
2022年7月から、太陽光発電設備の廃棄費用積立金が、強制徴収されます。
廃棄費用積立の「仕組み・金額・期間・取戻し」などの詳細を解説いたします。
動画でも詳しく解説しておりますので、お役立てください。
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太陽光発電設備の廃棄費用積立金の詳細は?
・対象者:太陽光パネル10kW以上の設置者
・積立方法:売電収益から源泉徴収
・預金機関:電力広域的運営推進機関
・積立期間:FIT終了前10年間
・積立金額:基準額 × 売電電力量
積立金額は認定時期により、以下の金額になります。
2020年度、2021年度は10~50kW未満の場合、全量売電は適用される余剰売電が適用されます。
発電量の30%以上を自家消費することが義務付けられており、以下の経済産業省の試算では「発電量の50%を自家消費」する前提で計算されております。
| 認定時期 | 売電価格 | 積立基準額 | 50kW設置の 積立金総額 |
|---|---|---|---|
| 2012年度 | 40円/kWh | 1.62円/kWh | 810,000円 |
| 2013年度 | 36円/kWh | 1.40円/kWh | 700,000円 |
| 2014年度 | 32円/kWh | 1.28円/kWh | 640,000円 |
| 2015年度 | 29円/kWh | 1.25円/kWh | 625,000円 |
| 2016年度 | 24円/kWh | 1.09円/kWh | 545,000円 |
| 2017年度 | 21円/kWh | 0.99円/kWh | 495,000円 |
| 2018年度 | 18円/kWh | 0.80円/kWh | 400,000円 |
| 2019年度 | 14円/kWh | 0.66円/kWh | 330,000円 |
| 2020年度 (50kW未満) |
13円/kWh | 1.33円/kWh (50%自家消費) |
332,500円 |
| 2021年度 (50kW未満) |
12円/kWh | 1.33円/kWh (50%自家消費) |
332,500円 |
例えば、2016年に50kWの太陽光パネルを設置した場合、だいたい以下の金額となります。
・年間発電量:50,000kWh
・年間積立額:50,000kWh × 1.09円/kWh = 54,500円/年
・積立総額:54,500円/年 × 10年間 = 545,000円
廃棄費用積立金の疑問点
太陽光発電設備の廃棄費用の積立金の試算は上記のとおり、「売電価格に連動して、積立金が低価格」になっています。
太陽光発電設備の廃棄費用は、設備の規模や設置場所の環境に連動し、設置費用や売電価格に連動しません。
年々、売電価格は下落しているので、売電収入から源泉徴収される廃棄費用の積み立て金も値下げしないと売電事業としての投資対効果が下がるので、売電価格に連動した積立基準値に設定しているのでしょう。
上記試算では、発電事業の開始時期が2012年度と2019年度では積立金総額が2倍以上変わります。
直近で発電事業者を開始された方の積立金で、廃棄費用は十分にまかなえるのでしょうか?
電力広域的運営推進機関とは?
電力広域的運営推進機関は、通称「広域機関」と呼ばれており、国内全ての電気事業者が会員になることを義務付けられた機関で、電力の需給状況を関し、供給が不足している事業者に対する電力の融通を他の事業者に指示します。
供給過多になった場合は、まず火力発電の電力から抑制し、再生可能エネルギー、原子力発電所の順番で抑制します。
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太陽発電発電設備の廃棄費用積立金の取戻しは?

卒FIT後に原状回復する場合
卒FIT後に太陽光発電設備を撤去する場合、廃棄費用積立金は当然ですが「発電設備の廃棄」を申請することで、全額受け取ることができます。
申請には解体業者との契約書などが必要で、デタラメな申請で取戻しすることはできません。
卒FIT後も発電事業を継続する場合
卒FIT後も発電事業を継続する場合、基撤去するタイミングまで廃棄費用積立金は「電力広域的運営推進機関」に預けます。
発電事業を継続するうえで、太陽光パネルなど一部の設備を交換する場合、その分の取戻しができるようです。
発電所を売買(譲渡)する場合
太陽光発電設備は中古市場が活況で、卒FIT前の発電所が売買されておりますが、廃棄費用積立金は売却先に譲渡されます。
廃棄費用積立金は、廃棄の費用なので売却先に引き継がれるフローは当然の流れで、特に違和感はないですね。
廃棄費用積立金が不足した場合
太陽光発電設備を撤去する際、廃棄費用積立金が不足する場合は発電事業者が不足分を負担します。
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太陽発電設備の廃棄費用は自分でも積立できる?
上記で解説した太陽光発電設備の廃棄費用の積立方法は、電力広域的運営推進機関にデポジットする「外部積立」の手法ですが、経済産業省が制定した条件を満たせば発電事業者が内部積立することもできます。
以下に、太陽光発電設備の廃棄費用を内部積立するための主要な条件を紹介します。
外部積立よりも高額の積立を行う
廃棄費用を外部機関に積み立てる場合、積み立てる金額は決まっていますが、実際に撤去に必要な金額は設置場所になどによりケースバイケースです。
外部積立の基準の金額よりも高い金額の廃棄費用を積み立て、その金額の公表に同意できることが内部積立の条件の1つです。
金融機関や会計士に内部積立の確保を確認
廃棄費用積立金のための専用口座を開設し、厳格な資金管理が義務付けられていることが条件です。
これは当然の条件で、内部積立は他の内部留保金と区別がつかないので、専用口座の準備は必須ですね。
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太陽光発電設備の廃棄の課題
太陽光発電設備の廃棄費用積立の背景
太陽光発電設備を運営する事業者には、経済産業省が定めた基準以上の廃棄費用をあらかじめ積み立てておく義務があります。これは、発電事業を開始してから20年以上先に訪れる撤去や廃棄のタイミングで、事業者の財務状況が悪化している可能性を考慮した制度です。万一、倒産や資金難で廃棄費用を賄えなくなれば、設備が放置され、不法投棄のような状態になってしまう危険があるため、強制的な積立は合理的な対策といえます。
廃棄対策の必要性と現状の課題
FIT制度の導入により、再生可能エネルギーの普及が進み、法人から個人まで幅広い層が発電事業に参入しました。しかし、必ずしも全ての事業者が適切なメンテナンスや安全管理を行っているわけではありません。その結果、設備の故障や劣化に伴う安全性の低下、環境への悪影響が懸念されるケースも出てきています。
地域社会との摩擦
もう一つの問題は、発電事業者と設置地域の距離感です。多くの事業者は必ずしも自らが居住する地域に設備を設置するわけではなく、地元住民の目が届かない場所で事業を進めることも少なくありません。そのため、ずさんな管理が行われるリスクがあり、結果的に周辺住民から「安全面が心配」「環境への悪影響が不安」といった声が増加しています。
太陽発電設備の廃棄における「具体的な課題」
【 廃棄費用を国民が負担? 】
太陽発電設備の廃棄費用が不足するすることで、「税金」「再エネ賦課金」として国民から徴収される可能性があるので、国民に転嫁しないように発電事業者の売電収益から十分な費用を準備させる仕組みが必要。
【 有害物質の処理は? 】
太陽発電設備は太陽光パネル、パワーコンディショナ、架台などから構成されており、太陽光パネルには有害物質(鉛、セレンなど)が含まれている。
有害物質の処理のルールや違法投棄への規制や罰則などを制定する必要がある。
【 発電事業者が倒産したら? 】
発電事業者が倒産した場合や、売電収入が債権者に差し押さえられた場合、廃棄費用の積立金が債権者に差し押さえられてしまい、廃棄資金の確保ができなくなる可能性もありそう。売電収入から源泉徴収し、取戻しの要件を明確にすれば問題なさそうだが懸念点としてあげられています。
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廃棄費用積立のよくある質問
【 10kW以上の余剰売電の場合は? 】
全量売電・余剰売電を問わず、外部積立の対象で源泉徴収されます。
【 10kW以上の自家消費型の場合は? 】
外部積立ができないので、内部での積立を自己責任で行っていただきます。
【 10kW以上のFIPの場合は? 】
外部積立の対象で源泉徴収されます。
【 外部積立分は課税対象? 】
外部積立分も含めて、課税対象となります。
当然ですが、廃棄時に積立分を取り戻す際には課税されません。























