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オール電化にEVを導入すると、電気の使い方が家族の生活に大きく影響するようになります。「誰が、いつ、何に電気を使うか」が可視化され、これまで気にならなかった些細な行動が、家族間のトラブルの火種になることがあります。
オール電化とEVの組み合わせで生じる、家族間の電気使用をめぐる「ズレ」と、それによる心理的ストレスについて解説します。
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オール電化+EVで「電気の奪い合い」が起きる

電力の「総量」に限界がある
一般的な家庭の契約電力は40A~60A程度で、同時に使える電力には上限があります。オール電化では、エコキュート、IHクッキングヒーター、エアコンなどが全て電気で動くため、さらにEV充電が加わると、電力使用が一気に上限に達します。
例えば、夜7時に夫がEV充電(3kW)、妻がIHで料理(3kW)、子どもがエアコンをつけた部屋でゲーム(1kW)、さらにエコキュートが自動で沸き上げ開始(2kW)──合計9kW。60Aの契約(約6kW)を大幅に超え、ブレーカーが落ちます。
「誰が電気を使いすぎているか」が見える化される
HEMSやスマートメーターで電力使用状況を確認できるようになると、「誰が、いつ、どれだけ電気を使っているか」が明確になります。これまで見えなかった家族の電気使用が可視化され、「あなたがEV充電してるから、私がドライヤー使えない」といった不満が生まれます。
深夜電力プランで「夜に集中」しがち
深夜電力プランに加入していると、23時以降の電気が安いため、「夜にまとめて電気を使おう」という意識が働きます。しかし、EV充電、エコキュートの沸き上げ、洗濯機、食洗機など、全てを深夜に動かすと電力が集中し、ブレーカーが落ちるリスクが高まります。
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具体的なトラブル事例

EV充電中に「他の家電が使えない」
夫が帰宅後すぐにEV充電を開始。その直後、妻が夕食の準備でIHを使おうとしたら、ブレーカーが落ちた──。「充電するなら事前に言ってよ」「いつも帰ったら充電してるでしょ」と、些細なことで口論になります。
また、子どもが夜遅くにドライヤーを使おうとしたら、「今EV充電してるから使わないで」と言われ、不満が溜まる。家族全員が電気の使用タイミングを気にしなければならず、ストレスが増します。
「深夜の電気代が安い」を理由に行動を強制される
深夜電力プランでは、「夜23時以降に電気を使えば安い」という理屈で、家族の生活リズムまで変えられることがあります。例えば、「洗濯は23時以降にして」「お風呂は深夜に入って」と言われ、生活の自由度が下がります。
特に、子どもや高齢者にとって、深夜に家事や入浴をするのは負担です。「電気代のために生活リズムを崩したくない」という不満が生まれます。
エコキュートとEV充電が「ケンカ」する
エコキュートは通常、深夜に自動で沸き上げを開始します。同じタイミングでEV充電も自動開始すると、電力が重なってブレーカーが落ちます。朝起きたらお湯が沸いていない、EVも充電されていない、という最悪の事態も。
「エコキュートの沸き上げ時間をずらす」「EVの充電開始時間を調整する」といった対策が必要ですが、設定が複雑で、結局放置されることも多いです。
「誰がブレーカーを上げに行くか」問題
ブレーカーが落ちると、誰かが暗い中、ブレーカーのある場所まで行って復旧させる必要があります。「あなたがEV充電したせいでしょ」「いや、IH使ってたあなたのせいだ」と責任のなすりつけ合いが起こります。
特に冬の寒い夜や、深夜にブレーカーが落ちると、「誰が行くか」で揉めることも。小さなことですが、積み重なるとストレスになります。
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「電気代の見える化」が生む家族間の緊張

「あなたのせいで電気代が高い」という責め合い
HEMSやスマートメーターで、リアルタイムの電力使用量を確認できるようになると、「今、電気を使いすぎている」ことが一目瞭然です。夫が「君がエアコンつけっぱなしだから電気代が高い」、妻が「あなたのEV充電の方が電気使ってるでしょ」と責め合いが始まります。
これまで見えなかったものが見えるようになったことで、余計なストレスが生まれるのです。
「節約意識」の温度差が表面化する
家族の中で、節約意識の強い人と弱い人がいると、電気の見える化によってその差が浮き彫りになります。節約派は「なんでこんなに電気使うの?」とイライラし、無頓着派は「細かいこと気にしすぎ」と感じ、価値観の違いが対立を生みます。
特に、EVやオール電化を導入した人(多くは夫)が節約意識が強く、家族(妻や子ども)は「そこまで気にしたくない」と思っている場合、温度差がトラブルの原因になります。
「電気代を誰が負担するか」の曖昧さ
二世帯住宅や、親と同居している家庭では、「電気代を誰が払うか」が曖昧だと、さらにトラブルが起こりやすくなります。親世代は「若い人がEV充電してるんだから、電気代も多く払うべき」、子世代は「エアコンつけっぱなしにしてるのは親でしょ」と、負担の公平性をめぐって対立します。
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家族の生活動線のズレ

「深夜にお風呂」を強要される
深夜電力プランでエコキュートを使っている家庭では、「深夜にお湯を沸かすから、夜遅くにお風呂に入って」と言われることがあります。しかし、子どもや高齢者は早めに就寝したいため、深夜入浴は負担です。
また、共働き世帯では、帰宅後すぐにお風呂に入りたいのに、「まだ深夜料金じゃないから待って」と言われ、ストレスが溜まります。
「朝のドライヤー」が使えない
朝、出勤前にドライヤーを使いたいのに、「今EV充電してるからブレーカー落ちるよ」と言われ、使えない。仕方なく自然乾燥で出かけることになり、不満が募ります。
「じゃあEV充電を止めて」と言っても、「充電しないと会社に行けない」と反論され、結局我慢するしかない。こうした小さな我慢が積み重なると、大きなストレスになります。
「洗濯は夜23時以降」ルールの負担
深夜電力が安いため、「洗濯は夜23時以降」というルールを設ける家庭もあります。しかし、洗濯機の音で近所迷惑になる、洗濯が終わるのが深夜0時過ぎで干すのが大変、翌朝に干そうと思ったら忘れていて服が臭くなる、などの問題が起こります。
「電気代のために生活の質を下げたくない」という不満が、家族間の亀裂を生みます。
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家族間のズレを解消する方法

契約アンペアを上げる
最も直接的な解決策は、契約アンペアを上げることです。40Aから60Aへ、60Aから75Aへ引き上げれば、同時に使える電力が増え、ブレーカーが落ちにくくなります。基本料金は上がりますが、家族間のストレスを考えれば安い投資です。
EV充電の出力を制限する
EVの充電器は、出力を調整できる機種が多いです。通常3kWで充電しているところを、1.5kWに制限すれば、他の家電と同時に使ってもブレーカーが落ちにくくなります。充電時間は長くなりますが、夜間に充電するなら問題ありません。
エコキュートとEV充電の時間をズラす
エコキュートの沸き上げ開始時間を23時、EV充電を1時から、というように時間をずらせば、電力の集中を避けられます。HEMSがあれば、自動で調整してくれる機能もあります。
「電気使用のルール」を家族で決める
「夜7時~9時はEV充電しない」「IH使用中はドライヤー控える」など、家族で電気使用のルールを決めましょう。ルールを明文化しておけば、「言った言わない」のトラブルが減ります。
「節約しすぎない」バランス感覚
オール電化やEVを導入すると、電気代を節約したくなりますが、「節約のために家族がストレスを感じる」のは本末転倒です。多少電気代が高くても、家族が快適に暮らせる方が大切、というバランス感覚を持ちましょう。
まとめ:電気の見える化が生む新しいストレス
オール電化×EVは家計に効くが、家庭内には新しい摩擦を生む
オール電化住宅とEVの組み合わせは、光熱費全体で見れば経済的なメリットが大きい選択です。一方で、電気という共通資源を家族全員で使うことになるため、これまで意識していなかった「電気の使い方のズレ」が表面化しやすくなります。
電力の総量には限界があるため、「誰が、いつ、何に電気を使うか」を意識的に調整する必要が生まれます。その結果、今までは気にならなかった家族の生活リズムや行動が、急にストレスとして感じられるようになるケースも少なくありません。
電気をめぐる不満は、生活リズムの衝突から生まれる
ブレーカーが頻繁に落ちる、EV充電のために深夜の生活を強いられる、電気代が誰のせいか分からなくなる。こうしたトラブルは、オール電化とEVを導入した家庭で実際によく起きています。
原因の多くは、電力容量や使い方が家庭の実態に合っていないことです。契約アンペアや充電出力、家電の同時使用などを見直すだけでも、日常の小さな不満はかなり軽減できます。
技術的な対策よりも「家庭内の納得感」が重要
設備面の調整に加えて大切なのが、家族間での共有認識です。誰かが我慢する前提の運用では、長く続きません。EV充電や電気の使い方について、最低限のルールを話し合っておくだけでも、責任の押し付け合いは起きにくくなります。
オール電化とEVは、節約のために導入したはずなのに、人間関係にストレスを生んでしまっては本末転倒です。
「節約しすぎない」という判断が、結果的に満足度を高める
最も重要なのは、電気代を下げることだけを目的にしすぎないことです。多少電気代が上がったとしても、家族が快適に暮らせる環境を優先した方が、結果的に満足度は高くなります。
オール電化やEVは、生活を縛るための仕組みではなく、暮らしを楽にするためのものです。無理のないバランスを見つけることが、長く続けるコツと言えるでしょう。
家庭ごとに前提条件が異なる点には注意が必要
なお、本記事で触れている契約アンペアや電力使用量、電気料金の考え方は、一般的な情報をもとにしたものです。実際の最適解は、家庭ごとの電力プランや使用機器、生活パターンによって大きく異なります。
具体的な調整や判断については、契約している電力会社や電気設備業者に確認することをおすすめします。
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家族の電気の使い方|よくある質問(Q&A)
Q1: 契約アンペアを上げると電気代はどのくらい上がりますか?
基本料金が上がります。例えば東京電力の場合、40Aから60Aに上げると月額約330円、60Aから75Aで約550円の増加です。年間で4000円~6000円程度ですが、ブレーカーが落ちるストレスを考えれば、十分価値のある投資です。
Q2: EV充電とエコキュートを同時に使うと必ずブレーカーが落ちますか?
契約アンペアと使用機器の消費電力によります。60A契約(約6kW)で、EV充電3kW+エコキュート2kW+その他1kWなら合計6kWでギリギリ。他の家電を使うとブレーカーが落ちる可能性があります。75A以上なら余裕が生まれます。
Q3: HEMSを導入すれば自動で調整してくれますか?
はい、HEMS対応の機器なら、電力使用状況をモニタリングし、自動で優先順位をつけて制御できます。例えば、「電力が上限に近づいたらEV充電を一時停止」「エコキュートとEV充電をずらす」といった制御が可能です。ただし、全ての機器がHEMS対応とは限らないため、事前確認が必要です。
Q4: 深夜電力プランをやめた方がいいですか?
オール電化+EVの家庭では、深夜電力プランの方が総合的に安くなることが多いです。ただし、深夜に電気を集中させるストレスが大きい場合は、通常プランに変更することも検討しましょう。電力会社のシミュレーションで比較してから決めることをおすすめします。
Q5: 二世帯住宅で電気代をどう分担すればいいですか?
HEMSで世帯ごとの電力使用量を計測できる機種もあります。それを基に、使用量に応じて分担するのが公平です。または、「EV充電分は子世帯が負担」「エアコン代は親世帯が負担」など、項目ごとに分ける方法もあります。曖昧にせず、明文化することが大切です。
Q6: 子どもに節約を理解してもらうにはどうすればいいですか?
HEMSの画面を一緒に見て、「今これだけ電気を使っている」「これで月○○円かかる」と視覚的に教えると理解しやすくなります。ただし、過度に節約を強要すると逆効果なので、「無駄遣いはやめよう」程度の緩いルールから始めましょう。


























