
太陽光発電を設置して10年が経ち、FIT(固定価格買取制度)の期間が終了すると、買取価格が大きく下がります。その瞬間に「この価格なら、もう売電のメリットは小さい」と感じる人は少なくありません。さらに蓄電池を追加した家庭では、「発電した電気はできるだけ自家消費したい。もう売電はやめよう」という発想になりやすくなります。
ところがここで起きがちなのが、「売電をやめたつもりなのに、実は売電が続いている」という状況です。
売電は放置すると自動で続く
売電契約は、FITが終わったからといって自動的に解約されるわけではありません。FIT終了はあくまで「高額買取期間が満了した」という制度上の節目であり、契約そのものが終わるわけではないからです。
そのため、特に何も手続きをしないまま放置していると、自家消費しきれなかった余剰電力はこれまで通り系統へ流れ、結果として売電として処理されます。そして、買取価格が低い状態でも、わずかな金額が振り込まれ続けることになります。
この仕組みを知らないと、「売電をやめたつもり」でいたのに、現実には売電契約が継続しているというズレが生まれます。
電力会社の連絡で初めて気づくケースもある
しばらくして、電力会社から「売電契約は継続していますが、契約変更の予定はありますか」といった確認が入って初めて、売電停止には手続きが必要だと知るケースがあります。
ここで多くの人が気づきます。「売電をやめる」という意思だけでは止まらず、契約として終了させるための手続きが必要だったのか、と。FIT終了と売電停止が同じものだと思い込んでいた場合、このタイミングで初めて違いを理解することになります。
FIT終了と売電停止は別の話
FIT終了は「固定価格で買い取ってもらえる期間が終わる」ことです。一方、売電停止は「売電契約そのものを終了させる」手続きです。つまり、制度の満了と、契約の終了は別物です。
この差を理解していないと、蓄電池を導入して自家消費へ切り替えたい家庭ほど、意図しない売電が続く状態に陥りやすくなります。ここが、FIT後に起きやすい“途中停止の盲点”です。
太陽光住宅で売電停止手続きを知らないままの人が直面しやすい状況を整理しながら、売電停止が「途中停止の手続き」である理由と、なぜ見落とされやすいのかを詳しく解説します。FIT終了後の運用を自分で選ぶために、必要な知識を分かりやすくまとめていきます。
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「売電は自動的に続く」と知らない

「何もしなければ売電は続く」仕組み
太陽光発電を設置すると、電力会社と「売電契約」を結びます。この契約は、FIT期間(10年または20年)が終了しても、自動的に解約されるわけではありません。
FIT期間終了後は、買取価格が大幅に下がりますが、契約自体は継続します。そのため、何もしなければ、余剰電力は引き続き売電され、わずかな金額が振り込まれ続けます。
「FITが終わったら、自動的に売電も終わる」と誤解している人が多いですが、実際には契約は継続しており、停止するには手続きが必要です。
「蓄電池を設置したら自動的に売電停止」という誤解
蓄電池を追加で設置した家庭では、「もう余剰電力は出ないから、売電は自動的に止まる」と思い込むことがあります。蓄電池があれば、余剰電力は蓄電池に充電され、売電量が減る、あるいはゼロになることが期待されます。
しかし、蓄電池の容量が小さい場合、または発電量が多い日には、蓄電池が満充電になった後も余剰電力が発生し、売電されます。また、売電契約は蓄電池の設置とは無関係に継続しているため、「蓄電池を設置したら売電は自動停止」というわけではありません。
「少額でも振込が続く」不思議
FIT期間終了後の売電価格は、1kWhあたり7〜10円程度と非常に安いです。月に100kWh売電しても、700〜1,000円程度にしかなりません。この少額の振込が毎月続くことに、「なぜこんな少額が振り込まれるのか」と疑問を持ちます。
しかし、「売電契約が継続しているから」という理由に思い至らず、「電力会社のミスでは?」と考える人もいます。また、少額すぎて通帳を確認するまで気づかず、数ヶ月後に「そういえば、何か振り込まれている」と気づくこともあります。
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「売電停止手続き」の存在を知らない

「手続きが必要」と知らない
売電を停止するには、電力会社に「売電契約の解約」を申し入れる必要があります。多くの電力会社では、Webサイトから申請できますが、一部では書面や電話での手続きが必要なこともあります。
しかし、この手続きの存在を知らない人が多いです。FIT期間終了の案内には、「買取価格が変わります」という情報はありますが、「売電を停止する方法」については詳しく書かれていないことが多いです。このため、「売電をやめたい」と思っても、どうすればいいかわからず、放置してしまいます。
「手続きの方法がわかりにくい」
売電停止の手続き方法は、電力会社によって異なります。Webサイトのどこに案内があるかわかりにくく、「売電停止」「契約解約」といったキーワードで検索しても、該当ページが見つからないこともあります。
また、カスタマーサポートに電話しても、担当部署にたらい回しにされ、時間がかかることがあります。この「手続きのわかりにくさ」が、売電停止を諦めさせ、結果として契約が継続してしまう原因になります。
「設置業者に相談しても教えてくれない」
売電停止について、太陽光の設置業者に相談しても、詳しく教えてもらえないことがあります。設置業者の業務範囲は、太陽光発電システムの設置とメンテナンスであり、売電契約の解約は電力会社との直接の手続きです。
業者によっては、「電力会社に連絡してください」と言われるだけで、具体的な手順を教えてくれません。また、業者自身も売電停止の手続きに詳しくないこともあります。このため、ユーザーは自分で調べて手続きする必要がありますが、情報が少なく困難です。
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「売電を続けるべきか、停止すべきか」の判断

「少額でも収入があるならいい」という考え
売電価格が安くても、「少額でも収入があるなら、売電を続けた方がいい」という考えもあります。月に500〜1,000円でも、年間で6,000〜12,000円の収入になります。手続きの手間を考えると、「このまま売電を続けてもいいかな」と思う人もいます。
特に、蓄電池を設置していない家庭では、余剰電力が必ず発生するため、売電を続ける方が合理的です。ただし、売電契約を継続すると、電力会社とのやり取り(契約更新、振込口座の変更など)が必要になることもあり、煩わしさを感じることもあります。
「自家消費率を100%にしたい」という理想
蓄電池を設置した家庭では、「発電した電力は全部自分で使いたい。売電はゼロにしたい」という理想を持つことがあります。環境意識が高い人ほど、「電力会社に頼らず、自給自足したい」と考えます。
この場合、売電契約を解約し、余剰電力が出ないように蓄電池の容量を調整する、という選択肢があります。ただし、自家消費率100%を実現するには、蓄電池の容量を大きくする必要があり、追加投資が必要です。また、完全に自家消費しきれない日もあり、その場合の余剰電力は捨てることになります。
「契約を解約すると再契約が面倒」というリスク
売電契約を一度解約すると、再契約が面倒になることがあります。将来、蓄電池を撤去したり、ライフスタイルが変わって余剰電力が増えたりした場合、再び売電したくなるかもしれません。
しかし、再契約には新たな手続きが必要で、買取価格が変わっている可能性もあります。このリスクを考えると、「とりあえず契約は継続しておき、売電量が少なくても気にしない」という選択をする人もいます。
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FITの「売電停止後」の注意点

「余剰電力は捨てられる」
売電契約を解約すると、余剰電力は電力会社に送られても買い取られず、「無償提供」されることになります。つまり、発電した電力が無駄になります。蓄電池を設置している家庭でも、蓄電池が満充電になった後の余剰電力は捨てられます。
この「もったいない」感覚に耐えられるかどうかが、売電停止を決断する際のポイントです。ただし、余剰電力が少ない家庭では、「ほとんど捨てる量がないから問題ない」と割り切れることもあります。
「電力会社への通知義務」がある場合も
売電契約を解約した後も、太陽光発電システム自体は稼働しています。一部の電力会社では、「売電を停止する場合、発電設備の撤去または電力会社への通知が必要」という規定があることがあります。
この通知を怠ると、後でトラブルになる可能性があります。売電停止手続きの際に、電力会社に「他に必要な手続きはありますか?」と確認することをおすすめします。
「売電メーターの扱い」
売電契約を解約すると、売電メーター(発電量を計測するメーター)の扱いが問題になることがあります。一部の電力会社では、売電契約解約後にメーターを撤去することがあります。メーター撤去費用が発生する場合もあるため、事前に確認が必要です。
また、メーターがなくなると、発電量を正確に把握できなくなることもあります。蓄電池のモニターで発電量を確認できる場合は問題ありませんが、モニターがない場合は不便です。
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まとめ:売電停止は「能動的な選択」
太陽光住宅のユーザーの中には、「売電はいつか自動的に終わるもの」と思っている人も少なくありません。しかし実際には、売電契約はFIT期間が終了しただけでは自動的に解約されるわけではありません。
FITが終わった後も、特に手続きをしなければ売電は継続され、電力会社から少額の買取金額が振り込まれ続けることがあります。売電を停止したい場合には、電力会社に対して解約や契約変更の手続きを行う必要があります。
この「売電停止手続き」の存在自体を知らないまま、意図せず売電を続けているケースもあります。
FIT終了とは別の「途中停止」の手続き
太陽光発電では、FIT終了が一つの節目として注目されます。しかし、売電の停止という観点では、FIT終了とは別の問題があります。
FITが終わると買取価格は下がりますが、契約自体は続くことが多く、売電を続けるかどうかはユーザー自身の判断になります。つまり、売電停止は自動で起きるイベントではなく、「途中で売電をやめるかどうか」を自分で選択する手続きなのです。
この点を理解していないと、「知らないうちに売電を続けていた」という状況になることもあります。
売電を続けるか停止するかを考える
売電を続けるか停止するかは、家庭の考え方や電力の使い方によって変わります。たとえ少額でも収入があるなら売電を継続するという選択もありますし、自家消費を重視して売電を停止するという考え方もあります。
例えば、電気料金の上昇を背景に、自宅で使う電力をできるだけ増やしたいと考える家庭も増えています。その場合、売電よりも自家消費を重視した運用が検討されることがあります。
重要なのは、売電が自動的に続く状態に任せるのではなく、自分の生活スタイルや価値観に合わせて判断することです。
売電停止後に意識しておきたいこと
売電を停止した場合、発電した電力のうち使いきれなかった分は電力会社に無償で流れることがあります。そのため、余剰電力の扱いをどうするかを考えることも重要になります。
例えば、家庭用蓄電池を導入して余剰電力を貯める方法や、昼間の電力使用を増やして自家消費率を高める工夫などがあります。こうした対策によって、発電した電気をより効率的に活用することができます。
FIT終了は太陽光発電の一つの節目ですが、その後の運用方法は家庭ごとに自由に選ぶことができる時代になっています。必要な情報を整理したうえで、自分にとって納得できる選択を行うことが大切です。
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太陽光の売電停止手続き|よくある質問(Q&A)
Q1: 売電停止手続きは、どこで行えますか?
売電停止手続きは、契約している電力会社に連絡して行います。多くの電力会社では、Webサイトのマイページから申請できます。Webサイトに案内がない場合は、カスタマーサポートに電話して手続き方法を確認しましょう。
一部の電力会社では、書面での申請が必要なこともあります。手続きには、契約者情報(氏名、住所、契約番号など)が必要なため、事前に準備しておくとスムーズです。
Q2: 売電を停止すると、費用はかかりますか?
一般的に、売電契約の解約に費用はかかりません。ただし、売電メーターの撤去が必要な場合、撤去費用が発生することがあります(数千円〜1万円程度)。
また、一部の電力会社では、契約解約に事務手数料がかかることもあります。手続き前に、電力会社に「解約に伴う費用はありますか?」と確認することをおすすめします。
Q3: FIT期間終了後も売電を続けるメリットはありますか?
FIT期間終了後も売電を続けるメリットは、少額でも収入が得られることです。買取価格は安いですが(1kWhあたり7〜10円程度)、年間で数千円〜1万円程度の収入になります。
また、蓄電池がない家庭では、余剰電力が必ず発生するため、売電を続ける方が合理的です。ただし、振込手数料や契約維持の煩わしさを考慮すると、デメリットもあります。
Q4: 売電を停止した後、再び売電を始めることはできますか?
はい、売電契約を再び結ぶことは可能です。ただし、再契約には新たな手続きが必要で、買取価格が変わっている可能性があります。
また、一部の電力会社では、再契約を受け付けていないこともあります。将来的に売電を再開する可能性がある場合は、契約を解約せずに継続しておく方が無難です。
Q5: 余剰電力を捨てるのはもったいないです。何か活用方法はありますか?
余剰電力を活用する方法としては、蓄電池の容量を増やすこと、電気自動車(EV)を充電すること、昼間の電力使用を増やすこと(洗濯機や食洗機を昼間に回すなど)が挙げられます。
また、エコキュートやエアコンの予熱運転など、余剰電力を使って事前準備をする工夫もあります。完全に余剰電力をゼロにすることは困難ですが、工夫次第で無駄を減らせます。
Q6: 売電契約を解約すると、太陽光発電システムの保証に影響しますか?
いいえ、売電契約の解約は、太陽光発電システムの保証には影響しません。太陽光パネルやパワコンのメーカー保証は、売電契約とは別の契約です。売電を停止しても、システム自体は稼働し続け、保証も継続します。
ただし、売電メーターを撤去する場合、メーター関連の保証は失われることがあります。詳しくは設置業者に確認しましょう。

























