給湯器は炊事やお風呂などで毎日使用するものです。そのため、どのような給湯器を使用しているかによって光熱費は大きく変わることになるのです。もしも給湯器を買い替えたり新たに設置したりするのであれば、省エネ性が高くランニングコストの安いエコキュートがおすすめです。
そこで今回は、エコキュートの概要や経済的メリット、主要メーカーの製品の特徴などについて詳しく解説します。
▶ エコキュートの価格、メリットデメリット
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エコキュートとは何か？基本を解説
エコキュートは、環境に配慮した電気温水器の一種です。一般的なガス給湯器や石油給湯器とは異なり、ヒートポンプ技術を用いてお湯を沸かします。ヒートポンプは低温の熱源から熱を集め、高温の熱源へ移動させる仕組みで、空気中の熱を利用するため環境負荷を抑えられるのが特徴です。
エコキュートのメリット
エコキュートは夜間電力を利用してお湯を沸かすため、電気代を安く抑えることができます。貯湯タンクにお湯をためておく仕組みのため、停電時でもお湯が使える点も安心です。さらに、火を使わないため安全性が高く、ガスや石油を燃焼する給湯器のように火災リスクを伴わないのも大きなメリットです。
エコキュートのデメリット
一方で、導入コストはガス給湯器や石油給湯器に比べて高めです。ただし、設置後はランニングコストが低いため、長期的にはコストパフォーマンスの高さが期待できます。また、設置の際にはヒートポンプユニットと貯湯タンクの両方を設置するため、一定のスペースが必要です。さらに、夜間に稼働する際には約40デシベル程度の低周波音が発生するため、設置場所によっては近隣トラブルの原因となる可能性もあります。
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エコキュートの種類と特徴
エコキュートは浴槽への給湯方式によってフルオート、セミオート、給湯専用の3つに分けられます。自身にあったものを選ぶには、それぞれの違いについてしっかり理解しておくことが大切です。以下、各タイプの特徴を詳しく解説します。
フルオートタイプ
お湯の温度や量を自動で調整する機能があり、保温や追い焚き、足し湯などの機能も自動で行えるタイプです。浴槽に水を入れると、自動的にお湯を沸かしてくれます。保温や追い焚き、足し湯などの機能も自動で行えるので便利です。さまざまな機能が搭載されているため、使い勝手が良いタイプだといえるでしょう。
セミオートタイプ
お湯の温度や量を手動で調整するタイプです。浴槽に水を入れた後、手動でお湯を沸かさなければなりません。保温や追い焚き、足し湯などの機能も自分で行う必要があります。セミオートタイプはフルオートタイプに比べると価格が安いのがメリットです。また、なるだけ操作はシンプルな方がよいという人にも好まれています。
給湯専用タイプ
手動で給湯する最もシンプルなタイプです。手動で給湯栓を開いて浴槽にお湯を入れ、設定湯量に達すると音声やメロディーで知らせてくれます。多くの場合、保温や追い焚き、足し湯といった機能はありません。給湯専用タイプは3つのタイプの中で最も価格が安く、操作も簡単だといえます。そのため、機械が苦手な人や初めてエコキュートを導入する人におすすめです。
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月々の電気代を削減！エコキュートの経済的なメリット
エコキュートは省エネ性が高く、ランニングコストを抑えられる給湯機器として注目されています。その大きな理由のひとつが、夜間電力を利用する仕組みにあります。
電気料金が昼と夜で違う理由
電力需要は昼間に集中するため、電力会社はピーク時に備えて多くの発電を行います。一方、夜間は電気の使用量が減るため、電力が余る傾向にあります。そのため、電力会社は夜間の電気料金を割安に設定し、利用者に夜間の使用を促しているのです。
夜間電力活用によるコスト削減
エコキュートは、この安価な夜間電力を使って効率的にお湯を沸かします。結果として、月々の光熱費を大幅に節約することが可能になります。環境に配慮しながら経済的な暮らしを実現できる点が、エコキュートの大きな魅力といえるでしょう。
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ヒートポンプによるお湯づくりの仕組み
エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用してお湯を沸かします。ヒートポンプとは、空気中の熱を集めて取り込み、利用する技術のことです。まず自然冷媒が低温の状態で空気中の熱を取り込み、圧縮機（コンプレッサー）によって高温・高圧へと変化します。その熱を熱交換器で水に移し、お湯をつくり出します。完成したお湯は貯湯ユニットに蓄えられ、家庭で使用できる状態になります。
冷媒に二酸化炭素を使用
従来のヒートポンプでは冷媒としてフロンが多く使われてきました。しかしフロンは人工物質であり、オゾン層破壊の原因として問題視されてきました。エコキュートではこれに代わって二酸化炭素を冷媒として使用します。二酸化炭素は自然由来で環境負荷が小さく、かつ効率性にも優れているのが特徴です。
高効率と光熱費の削減効果
エコキュートはガスや石油を燃料とする給湯器と比べ、より少ない電力で効率的にお湯を沸かすことが可能です。そのため、省エネ効果が高く、毎月の光熱費削減にもつながります。環境と家計の両面にメリットをもたらす点が、エコキュートの大きな強みといえるでしょう。
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購入時の補助金・助成金情報まとめ
エコキュートのデメリットとしてまず挙げられるのが、価格の高さです。しかし、エコキュートを購入する際には、国や自治体からの補助金・助成金を受けることができます。導入する際にはこれらの補助金や助成金を積極的に活用しましょう。以下、それぞれ詳しく解説します。
国からの補助金
2023年、日本政府は住宅の省エネリフォーム補助事業のひとつとして「給湯省エネ事業」を創設しました。この事業はエコキュートを含む省エネ設備の買い替え・交換に対して補助金が支給される、というものです。エコキュートの場合、補助金額は1台あたり5万円、補助上限は戸建てあたり2台までとなっています。対象期間は契約日の期間で2022年11月8日から遅くとも2023年12月31日までです。
自治体からの補助金
エコキュートを設置する際、自治体によっては補助金を受けられる場合があります。補助金を受けるためには、それぞれの自治体が定めた要件を満たす必要があります。詳細は自治体のホームページや窓口で確認できるため、設置を検討する際には、自分の住む地域で制度があるかどうか調べておくことが大切です。
東京都の補助制度の例
東京都では「熱と電気の有効利用促進事業」として、エコキュート設置に対する助成が行われています。助成内容は、本体費用と工事費用の合計額の3分の1で、上限は22万円です。さらに、国や市区町村の補助金との併用も可能となっています。
ただし、対象となるのは太陽光発電システムをすでに設置している、もしくは新たに導入する家庭に限られます。また、補助対象機種も限定されており、三菱の「お天気リンクEZ」、パナソニックの「ソーラーチャージ」、ダイキンの「昼間シフト機能」を搭載したタイプが該当します。
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エコキュートの設置例と実際の声
光熱費の節約効果
導入後の光熱費については、家庭によって効果に差があります。20％程度の節約にとどまるケースもあれば、70％もの削減に成功した例もあります。一般的には、家族人数が多い家庭ほど節約効果が大きくなりやすい傾向にあります。特に、ガス代がかからなくなる点を大きなメリットと感じる人が多いようです。
シャワーの水圧や使い勝手
エコキュートは「シャワーの水圧が弱くなる」と言われることもありますが、実際にはそのような不便を感じなかったという意見が多く寄せられています。メーカーや製品による差はあるものの、信頼性の高いメーカーの機種であれば、日常の使い勝手に大きな不満は生じにくいといえます。
実際の利用者の声と導入のきっかけ
エコキュートを設置した家庭のきっかけとしては、太陽光発電システムの導入と同時に導入したケースや、それまで使用していた給湯器の故障を機に切り替えたケースが多く見られます。また、光熱費を削減する目的で導入を決めた人も多く、動機は家計の負担軽減や省エネ意識の高まりに直結しています。
エコ意識の向上
さらに、エコキュートを導入したことで、省エネや環境への配慮に対する意識が高まったという声もあります。単なる給湯機器の交換にとどまらず、暮らし全体をより環境に優しい方向へシフトするきっかけとなっているのです。
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エコキュートを長持ちさせるメンテナンスのコツ
エコキュートは省エネ性に優れ、ランニングコストも抑えられる魅力的な給湯機器ですが、長く快適に使い続けるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。特に意識しておきたいのが、浴槽フィルターの掃除と貯湯タンクの水抜きです。これらを習慣化することで、余計な修理費用を防ぎ、寿命を延ばすことができます。
浴槽フィルターの掃除
浴槽フィルターは週に一度を目安に掃除をするとよいでしょう。フィルターにホコリや水垢が溜まると目詰まりを起こし、性能が低下してしまいます。掃除の際にはまずフィルターを取り外し、水で全体を洗い流します。裏側に白い湯垢の固まりが残っている場合は、洗浄剤を使って丁寧に拭き取りましょう。さらに、網目に細かい汚れが入り込んでいることもあるため、古い歯ブラシなどを使ってしっかり取り除くことが大切です。こうしたこまめな手入れによって、日々の使用感や効率を維持できます。
タンクの水抜き
数カ月に一度は、タンクに溜まった汚れを排出するための水抜きを行うことが推奨されます。タンクの内部には不純物が沈殿しやすく、放置すると故障や性能低下の原因となります。手順としては、まず漏電遮断機をオフにし、給水配管の止水栓を閉じます。その後、逃がし弁レバーを開放してから排水栓を開き、二分以上排水します。排水が終わったら逃がし弁を閉じ、漏電遮断機を再びオンにして給湯が正常にできるか確認しましょう。この作業を定期的に行うことで、タンクの状態を清浄に保つことができます。
長持ちさせるために
フィルターの掃除やタンクの水抜きは、家庭でできる簡単なメンテナンスですが、これを怠ると性能の低下や寿命の短縮につながります。週ごとの掃除と数カ月ごとの水抜きを習慣にすれば、エコキュートは本来の省エネ性を発揮し続け、長く安心して使えるでしょう。
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エコキュートにおすすめの電力プランは？
オール電化プランの選択が基本
エコキュートを設置する場合、基本的にはオール電化の電力プランを選ぶのが一般的です。オール電化住宅でなくても、エコキュートを導入していればオール電化プランに加入できます。オール電化プランは時間帯によって電気料金が変動する仕組みになっており、エコキュートは夜間にお湯を沸かすため、夜間料金を活用することで電気代を大きく抑えることが可能です。
昼間の電力使用量とのバランス
ただし、昼間の電気使用量が多い家庭では注意が必要です。オール電化プランでは昼間の料金が割高に設定されている場合が多く、その結果、かえって電気代が高くなるケースもあります。とくにピークタイムが設定されているプランでは、その時間帯の料金が大幅に上がるため、電気代に大きな影響を与える可能性があります。そのため、自宅のライフスタイルに合わせて、どの時間帯にどのくらい電気を使用しているのかを把握することが重要です。
プラン変更は慎重に
電力プランの中には、一度解約してしまうと再加入できないものもあります。オール電化プランに切り替えてみたものの、思った以上に電気代が高くなり、元のプランに戻せなくなるというリスクも考えられます。したがって、契約前には複数のプランを比較し、しっかりシミュレーションを行うことが欠かせません。家族の生活パターンや電気の使い方を見直したうえで、自宅に最適なプランを選ぶことが、エコキュートを賢く利用するためのポイントとなります。
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エコキュートの人気メーカーを比較！
エコキュートはさまざまなメーカーから販売されていますが、そのなかでも特に人気なのは三菱電機、パナソニック、ダイキン工業、コロナ、日立、東芝の6社です。それぞれどのような特徴があるのか、詳しく解説します。
三菱電機
三菱電機のエコキュートの特徴は、機能を多数搭載していることです。たとえば、無駄なく沸き上げができる「かしこい沸き上げモード」やお湯の熱を再利用する「ホットりたーん」といった機能があります。賢くエコキュートを使いたいという人におすすめです。また、三菱電機のエコキュートは静音性に優れているという点でも高い評価を得ています。
パナソニック
パナソニックのエコキュートは、省エネ性の高さが特徴です。機能としては、センサーや学習機能を使用した「エコナビ」やお湯の熱を再利用できる「ぬくもりチャージ」などを搭載しています。また、パナソニックのエコキュートといえば、浴室に人が来るとセンサーで感知して加熱を始めてくれる「AIエコナビ」機能が有名です。そのほか、パナソニックのエコキュートには太陽光発電と連動した「ソーラーチャージ」機能が搭載されています。太陽光発電システムと併用したい人におすすめです。
ダイキン工業
ダイキン工業のエコキュートは「パワフル高圧」に代表される機能性の高さが魅力です。最新機種の場合、従来の機種の2倍近い圧力でお湯が出ます。そのため、2階や3階にお風呂がある家庭や、2カ所で同時にお湯を出している場合でも水圧が弱くなることはありません。また、部位によって1～5年のメーカー保証期間があるのもうれしいポイントです。有償で10年に延長することもできます。
コロナ
コロナは世界で最初にエコキュートの開発・販売をしたメーカーです。エコキュートのパイオニア的存在ともいえるでしょう。コロナのエコキュートは効率よくお湯を使いたい人に向いています。なぜなら「ES（エネルギーセーブ）制御機能」が搭載されているからです。この機能によって、より電気代を抑えた高効率の給湯ができます。
日立
日立のエコキュートは使い勝手の良さが魅力です。たとえば、日立製のエコキュートの特徴として水道直圧給湯という技術を採用していることが挙げられます。水道水を直接お湯に変えるため水圧がしっかりとあり、さらにお湯はりの速度が格段に早いです。しかも、水道直圧給湯で貯めたお湯は飲用水として使うこともできます。
東芝
東芝のエコキュートは遊び心に溢れているのが特徴です。「エコチャレンジ」という機能が搭載されており、週単位で省エネの達成度を評価してくれます。まるでゲームのような感覚で省エネに取り組めるでしょう。また、情報把握をしやすい「光タッチリモコン」も大きな魅力です。
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エコキュートの交換や買い替えを検討する際のポイント
エコキュートの寿命は10～15年程度といわれています。そのため、保証期間が過ぎた場合は本体の交換や買い替えを検討することがおすすめです。そこで、エコキュートの交換や買い替えを検討する際に気をつけるべきポイントについて、詳しく解説します。
信頼できる業者を選ぶ
エコキュートの交換や買い替えを検討する際には、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。特に、最近は訪問販売による「エコキュート交換詐欺」が多発しています。交換や買い替えをする際は事前に複数の施工店の評判や口コミをチェックすることが大切です。
設置場所や配管の状態を確認する
エコキュートの設置場所は、配管や電源の位置によって制限されることがあります。また、設置場所によっては、追加工事が必要になることも想定しておかなければなりません。そのため、新たに設置する場合や設置場所を変更する場合は、移動時の費用や注意点についてしっかり確認しておきましょう。また、エコキュートの交換や買い替えを検討する際には、既存の配管の状態を確認することが重要です。配管の材質や長さ、太さなどによって、交換に必要な工事内容や費用が異なる場合があります。
エコキュートの容量を家族人数や使用量に合わせて選ぶ
エコキュートの容量はタンクの大きさによって異なります。タンクの容量が大きいほど、一度に沸かせるお湯の量が多くなります。そのため、エコキュートの容量は家族人数や使用量に合わせて選ぶようにしましょう。また、エコキュートは一度に沸かせるお湯の量や使用できるお湯の量などが決まっています。容量が小さいとお湯が足りなくなることもあるため注意が必要です。
エコキュートの機能や性能を比較し、自分の家庭に合ったものを選ぶ
エコキュートの機能や性能は、メーカーや機種によって異なります。省エネ性能やお湯の沸き上げ速度、お湯の保温性能、お湯の使用量の自動調整機能、お湯の残り湯の再利用機能、配管洗浄機能、銀イオン発生ユニットの搭載などです。たとえば、お湯を多く使用する家庭ではお湯の沸き上げ速度が速く、お湯の使用量を自動調整する機能があるエコキュートが適しているでしょう。このように、自分の家庭にあったものを選ぶ必要があります。比較する際には口コミや評判をしっかりチェックすることが大切です。また、メーカーの保証期間やサポート窓口などもよく確認しましょう。
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