家庭用蓄電池の賢い選び方!容量・価格・停電時の動作を徹底比較
「最適な家庭用蓄電池の選び方」について、動画でも解説しておりますのでご参照ください。
多くの方が「容量・価格」「営業マンからすすめられた家庭用蓄電池」を選びがちです。
最適な蓄電池を「電気の使用量」や「太陽光パネルの設置容量」など固有の事情から選定する方法を解説しております。
家庭用蓄電池の賢い選び方
家庭用蓄電池のラインナップは多種多様です。
多くの方が「蓄電容量」「価格」に注目しがちで、ほとんどの販売店も容量や価格の説明に終始しがちです。
家庭用蓄電池の検討において、蓄電容量や価格も大きなポイントではありますが、「停電時の動作」など、蓄電容量や価格以上に注視スべきポイントもいくつかございます。
家庭用蓄電池の検討において、注視するポイントを以下に紹介いたします。
特定負荷型・全負荷型
家庭用蓄電池の選択基準として「特定負荷型」「全負荷型」は非常に重要なポイントです。
上図のように、特定負荷型の家庭用蓄電池を設置する場合、停電時に一部の負荷にしか蓄電電力を給電できません。
さらに、特定負荷型は出力電圧が100Vなので、200Vのエアコンや、エコキュート、IHクッキングヒーターなどは使用できません。
停電が短時間で復旧すれば良いですが、真夏や真冬の長期停電を想定すると、特定負荷型の家庭用蓄電池はおすすめできません。
全負荷型の家庭用蓄電池であれば、家中の負荷をまるごとバックアップできます。
200Vの家電も利用できるので、停電が発生しても通常時と何ら変わりなく電気を利用できます。
単機能型・ハイブリッド型
単機能型
「単機能型」「ハイブリッド型」も家庭用蓄電池の選択基準として、極めて重要な要素です。
通常時には仕様の違いは感じませんが、停電時の動作が大きく異なります。
上図は、単機能型の停電時の動作モデルです。
停電時は、太陽光発電システムのパワーコンディショナは「自立運転モード」となり、出力はたったの1.5kWです。
上図のように、家庭内で1kWを自家消費する場合、残り0.5kWのみしか家庭用蓄電池の充電に充当できません。
太陽光発電システムの発電電力を6時間充電しても、3kWh程度しか蓄電できないのです。
停電が数時間で復旧すれば特に困ることもないですが、先日の千葉県での大停電のように停電が1週間以上続く場合、電池切れになるリスクがあります。
ハイブリッド型
ハイブリッド型の家庭用蓄電池の場合、上図のようにパワーコンディショナの出力は5.9kW(ニチコン12kWhタイプの場合)と非常に大容量です。
家庭内で1kW自家消費した場合も、家庭用蓄電池の充電に4.9kWを充当できます。
2時間充電するだけで、10kWh程度の蓄電が可能です。
ハイブリッド型で、全負荷型の蓄電池を導入する場合、停電が起きてもほとんど気づかないくらい、通常時と同様の生活を送ることができます。
家庭用蓄電池の賢い選び方 まとめ
上述のように、家庭用蓄電池を検討する際に、最も注視するポイントは停電時の挙動です。
そもそも家庭用蓄電池は「災害時の非常用電源」です。
たしかに節電設備でもあり、FIT満了に伴い太陽光発電システムの買取価格が激減する方にとっては、太陽光発電システムの発電電力を売電するより、家庭用蓄電池に充電して、朝晩に家庭内に供給することで電気代を最小限に抑えることも可能です。
しかし、家庭用蓄電池の導入費用を勘案したら投資対効果は微々たるものです。
家庭用蓄電池の経済効果が最大限に発揮されるのは災害時です。
例えば、先日の千葉の大停電や、北海道震災で家庭用蓄電池は大活躍しました。
家庭用蓄電池を導入されていない方々は、携帯電話を充電するために近くのガソリンスタンドで5時間も並ばざるを得ませんでした。
「毎日、ガソリンスタンドに行って5時間並ぶ」
このアクションに用する「労力・ストレス・時間」はプライスレスかもしれませんが、家庭用蓄電池の導入によりアクションが無用になれば、費用対効果は極めて大きいです。
できればハイブリッド型で、全負荷型の家庭用蓄電池が最もおすすめですが、予算のご都合がある場合は、全負荷型を優先しましょう。
停電時にエアコンが使えないと不便かと思います。