日産サクラの価格、航続可能距離、充電時間

電気自動車（EV）の購入を考えている人の中には、コンパクトでリーズナブルな軽自動車を検討している人も多いでしょう。軽自動車のEVの中でも特に人気なのが日産のサクラです。そこで今回は、そもそも日産サクラはどのような車なのか、その概要や基本性能、他の自動車メーカーの小型EVとの比較、購入のためのステップなどについて詳しく解説します。
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日産サクラとは？

日産サクラは日産自動車が製造している小型の電気自動車（EV）です。2022年から発売が開始されたこの車の特徴は、比較的手頃な価格設定であることです。また、コンパクトで都市型のデザインとなっており、狭い道路や駐車スペースでも容易に運転できます。基本スペックは以下のとおりです。

・全長：3395mm
・全幅：1475mm
・全高：1655mm
・車両重量：970kg
・駆動方式：前輪駆動
・モーター出力：47kW
・モータートルク：195Nm
・航続距離：WLTCモードで180km

日産サクラの価格はいくら？グレードによってどう違うの？

日産サクラにはS、X、Gという3つのグレードがあります。ただし、Sは法人需要向けのため、一般には発売されていません。一般向けに発売されているのはXとGで、Xのメーカー希望小売価格は税込で254万8700円、Gのメーカー希望小売価格は税込で304万400円です。スタンダードモデルであるXとグレードアップモデルであるGを比較すると、モーターやバッテリー、航続距離といった基本性能においてはほとんど違いはありません。しかし、重量はXの方が10kgほど軽くなっています。また、ボディカラーはXだと10色ですが、Gでは15色から選べます。

エクステリアを比較すると、アップグレードモデルであるGは自動レベライザーとアダプティブLEDヘッドライトを装備しているほか、グリルシールドも高級感のあるクリアブラックです。一方、スタンダードモデルであるXは、マニュアルレベライザーでスタンダードなヘッドライト、通常のシールドになっています。インテリアにおいては、Gグレードにのみカッパーの装飾があるほか、USBソケットが標準装備されています。さらに、プレミアムインテリアパッケージを選ぶことも可能です。オーディオとナビゲーションを見ると、Gグレードには6スピーカーのシステムやナビゲーション、通信ユニット、ETC 2.0ユニットが標準で装備されています。Xの場合、これらはオプションです。

安全装備は両グレードともに必要十分な機能が標準装備されていますが、Gには追加でプロパイロットや緊急停止支援システムがあり、一部のエアバッグや後席のシートベルトプリテンショナー、アラウンドビューモニターも標準装備されています。

日産サクラの充電走行距離と充電方法は？

日産サクラの充電あたりの走行距離は、公式発表によるとWLTCモード（Worldwide Harmonized Light Vehicles Test Cycle：世界統一軽自動車試験サイクル）基準で約180km程度です。より実測値に近いとされるEPA換算でも144kmとなっています。充電スポットを探すことを考えれば、およそ100km程度の走行で充電することを考慮した方がよいでしょう。また、走行距離は運転の仕方や路面状況、気温、エアコンの使用状況などの条件によって変わる可能性があるので注意が必要です。

充電方法に関しては、急速充電と普通充電の2種類の方法があります。充電ポートの上部が普通充電、下部が急速充電なので、間違えないよう注意しましょう。

自宅充電

自宅では、充電ポートにコネクターを挿すだけで充電できます。3kWのコンセントの場合、満充電までにかかる時間の目安は8時間です。別売りで給電もできる6kWのV2H（Vehicle to Home）が販売されており、それを使用すれば4時間で満充電が可能です。その場合、コネクターを急速充電ポートに挿し込みましょう。また、日産サクラは充電の際、ただちに充電を開始する「即充電」と指定の時間で充電の開始や停止を行う「タイマー充電」、スマホやパソコンから充電開始の操作ができる「リモート充電」の3タイプがあります。

外出先での充電

日産サクラは高速道路のサービスエリアや日産販売店、コンビニエンスストアなどに設置されている電気自動車用充電スタンドが利用可能です。充電スタンドの設置数は2023年3月時点で約3万基、そのうち約9000基が急速充電器となっています。スタンドに設置された急速充電器の場合、充電量80％までにかかる時間の目安は約40分です。

日産サクラで必要なメンテナンスとは？アフターサービスもあわせて解説！

日産サクラのような電気自動車（EV）のメンテナンスは、従来のガソリン車と比べて異なる面がいくつかあります。そのため、以下のポイントに注意しましょう。

メンテナンスの特徴

まず注意するべきポイントは、EVには内燃機関がないため、エンジンオイル交換が不要だということです。また、日産サクラはレゲンレーティブ・ブレーキングシステムを利用していることから、ブレーキパッドの摩耗もあまり多くありません。その結果、交換の頻度もエンジン車と比較すると低い傾向にあります。バッテリーは、電気自動車における中心的な部品です。定期的な診断を行うことで健康状態を維持し、最適なパフォーマンスを保ちましょう。また、電気自動車は内燃機関車に比べて重量があるため、タイヤやサスペンションにかかる負荷が内燃機関車よりも大きくなります。これらも定期的に点検しましょう。使用頻度が低い人やメンテナンスをすべて任せたいという人は、メンテプロパックやNISSAN EVあんしんプラスがおすすめです。

アフターサービス

日産ではさまざまなアフターサービスをオーナーに提供しています。まず挙げられるのは、新車購入時の安全保証です。安全保証には、新車登録日から3年間または6万kmまで無償で修理・部品交換を受けられるメーカー保証と、新車登録日から5年間または10万kmまでエンジンやトランスミッションなどの主要機関の故障に対して無償で修理・部品交換を受けられる特別保証があります。

また、日産ではメンテナンスや点検、車検などの際、日産の販売店でさまざまなサービスを利用できます。NissanConnectナビゲーションシステムやNissanConnect EVアプリなどです。そのほか、月々の定額料金で新車をリースできるNissanマイカーリースや、リース契約にメンテナンスサービスを組み合わせられるNissanリース＆メンテナンスなどのサービスも提供しています。

日産サクラにはどのようなオプションがあるの？

日産サクラのオプションは、大きく分けて「安全性や快適性を高めるオプション」と「デザインや機能性を向上させるオプション」の2つに分けられます。

安全性や快適性を高めるオプション

安全性や快適性を高めるオプションとしてまず挙げられるのは「プロパイロット（ナビリンク機能付き）」です。この運転支援システムは、高速道路や自動車専用道路において車線維持や追従走行をサポートします。また、リアカメラの映像を映し出して後方視界を広く確保できるインテリジェントルームミラーもオプションで取り付け可能です。そのほか、寒い季節にシートを温めるシートヒーターなど、寒冷地で快適に過ごせるようにバッテリーの性能やヒーターなどの装備を強化することもできます。

デザインや機能性を向上させるオプション

デザインや機能性を向上させるオプションとしては、16インチアルミホイールやLEDヘッドランプに変更が可能です。ルーフをブラックに塗装したりサイドにデカールを貼ったりすることもできます。また、フロントリップやサイドスカート、リアスポイラーなどのエアロパーツを装着し、スタイリッシュな印象に仕上げるのもおすすめです。そのほか、ノーマルタイヤからスポーツタイヤに変更することで、ハンドリングやブレーキ性能を向上させることもできます。

日産サクラの環境への影響は？

電気自動車（EV）である日産サクラは、さまざまな面において環境への影響を考慮した設計になっています。以下、どのような点でエコフレンドリーな特性を持っているのか、詳しく解説します。

排出ガスの削減

日産サクラは内燃エンジンを使用しないため、走行時に二酸化炭素（CO2）や窒素酸化物（NOx）、粒子状物質（PM）などの排出ガスを一切発生しません。これにより地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑制し、都市部での空気質の改善に寄与します。

エネルギー効率

日産サクラに搭載されている電気モーターは内燃エンジンに比べてエネルギー変換効率が高く、電力をより直接的に動力に変換します。余分なエネルギーが熱として失われることが少ないため、全体として低燃費を実現し、エネルギーの使用を効率化できます。

ライフサイクルの環境影響

EVのバッテリーは、寿命がくれば交換が必要です。しかし、日産サクラに搭載されているリチウムイオンバッテリーには、リサイクルや再利用が可能な素材が含まれています。日産はバッテリーリサイクルにも注力しており、使用済みバッテリーの効果的なリサイクルやセカンドライフ利用を通じて、環境への影響を軽減しています。

騒音の削減

電動モーターは内燃エンジンに比べて稼働時の騒音が少ないことが特徴です。そのため、騒音公害を抑制する効果が期待できます。都市部や住宅地における快適性の向上にも貢献するでしょう。

日産サクラは安全に運転できる？

日産サクラは、軽自動車でもトップレベルの安全装備を標準装備しています。2022年に独立行政法人自動車事故対策機構が行ったJNCAP（自動車安全性能評価）では、衝突安全性能でAランクの88％、予防安全性能でもAランクの97％、事故自動緊急通報装置については先進型100％という好成績を獲得し、ファイブスター賞を受賞しました。ここからは、具体的にどのような装備が搭載されているのか、代表的なものをいくつか紹介します。

前方運転支援

運転中の前方支援には、走行中の衝突回避をアシストする「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」が搭載されています。この機能は、車両の前方で発生する衝突の危険を検知してドライバーへの警告を発し、必要に応じて自動的にブレーキを作動させるというものです。遠くまで検知できるよう、周囲の明るさにも影響されにくいミリ波レーダーを搭載しています。

また、日産サクラには前方の車両との衝突の危険をドライバーに警告する機能である「インテリジェントFCW」が搭載されています。これは前方の車両や障害物との距離や速度をカメラとレーダーで検知し、衝突の危険があると判断した場合に警告音やディスプレイ表示でドライバーに注意を促す機能です。渋滞時やカーブを曲がるときに先行車との距離が十分に取れていない場合、衝突の危険を未然に防げます。

さらに、Gグレードには「アダプティブLEDヘッドライトシステム」が搭載されています。この機能は、運転中の視界を最適化するための先進技術です。LEDヘッドライトの輝度や配光パターンを道路条件や運転環境に合わせて自動的に調整します。たとえば、他の車両との距離や速度、ステアリング操作に基づいてヘッドライトの角度を変えたり、対向車のドライバーが眩しさを感じないように光の配光を調整したりすることが可能です。これにより夜間の運転時の安全性が向上し、ドライバーの疲労軽減にも寄与します。

側方運転支援

側方運転支援としては、「インテリジェントLI（車線逸脱防止支援システム）」と「LDW（車線逸脱警報）」が搭載されています。これらはドライバーが意図せずに車線を逸脱しそうになった際に警告し、場合によっては車両を元の車線に戻すための操作を支援するシステムです。「インテリジェントLI（車線逸脱警報）」は、車線逸脱が検出された際、自動的にステアリングに介入して車を車線内に保とうとするものです。ドライバーの操作に基づかない状況であっても作動するため、道路上での事故軽減につながります。「LDW（車線逸脱警報）」はカメラを使用して道路上の車線マーキングを認識し、車両が車線をはみ出そうとするとドライバーに視覚的または聴覚的な警告を発します。

駐車時運転支援

ペダルの踏み間違いによる衝突事故を防ぐための安全装置として搭載されているのが、「踏み間違い衝突防止アシスト」です。このシステムは主に低速時や停止時に有効で、車両が何かに衝突しそうになったときに自動的に作動します。これにより、壁への衝突や店舗のガラス窓への突入といった予期せぬ事故を未然に予防できます。重大な事故を防ぐための効果的な補助システムです。

さらに、Gグレードには狭い場所での駐車やバック時に有用な駐車時運転支援機能として、「インテリジェントアラウンドビューモニター（移動物検知機能付）」が搭載されています。この機能は、車両に取り付けられた複数のカメラを利用して、車の周囲360度の映像を一つの画面に表示するシステムです。これにより、駐車時や狭いスペースでのマヌーバ時に周囲の状況を一目で確認できます。

その他の運転支援装備

Gグレードには緊急時にドライバーがリアルタイムで助けを求めることができる「SOSコール」も搭載されています。「SOSコール」は専門のオペレーターにつながって警察や消防への通報をしてくれるほか、自車位置や所有車情報も自動的に連絡される通信システムです。ドライバー自身が操作できるだけでなく、万が一の事故が発生した際にはエアバッグ展開と連動して自動通報されます。

日産サクラはほかのEVと比較してどう？

それでは、日産サクラはほかのメーカーのEVと比較してどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ詳しく解説します。

三菱eKクロスEV

三菱eKクロスEVは、三菱自動車が販売している軽自動車クラスのEVです。軽自動車特有のコンパクトなボディサイズに、電動パワートレインを搭載しています。日産サクラと比較した場合、室内空間は日産サクラの方がより広く感じられるでしょう。また、航続距離も日産サクラの方が長いです。安全性能に関しては、両者ともに高い評価を得ています。価格に関しては、日産サクラの方が少し高めの価格設定となっています。

トヨタbZ4X

トヨタbZ4Xはトヨタが発売している普通自動車のEVで、bZシリーズの一つです。「bZ」は「beyond Zero」を意味し、ゼロエミッションを越えた新しい価値を提供することを目指しています。日産サクラと比較した場合、日産サクラは軽自動車のEVとして航続距離や充電時間のバランスが良く、日常の買い物や通勤・通学といった幅広い用途に適しています。一方、トヨタbZ4Xは普通自動車のEVとして航続距離や充電時間が長く、長距離ドライブや高速道路の走行にも適しています。また、先進安全装備や快適装備が充実しているモデルです。価格は日産サクラが軽自動車としては比較的高めの価格設定になっているのに対し、トヨタbZ4Xは普通自動車としては比較的低めの価格設定になっています。

ホンダ e

ホンダ eはシンプルでモダンなデザインが特徴の都市型EVです。両者を比較した場合、両極端なアプローチを持っているといえます。ホンダeがデザインとテクノロジーを前面に押し出し、ある種のライフスタイルを提案している一方、日産サクラは実用性に優れ、日々の足としての利用に適しているからです。また、普通自動車であるホンダeは日産サクラよりも少し全長が長く、航続距離も多めになっています。

BMW i3

BMW i3は、ドイツの自動車メーカーであるBMWが製造し、2013年に市場に投入した小型EVです。都市部での使用を意識したデザイン、持続可能な素材の使用、そしてBMWらしいダイナミックな運転性能をその特徴としています。普通自動車規格にあたるBMW i3は、小型EVではあるものの日産サクラよりもサイズが大きく、航続距離も長いです。また、価格設定も日産サクラよりも高めになっています。コンパクトさや手軽さよりも性能や高級感をもとめるのであれば、BMW i3の方がおすすめです。

日産サクラのグローバル戦略とは？

日産サクラは軽自動車のため、基本的には日本市場を中心に販売されているEVです。しかし、発売されてから日本では好調な販売を記録しているため、日産のグローバル戦略においても重要な役割を担っているといえます。日産は2030年までに、グローバルで販売する新車の50％を電動車両にすることを目指しています。そのため、日産サクラは日産のEV戦略の柱となるモデルのひとつとして位置づけられるでしょう。今後は日産サクラを日本だけでなく、アジアや欧州などの世界各国で販売していく計画も立てているといわれています。

日産サクラの口コミや評判はどう？

日産サクラは2023年には5万台以上を販売するなど、日本市場において高い評価を得ています。しかし、実際のユーザーの声はどうなのでしょうか。ポジティブな意見とネガティブな意見をそれぞれ紹介します。

ポジティブな意見

ポジティブな評価で特に多いのが、走行性能を評価する意見です。静かでスムーズな走行を実現する電気モーターが好評で、とりわけ加速性能に満足しているユーザーが多く見られます。また、燃料費が不要であることや、税制優遇・充電インフラの拡大によって比較的所有しやすい環境が整っていることを評価する声も多いです。環境に対して関心の高いユーザーは、CO2排出量がゼロなためにエコフレンドリーである点が支持を集めています。機能性も見逃せません。日産サクラはコンパクトなボディながらも使い勝手が良く、狭い道路や駐車場でも扱いやすいと評判です。さらに最先端の安全技術を搭載している点で信頼性が高いことも多くのユーザーを満足させています。

ネガティブな意見

一方、ネガティブな意見として多いのが、充電時間に関する問題です。先述したように、日産サクラは普通充電の場合、満充電まで8時間かかります。そのため、バッテリーの充電に時間がかかるという不満の声も多いようです。また、充電スタンドの数が足りないという意見もあります。特に地方に住んでいるユーザーの多くは、充電スタンドが近くにないことに不便を感じているようです。

日産サクラが軽自動車であることがネックとなっている意見も多く見られます。たとえば、航続距離の短さです。日産サクラの航続距離は180kmと、一充電での走行距離が限られています。そのため、長距離を走行したいユーザーには不便と感じる声が多いです。車両サイズもコンパクトな設計のため、普通自動車規格の自動車に慣れたユーザーには車内空間が狭いと感じるでしょう。荷物の積載量に制限があるという意見も見られます。さらに、軽自動車としては価格帯が比較的高めに設定されていることが、一部の購買層にとってはネガティブ要因となっているようです。

日産サクラの購入プロセスと購入支援制度を徹底解説！

最後に、日産サクラの購入プロセスと活用できる購入支援制度について解説します。

購入プロセス

まずは日産の販売店に電話やインターネットで問い合わせ、日産サクラの試乗や見積もりなどの希望を伝えましょう。試乗では、車両の乗り心地や走行性能を実際に体験することができます。日産では販売店舗で試乗予約するプランのほか、希望の試乗車を自宅までスタッフが届けてくれる宅配試乗や日産のカーシェアリングサービスを活用するセルフ試乗などのプランもあります。見積もりでは車両本体価格やオプション、カラーのほか、諸費用などの総額を確認できるので、自分に合ったカスタマイズを選びましょう。

試乗や見積もりの結果、購入を決めた場合、販売店で契約を行いましょう。契約時には、車両本体価格やオプション、諸費用などの支払い方法や納車時期などを決めます。日産では毎月定額のサブスクプランや分割払いなど、さまざまな購入プランが用意されています。自分に合った方法を選びましょう。また、買い替えを希望する人は、下取りしてもらうこともできます。全メーカーに対応しているので安心です。

契約後、納車時期になると販売店で車両の納車を受けます。納車時には、車両の説明や点検などの手続きが行われるのでよく確認しましょう。