相次ぐ電気料金の値上げなどを背景に、太陽光発電に対する注目が高まっています。導入を検討しているという人も多いのではないでしょうか。太陽光発電を検討しているのであれば、その仕組みやメリット、デメリットについてしっかり把握しておくことが大切です。太陽光発電をお得に運用できるよう、それらについて詳しく解説します。
太陽光発電の仕組みとは？
太陽光発電は、環境にやさしい発電方式として注目されています。また、燃料費がかからず、メンテナンスも比較的簡単なので、経済的にもメリットが多いといわれている発電方式です。太陽光発電では、ソーラーパネルと呼ばれる装置を使って太陽光を電気に変換します。ソーラーパネルに組み込まれているのは、光エネルギーから直接電気を作り出す半導体で構成されている多数の太陽電池です。
太陽電池は、プラスを帯びやすいP型シリコン半導体とマイナスを帯びやすいN型シリコン半導体を張り合わせた構造になっています。これら2つの半導体は、導線によってつながれているのです。太陽光が太陽電池にあたると、P型シリコン半導体にはプラスの電荷を持つ粒子である正孔が、N型シリコン半導体にはマイナスの電荷を持つ粒子である電子が集まります。この正孔と電子が導線を通って流れるとき、電気が発生するわけです。
とはいえ、このとき発生する電気をそのまま使用することはできません。なぜなら、太陽光発電で発生する電気は直流電気であり、家庭で使う電気は交流電気だからです。太陽光発電のシステムでは、太陽光によって発電した電気を使うために、パワーコンディショナーと呼ばれる機器で直流電気を交流電気に変換しているのです。
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太陽光発電は蓄電池との連携が可能！
太陽光発電の特徴は、蓄電池と連携して発電した電気を貯めておけることです。ここからは、蓄電池の仕組みと、太陽光発電と蓄電池を連携するメリットについて詳しく解説します。
蓄電池とは
蓄電池は、電気を貯めておく装置です。蓄電池には、鉛蓄電池やニッケル水素電池、リチウムイオン電池など、さまざまな種類があります。鉛蓄電池は安価で、大容量の電気を貯めることができますが、寿命が短いことがデメリットです。ニッケル水素電池には、鉛蓄電池よりも寿命が長いというメリットがあります。一方、価格が高いことがデメリットです。リチウムイオン電池は出力や寿命などの面で鉛蓄電池やニッケル水素電池よりも優れているため、近年主流になりつつあります。
蓄電池のメリットとしては、電力会社からの購入量を減らして電気代を節約できること、停電時に電気を供給する非常用電源として利用できることなどが挙げられます。一方、デメリットは、相応の導入コストがかかることや設置場所や配線の工事が必要になることなどです。蓄電池の導入を検討する場合はこれらメリットとデメリットをよく検討しましょう。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせるとよい理由
太陽光発電と蓄電池を組み合わせるとよい理由は3つあります。まず挙げられるのは、電気代を削減できることです。太陽光発電で発電した電気を蓄電池に貯めておけば、夜間や雨天時などの太陽光での発電量が少ないときに貯めた電気を使うことができます。これにより、電力会社からの購入量を減らし、電気代を削減できるというわけです。また、太陽光発電と蓄電池を組み合わせれば、非常用電源として利用できます。停電時でも生活に必要な最低限の電気は確保できます。
さらに、蓄電池と組合わせることで、時間を選ばずいつでも太陽光発電で作った電気を使えるようになることも重要なポイントです。太陽光発電は、一般的に昼間に電気を作ります。しかし、日中は仕事や学校などで自宅にいない、という人も多いでしょう。もしも電気を貯めておけなければ、昼間に発電した電気は使うことはできません。太陽光発電のメリットを最大限に活かすためには、蓄電池を欠かすことはできないといえるでしょう。
太陽光発電を活用するメリット！
ここからは、太陽光発電の導入には具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく解説します。
光熱費を削減できる
太陽光発電で発電した電気は、電力会社に売電することもできますが、自家消費（使用）することも可能です。自家消費することで、電力会社から購入する電気量を減らすことができるでしょう。そのための具体的な方法は2つあります。
まず挙げられるのは、日中に太陽光発電システムで作った電気を貯めておく方法です。太陽光発電システムは、昼間に最も発電量が多くなります。そのため、日中に太陽光発電システムが作った電気を貯めておいて昼間以外の時間に使用すれば、電力会社からの購入量を減らせます。もうひとつは、契約プランにおける割安な時間帯と割高な時間帯を活用する方法です。電力会社によっては、時間帯によって電気料金が異なるプランがあります。このようなプランの場合、割安な時間帯に電気を発電して蓄電池に貯めておき、割高な時間帯にその電気を使用すれば、電気代削減につながるでしょう。
非常用電源として利用できる
太陽光発電システムと蓄電池を併用すれば、太陽光発電を災害時や停電時の非常用電源として利用可能です。災害時や停電時に電気が使えないと、照明や冷蔵庫、テレビといった家電が使えなくなったり、携帯電話の充電が切れてしまって連絡が取れなくなったりする可能性があります。また、トイレが使えなくなるかもしれません。太陽光発電システムと蓄電池を導入しておけば、これらの困りごとを解消することができるでしょう。ただし、蓄電池の容量によって、非常時に使用できる電気量や時間は異なります。太陽光発電システムの設置場所や設置するソーラーパネルの種類・容量によっても発電量が異なるので注意が必要です。
地球環境にやさしいエネルギーを使える
太陽光発電は、太陽の光を直接電気に変換する発電方式です。発電時に燃料を使わないため、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を抑えられます。具体的なCO2排出の削減量は、年間約10t～15tです。これは、一般的な家庭における年間のCO2排出量の約20～30%に相当します。また、発電のために石炭や石油などの化石燃料を燃やした場合、大気中に有害物質が排出されて環境汚染の原因となります。しかし、石油燃料を燃やさない太陽光発電は、大気を汚染することもなく、発電のための資源を枯渇させることもありません。
太陽光発電にはデメリットもある？
太陽光発電はとてもメリットの多い発電方法です。しかし、デメリットがないわけではありません。ここからは、デメリットとして注意が必要なことをいくつか解説します。
導入コストが高い
太陽光発電システムを導入するには、ソーラーパネル、パワーコンディショナー、架台などの設備が必要です。これらの設備はいずれも高価なものであり、導入コストがかかる点が、太陽光発電の課題のひとつといえます。住宅用の太陽光発電の設置にかかる費用は、工事費なども含めて総額で100万円を超えることも珍しくありません。
そのため、PPAモデルという仕組みも登場しています。PPAモデルは、太陽光発電設備の所有権と運営・管理をPPA事業者が担い、PPA事業者から電力を購入することで太陽光発電を活用するという仕組みです。PPAモデルのメリットとしては、初期費用が不要なことやメンテナンスの手間がかからないこと、固定価格で電力を購入できるため電気料金の値上がりリスクを回避できることが挙げられます。一方、デメリットは契約期間が長い場合に電力料金が高くなる可能性があること、PPA事業者の倒産リスクがあることです。また、PPAモデルの場合は売電ができません。
メンテナンス費用が発生する
太陽光発電システムの設備は経年劣化するため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。これらは太陽光発電システムの安全な運転と発電効率の維持のために欠かすことができません。また、2022年4月からは法律で義務化されています。
メンテナンスの目安は4年に1回です。メンテナンス内容はソーラーパネルの清掃やパワーコンディショナーの点検、架台の点検などが挙げられます。メンテナンスの費用は業者によって異なるものの、1回あたり5～10万円ほどが相場です。メンテナンスの費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取って費用を比較するとよいでしょう。メンテナンスの頻度を減らすことでも費用を抑えることができます。ただし、その場合は安全性や発電効率が低下する可能性があるため注意が必要です。
気象条件によっては十分な発電量を得られない
太陽光発電は、太陽の光を直接電気に変換します。そのため、天候や季節による日照量の変化の影響を受けないわけにはいきません。日照量が少ない曇天や雨天、雪天時には、発電量が大幅に減少してしまいます。日照時間が短い冬季にも発電量が減少することをあらかじめ想定しておきましょう。また、地域によっても日照量には差があります。たとえば、沖縄や鹿児島などは日照量が多く、太陽光発電の適地といえます。一方、北海道や東北地方などは日照量が少ないため、太陽光発電の適地とはいえません。
さらに、屋根の方角や角度によっても、発電量が変わります。南向きの屋根に設置すればより多くの太陽光を利用することができるので、発電量を増やせるでしょう。屋根の角度は、30～35度程度が適切といわれています。
太陽光発電の設置費用はどのくらいかかる？
コストが高いというデメリットのある太陽光発電ですが、具体的にどの程度の設置費用がかかるのか、気になる人も多いでしょう。ソーラーパネルの容量や設置場所、工事方法などによって異なるものの、一般的には、住宅用の太陽光発電の設置にかかる費用は工事費なども含めて100万円から150万円前後とされています。具体的には、1kWあたり20～25万円ほどが相場です。たとえば、5kWの太陽光発電システムを導入する場合、費用は100万円～125万円程度になるということです。
ただし、太陽光発電の設置費用は、実績として安くなってきています。2013年頃における太陽光発電の設置費用は1kWあたり40～50万円程度でしたが、2023年現在では1kWあたり20～25万円程度にまで下がっています。これは、太陽光発電が広く普及したことで製造コストが下がったためです。
太陽光発電で補助金を利用できる？
太陽光発電の導入にかかる負担を軽減したいのであれば、補助金の活用がおすすめです。ただし、2023年の時点では、国は住宅用太陽光発電の補助金制度を実施していません。国による住宅用太陽光発電の補助金制度は2014年度に終了したためです。しかし、自治体によっては、設置費用の一部を補助する制度や、蓄電池を併設する場合に補助する制度など、さまざまな補助金制度を実施しています。たとえば、東京都では、住宅用太陽光発電システムの設置費用の半額（上限10万円）を補助する制度を実施しており、神奈川県では、住宅用太陽光発電システムと蓄電池を併設する場合、設置費用の半額（上限10万円）を補助する制度を実施しています。
注意するべきポイントは、自治体によっては補助金の申請期限が定められている場合があることです。また、自治体によって補助金制度を利用するための条件も異なります。補助金制度を利用するのであれば、居住地の自治体のウェブサイトなどで制度の詳細をあらかじめ確認しておきましょう。
太陽光発電で知っておきたいFIT制度について
FIT制度は、太陽光発電を導入する際に、あらかじめ知っておくべきです。この制度について詳しく解説します。
FIT制度の概要
FIT制度とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーによって発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。FIT制度は、再生可能エネルギーの普及を促進するために導入されました。再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取ることが保証されるため、発電事業者はリスクを抑えながら事業を展開できます。FIT制度の対象となる再生可能エネルギーは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などです。FIT制度の買取価格は、再生可能エネルギーの種類や発電設備の容量などによって異なります。また、買取期間は一般的に10～20年程度です。
住宅向けのFIT制度は2012年4月から開始され、再生可能エネルギーの普及に大きく貢献してきましたが、コストの増加によって2022年4月に終了しました。しかし、FIT制度の終了後も再生可能エネルギーの普及を促進するため、新たな制度が検討されているのです。
10年が過ぎた後はどうなるの？
FIT制度の適用期間が終了した後も住宅用太陽光発電システムを所有している場合は、新電力会社などと売電契約をし直すか、あるいは蓄電池を導入して自家消費に切り替えることができます。新電力会社などと売電契約をし直すとそのまま売電を継続することができるものの、FIT制度よりも買取価格が下がるので注意が必要です。一般的な電力会社の買取価格は1kWhあたり20～30円程度なので、その水準まで下がることを想定しておいたほうがよいでしょう。
蓄電池を導入して自家消費に切り替える場合、余剰電力を自宅で利用することができます。これにより、電力会社からの電気購入量を削減できるでしょう。蓄電池の導入費用は、容量や種類によって異なるものの、一般的に100万～200万円程度です。しかし、蓄電池を導入することで、電気代を削減できるため、長期的に見ると費用対効果は高いといえます。また、停電時の備えになるのも大きなメリットです。
これから太陽光発電を導入してもお得なの？
これから太陽光発電を導入してもお得かどうか、検討すべきポイントは3つあります。まずは、地域活用要件を満たせるかどうかです。2022年4月以降、住宅用太陽光発電システムを導入するためには地域活用要件を満たさなければならなくなりました。地域活用要件とは、地域のエネルギーの利用拡大や、地域の産業の振興に寄与するような設置条件のことです。具体的には、自家消費率が30%以上で、かつ停電時の自立運転機能を搭載していると要件を満たします。売電は地域活用要件を満たしていなければできません。価格が下落傾向にあるものの、売電できるかどうかはコスト面での大きな分かれ目となるでしょう。
また、電気料金の値上がりリスクをどのように考えるかも重要です。電気料金は近年値上がりが続いており、今後も原油価格の高騰や脱炭素社会への移行などの影響で値上がりする可能性が高い、と考えることもできます。そのように考える人の場合、太陽光発電を導入することは電気料金の値上げリスクの回避につながるでしょう。
3つ目は太陽光発電の性能です。太陽光発電は、年々性能の高い製品が発売されています。たとえば、発電効率が高い製品は少ない設置面積で多くの電気を発電することが可能です。そうした製品を導入すれば、初期費用を抑えながら、費用対効果を高められます。太陽光発電の性能が高いシステムを選択できれば、これから太陽光発電を導入しても大きなメリットを得られるでしょう。
太陽光発電を賢く導入して運用する方法！
ここからは、太陽光発電を賢く導入して運用する方法について解説します。
効率よく発電・消費する
まず重要なポイントは、効率よく発電・消費することです。太陽光発電の発電量は、ソーラーパネルの設置場所や向き、種類などによって大きく左右されます。そのため、発電能力を最大に近づけられるようにソーラーパネルを日当たりの良い場所で真南向きに設置しましょう。また、高性能なものを選ぶことも大切です。
さらに、発電した電気を無駄にせず自家消費することで、電気料金を削減できます。そのため、日中の電気使用量を増やすこと、蓄電池を導入して余剰電力を貯めることに留意しましょう。たとえば、エアコンや洗濯機などの家電を日中に使用したり、日中に電気自動車を充電したりするのがおすすめです。
蓄電池を併用する
太陽光発電を賢く運用するには、蓄電池を併用するとよいでしょう。なぜなら、初期費用を早く回収できる可能性が高まるからです。太陽光発電の初期費用は一般的に100万～200万円程度であり、蓄電池を併用すると初期費用はさらに高くなります。しかし、余剰電力を蓄電池に貯めることで買電量が減り、夜間や深夜帯の安い電気を蓄電池に貯めておけば割高な時間帯に自家消費できるため、初期費用を早く回収できる可能性が高まります。このことは、電気料金の削減や停電時の備えにもつながるでしょう。
注意するべきポイントは、蓄電池の容量とコストです。蓄電池の容量は、設置する太陽光発電の容量や、自宅の電気使用量によって異なります。また、蓄電池のコストも、容量や種類によってさまざまです。そのため、蓄電池を導入する際には、自宅の状況や発電量に合わせて適切な容量や種類の蓄電池を選ぶようにしましょう。
依頼する業者をよく選ぶ
太陽光発電を賢く運用するためには、依頼する業者をよく選ぶことが大切です。信頼できる業者を選ぶことで、割高な金額での契約や雨漏りなど、トラブルに遭うリスクを軽減できます。信頼できる業者かどうかを判断するためのポイントとしてまず挙げられるのは、知識や実績が豊富であることです。知識や実績が豊富な業者は、希望条件や設置場所などをもとに最適な提案をしてくれるでしょう。太陽光発電の知識が豊富な業者かどうかを判断するためには、太陽光発電に関する資格や認定を持っているか、太陽光発電の最新情報に詳しいかということなどをチェックしましょう。そのほか、保証やアフターサービスが充実していること、丁寧な対応をしてくれることも業者選びにおける重要なポイントです。
また、より良い条件で太陽光発電を導入するためには、複数の業者から見積りをとって比較検討しましょう。その際には、まず見積もりの項目がすべて同じであることを確認し、そのうえで見積もりの内容をよく比較検討することが大切です。不明な点はしっかり質問しましょう。
太陽光発電は今後どうなっていくの？
今後の太陽光発電の見通しとしては、2つの点が期待されています。まず挙げられるのは、技術の発展による発電コストの低下と発電効率の向上です。発電コストの低下により、太陽光発電の導入がさらに普及することが考えられます。また、発電効率の向上により、より少ない設置面積で多くの電気を発電することができるようになるでしょう。
次に、太陽光発電と連携するシステムの開発です。太陽光発電と連携するシステムの開発により、すでに電気自動車やオール電化などの組み合わせが可能になっています。これらの技術の発展やシステムの開発により、太陽光発電はより身近な存在になっていくでしょう。
太陽光発電ならエコ発電本舗に依頼しよう！
太陽光発電を導入するなら、インターネット販売に特化した太陽光発電専門業者であるエコ発電本舗に依頼しましょう。エコ発電本舗はさまざまな企業努力によって業界最安水準での販売を実現しています。そのため、できるだけ安く太陽光発電を導入したいという人におすすめです。また、エコ発電本舗は工事品質が高く、安心して任せることができます。なぜなら、施工技術が高く、評判が良い工事店のみを厳選して提携しているからです。さらに、サポート体制も充実しています。工事保証は業界最長である15年間です。しかも、万が一のトラブルにも迅速に対応してもらえます。
太陽光発電を設置してエコライフを実現させよう！
化石燃料を用いない発電システムとして太陽光発電は秀逸であり、地球環境にやさしいエコライフを実現できます。電気料金の値上げリスクを回避したいという人にも太陽光発電がおすすめです。太陽光発電の導入を検討している人は、エコ発電本舗に問い合わせてみましょう。エコ発電本舗では、無料で見積もり依頼を受け付けています。
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