太陽光パネルは、電気代の節約につながることもあり、導入を検討する人も多いでしょう。ただし、永久的に使えるわけではありません。導入の際はいずれ廃棄することも考えておく必要があります。つまり、太陽光パネルは設置だけでなく廃棄の費用も発生するということです。もちろん、所定の方法で適切に処分することも前提になります。この記事では、太陽光パネルの廃棄方法や費用の相場、注意点などについて紹介していきます。
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太陽光パネルは産業廃棄物
まず理解しておきたいのは、太陽光パネルは産業廃棄物であるということです。太陽光パネルには、鉛やカドミウム、セレンといった材料が使われています。これらの材料は有害物質で、産業廃棄物として扱われます。そのため、一般のゴミと同じように処分することはできません。処分方法が決められており、それに沿って適切に廃棄する必要があります。
廃棄はもちろんですが、太陽光パネルは撤去の際も注意が必要です。ガラスが割れる、ショートするといった危険をともないやすく、撤去には専門的なスキルが求められます。素人が自力で撤去するのは危険であり、至難の技でしょう。安全を考え、実績や知識が豊かな専門業者に依頼するのが適切な方法です。ただし、業者であれば良いということでもありません。中には、太陽光パネルを不法投棄する業者も存在します。依頼する際は、免許の有無をはじめ適切な料金であるかどうかの確認が必要です。
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懸念される「太陽光パネルの廃棄問題」について
太陽光パネルを廃棄するにあたって懸念される問題は3つあります。まず1つめは「不法投棄や放置の問題」です。先述したように、太陽光パネルを適切に廃棄するには相応の費用がかかります。しかし、中には廃棄費用を用意できない人もいます。そのような理由から、不法投棄または放置するといった問題が出やすくなるのです。2つめの問題としては「有害物質の流出と拡散」があげられます。これの主な原因は、有害物質について情報を把握していない廃棄物処理業者が処分を行うことです。正しい知識を持っていないと、適切に処分できないというリスクが出てきます。
そして、3つめの問題は「最終処分場のひっ迫」です。日本では、1990年代後半頃から太陽光発電の設備導入が広がっています。この頃から設置された太陽光パネルは寿命を迎えており、大量に廃棄されて排出される状況が目前に迫っているのです。そのため、最終処分場が一時的にひっ迫するリスクがあります。太陽光パネルの導入を考えている人は、これらの問題点を踏まえ、まず廃棄の見通しを立てておくことが必須条件です。
太陽光パネルの廃棄を検討するケースとは？
太陽光パネルの廃棄を検討するケースは主に3つです。では、どういったケースがあるのか見ていきましょう。1つめは、リフォームまたは住宅の建て替えなどにともない撤去が必要になるときです。建て替えなどを行えば、これまでの太陽光パネルでは家の形状に合わないといった問題が出てきます。そして、2つめとしては太陽光パネルの不具合や寿命があげられます。そもそも、寿命を迎えると廃棄する他に解決方法がありません。
3つめは、自然災害などで太陽光パネルが落下し、破損した場合です。まだ設置して間もない時期であっても、破損したときは使えなくなります。やむなく廃棄という手段を取るのが一般的です。その際に、太陽光パネルの廃棄方法は、ケースによって異なるのです。ケース別の廃棄方法については、以下で紹介していきます。
3ケース別】太陽光パネルを廃棄・処分する方法
では、さきほど説明した3つのケース別に太陽光パネルの廃棄・処分方法をそれぞれ紹介していきます。
住宅の建て替えやリフォームを行う場合
太陽光パネルを廃棄する理由が住居の建て替えやリフォームだった場合、撤去作業は基本的に解体業者に依頼します。もちろん、解体業者であればどの業者でも良いということではありません。太陽光パネルを導入している家の解体を行うのは、一般的にパネルの撤去に関する資格を持った業者です。まず、解体業者が太陽光パネルを建物から撤去します。それから専門のリサイクル業者に引き渡し、その後適切に処分を行うという流れになります。
太陽光パネルの寿命・不具合で交換する場合
太陽光パネルの不具合もしくは寿命を迎えたことで交換する場合、太陽光発電システムを設置してもらった施工会社か販売会社によって撤去作業が行われるのが一般的です。例えば、寿命や不具合によってパネルが割れたりケーブルが断線したりといった不具合が発生することもあります。故障の原因としては、パワーコンディショナーによるケースも可能性の一つにあげられます。パワーコンディショナーとは、発電によって作られた電力を使用可能な電力に変える装置のことです。中には、導入の際に設置をしてもらった会社がなくなっていることもあるでしょう。その場合でも、まず連絡先に問い合わせることは必要です。
太陽光パネルが破損した場合
もしも自然災害によって太陽光パネルが破損したときは、状況に応じて対応が別れます。例えば、パネルが屋根についているなら、パネルの設置を行った業者に連絡しましょう。状況を伝え、そのうえで交換または修繕してもらいます。パネルが外れてしまい、地上に落下した場合は、一般廃棄物となるのが通常の扱いです。そのため、まず居住地の自治体の「廃棄物担当窓口」に連絡し、処分方法について相談する必要が出てきます。
ただし、落下しても通電している可能性があるときは、自分で触ってはいけません。割れた部分に触れてケガをしたり感電したりする恐れが出るためです。自分で動かそうとはせず、専門業者に任せたほうが安全です。
太陽光パネルを廃棄するための費用の種類と相場
実際に太陽光パネルを廃棄するとなると、一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか。依頼する業者やケースによっても費用は異なります。では、一般的な費用の種類と相場を紹介していきます。
撤去費用
太陽光パネルを一般住宅の屋根から取り外すには、撤去費用が必要です。撤去費用としては、作業費や人件費、足場設置代などを考えておかなければなりません。まず、作業費と人件費だけでも目安としては10〜15万円ほどになります。足場代は日数や広さで変わってきます。目安としては、1平方メートルで700～1000円程度ですが、これは1日あたりの金額です。
具体的な費用は、太陽光パネルの設置枚数や屋根の形状、傾斜角度、さらに階数や足場の設置の必要性などさまざまな要素で変わります。場合によっては屋根の修復が必要になることもありますが、ふき替えと部分補修でも費用が異なります。費用については業者に見積もりを取り、不明な点は確認するのが一番です。
産業廃棄物の処分・運搬費用
太陽光パネルは、取り外した後はリサイクルするために資源として回収され、最終処分などが行われます。その際、廃棄物処分などで費用が発生します。このときにかかる費用ですが、太陽光パネルの状態や資源価格などによって変わるので注意しましょう。運搬費用については、処分場までの距離に応じて変わってきます。
廃棄する前に知っておきたい太陽光パネルの活用方法
太陽光パネルは、FIT制度（固定価格買取制度）が満了した後は売電収入に期待できないという理由から廃棄を考える人もいます。しかし、実際には他の活用方法もあります。具体的にはどのようなものか、主な活用方法を見ていきましょう。
蓄電池やv2hを導入して非常用電源として使う
近年増えてきているのは、太陽光発電と蓄電池を併用するケースです。10kWh以上の家庭用蓄電池を導入した場合、発電した電気を非常用電源として活用できます。貯めた電気は夜間に使うことも可能ですし、災害や停電といった緊急時には家電の使用に困ることもありません。非常用電源として備えておければ、安心感が高まるでしょう。
v2hを併用すれば、発電した電気を接続することで電気自動車に送ることもできます。それだけではありません。一旦電気自動車に貯めた電気を家に送電して使うことも可能です。太陽光発電、蓄電池、v2hを併せて使えば節約につながりますし、生活がさらに便利で豊かになります。太陽光発電や蓄電池、v2hについて気になるなら、「エコ発電本舗」に問い合わせてみましょう。
家庭の主電源とする
太陽光パネルは、設置から一定期間はFIT制度が設けられています。しかし、満了した後は売電収入に対して大きな期待はできません。ただし、FIT期間満了後も、故障などが起こらなければ発電した電気をそのまま自家消費できるというメリットは続きます。つまり、自宅で発電した電気を無料で使用できるというわけです。その分、電力会社からの買電量を削減できます。太陽光発電を自宅の主電源にすれば、光熱費を大幅に節約することが可能になります。
太陽光パネルの廃棄における注意点
太陽光パネルを廃棄するときは、気をつけておきたいポイントがいくつかあります。最後に、廃棄にともなう具体的な注意点を紹介していきます。
補助金の返還が必要になる場合がある
太陽光パネルを設置した際、補助金を受けていたなら法定耐用年数に注意しましょう。補助金の条件として、法定耐用年数を満たしていることがあげられます。そのため、もしも法定耐用年数を満たさない状態で廃棄を行うと、補助金の返還を求められる可能性が出てきます。そうなれば、思わぬ出費になりますし、せっかく補助金を受けた意味がありません。具体的な条件がどのようになっているか不明な場合は、補助金の交付に関する資料を確認してみましょう。補助金の給付元のサイトなどでも条件を確認することは可能です。
雨漏り対策を行う
一般住宅であれば、通常は太陽光パネルを屋根の上に設置します。ところが、廃棄作業を依頼した業者の技術が十分ではなかった場合、屋根を傷めてしまうというリスクをともないます。技術不足の業者に依頼してしまった場合には、屋根の修繕を適切にしてもらえないこともあります。その場合は、雨漏りが起こることも想定されるため、注意が必要です。
太陽光パネルを設置した後、屋根に問題がないか確認するといいでしょう。不安に感じたときは、専門業者に確認してもらうと安心できます。もちろん、撤去を依頼するときに不具合が起こった場合の補償などを確認するのも良いことです。疑問や心配な点は事前に質問し、雨漏りが起こったときの責任の有無などを理解してから依頼するといいでしょう。
太陽光パネルは節電に効果的！廃棄の前に活用手段を考えよう
太陽光パネルを導入すると、節電につながるといった継続的なメリットがあります。しかし、その一方で廃棄には費用がかかるため、廃棄するには慎重な決断が必要です。有効活用するには蓄電池またはv2hと併用するのもいいでしょう。太陽光発電の導入や活用方法について知りたいときや、メリット・デメリットといった詳細な情報を求めている人はこちらのサイトがおすすめです。
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