自家消費に必要な量を上回った場合、余った電気は電力会社へ売却することが可能です。これは余剰売電と呼ばれ、電気を電力会社に買い取ってもらえれば、売った家庭は利益が得られます。電力会社による余剰電力の買取価格は、国の「FIT固定価格買取制度」により10年間は固定されるため、その間は安くなってしまうことがありません。
例えば、10kW未満の場合、2023年度FIT固定買取単価は、1kWhあたり16円です。一つの家庭で300kWhの余剰電力を、1kWhあたり16円で売電するとしましょう。このようなケースでは、4800円の収入を得られることになります。10年間は買取価格が固定されるので、値下がりのリスクがなく、売電による収入の見通しが立てやすくなる点がメリットです。太陽光発電の導入費用やランニングコストの回収手段としても、この仕組みは活用できます。
地球環境に優しい発電方法
太陽光発電に使われる太陽光エネルギーは、温室効果ガスが排出されないクリーンなエネルギーです。温室効果ガスは火力発電などによって排出される二酸化炭素（CO2）が大部分を占めています。CO2は地球温暖化の大きな原因の一つです。太陽光発電の普及は、CO2の削減にもつながります。太陽光発電は、地球温暖化をはじめとした環境問題に優しい発電方法といえるでしょう。各家庭が導入すれば、環境の負荷を減らせ、持続可能な社会の実現に貢献できます。
太陽光発電の設置費用の目安は？
太陽光発電の導入にかかる費用は、各家庭の設置条件や、太陽光パネルの種類やメーカー、容量、施工業者などにより大きく異なります。そのため、ある程度の目安を知るには、まずは1kWあたりの相場を把握しておく必要があるでしょう。経済産業省調達価格等算定委員会の資料によると、2020年の住宅用太陽光発電システム費用は、新築の場合「28万6000円/kW」となっています。一般家庭では4kW前後の容量となるケースが多いため、100〜300万円が一つの目安です。
ちなみに、既築の住宅に設置する場合には、同じ容量などの設備を導入するのであれば、新築よりも費用がかかってしまうケースが大半でしょう。「住宅を建てたあとで、必要であれば導入しよう」という考えでは、導入費用が余分にかかってしまう恐れがあります。そのため、新築購入時に導入を検討しておくことがお勧めです。また、住宅用太陽光発電システムは世界的に普及しており、低価格化も進んでいます。今後も、その傾向は続くでしょう。
太陽光発電で電気代を0円にできる？
太陽光発電によって電気代を一切払わなくてもよい状態にすることは、理論的には可能です。発電量が家庭内での電気の消費量を上回れば、電気代は0円となります。ただ、すべての家庭で実現できるとは限りません。太陽光発電は夜間は電気を作れないため、その時間帯は電力会社から電気を購入する必要が生じます。昼間だけ家におり、夜は家族全員が家にいないという家庭はほとんどないでしょう。そのため、実際の生活環境で電気代0円の実現は、現実的には難しいとされています。
太陽光発電で電気代を0円にすることが難しい理由
夜間は電力会社から電気を購入しなければならないことに加え、太陽光発電では電気代を0円にするのが難しいということには理由があります。ここでは、その理由を解説します。
天候や季節などの影響により発電量が変動するため
太陽光発電による発電量は、降り注ぐ太陽の光の影響を受けます。夜間に発電できないだけではなく、天候や季節によっても日照時間は異なり、発電量も上下するでしょう。昼間であっても、曇りや雨の日であれば発電量は低下します。梅雨の時期が長かったり、雨・曇り・雪などが多かったりする地域は、年間の発電量に悪い影響が出かねません。人間が、これら天候や季節をコントロールするのは不可能です。コントロール不可能な要素に影響を受けやすい太陽光発電だけでは、電気代を0円にするのは容易ではないでしょう。
太陽光発電システムのみでは電気をためられないため
太陽光発電の設備のみでは、発電した電気を蓄えておけません。発電した電力は、すぐさま自家消費され、消費されずに余った電力は電力会社へと売ることになります。電気を長時間ためておけないため、夜間にはどうしても電力会社から電気を購入せざるをえません。昼間の電気代はかからないケースが多いので電気代の削減は比較的容易であるものの、夜間の電気購入は避けられず、結果的に、電気代0円は実現できなくなってしまうのです。
太陽光発電で電気代を0円に近付けるポイント
太陽光発電で電気代0円を実現するのは難しいものの、それに近づけることは可能です。ここでは、太陽光発電で電気代を大幅に節約するためのポイントを紹介します。
節電して電気の使用量を減らす
電気代の削減には、やはり節電が欠かせません。電気代を0円に近づけるには、発電量が電気の使用量を上回る必要があります。そのためには、日頃からの節電が不可欠です。節電により家庭の電力を可能な限り太陽光発電で補えれば、電気代を抑えられるでしょう。冷蔵庫の温度を高めたり、照明をこまめに消したりなどは、代表的な節電方法です。使用していない家電製品の電源を切っておくのも節電効果が期待できます。また、古いエアコンや冷蔵庫を、消費電力の少ない新しい家電に買い替えることでも節電効果が見込めるでしょう。
▶ 太陽光発電の価格と商品比較
家庭用蓄電池を利用する
蓄電池は、その名のとおり、電気をためられる設備です。太陽光発電システムと蓄電池の併用により、余剰電力をためられるようになります。悪天候時や夜間など、発電できない時間帯の電力を蓄電池からまかなえます。発電できない時間帯でも電力会社から電気を買う必要がなくなる、あるいは購入する電力量を減らせるので、電気代の削減が可能です。蓄電池は、停電や災害などの発生時に、非常用電力としても活用できます。電力が確保できれば、非常時でもすぐに電気が使えなくなることがなくなり、安心感も高められるでしょう。
電気自動車（EV）とV2Hを活用する
太陽光発電によって作られた電気は、EVにも充電可能であり、結果的に自家消費量を増やせます。さらにV2Hも併用すれば、EVの大容量バッテリーを蓄電池として使用可能です。V2Hは、EVやプラグインハイブリッド車のバッテリーにためた電力を家庭で使うための機器のことです。夜間など発電できない時間帯にV2Hによって電気を家庭に戻して使用できるため、節電にもつながるでしょう。
EVは電気で動くので、ガソリン代の削減にもつながります。太陽光発電でEVのための電力もまかなうことで、給電スタンドまで行く手間や時間を省ける点もメリットです。「エコ発電本舗」では、V2Hも取り扱っています。導入を検討しているのであれば、まずは問い合わせてみましょう。
お得に太陽光発電を設置するポイント
太陽光発電の導入には費用がかかりますが、お得に導入可能な方法もあります。ここでは、太陽光発電の導入費用を抑えるポイントを紹介します。
補助金を活用して自己負担を減らす
自治体によっては、太陽光発電システムの導入に関する補助金制度を設けています。条件によって補助金を活用できるかどうかが異なるため、導入前に各自治体の補助金情報の確認が必要です。また、補助金の総額は、年度ごとに予算で決められています。使い切ってしまうと、その年度の補助金の利用はできません。次の年度も太陽光発電システムの導入に関する補助金が設けられる保証もないでしょう。太陽光発電の導入を検討しているのであれば、早めの決断と申し込みをお勧めします。
見積もりを比較して工事費用が安い業者を探す
太陽光発電導入の際は、各社の見積もりの比較も重要です。同じメーカー・容量の太陽光パネルを取り扱っていても、販売業者や施工業者によって価格は異なります。比較を行い、料金面でお得な施工業者をみつけられれば、導入費用を安く抑えられるでしょう。値引きの相談が可能な業者もあります。各社の見積もりの比較は、この相談にも活用可能なため、多くの業者の情報を集めておくことが重要です。電話や公式サイトに用意された専用フォームから、無料見積もりができるところも少なくありません。そのようなサービスを利用すると、手軽に各社の見積もりの比較が行えるでしょう。
太陽光発電で電気代を削減！自給自足でお得に暮らそう
太陽光発電の導入により、電気代の節約や環境への配慮が実践できます。また、蓄電池やEVとの併用により、お得な電気の活用が可能です。節電などの工夫もし、必要な設備も整えられれば、電気代も0円に近づけられるでしょう。太陽光発電システム導入のサポートをしている「エコ発電本舗」では、太陽光発電・蓄電池・V2Hを取り扱っています。太陽光発電の、より詳細な情報を知りたい場合には、一度チェックしておくとよいでしょう。
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