
太陽光発電システムは、一度設置すれば20〜30年は使い続けることを前提とした設備です。しかし、その長い期間の中で、パネルやその他の機器には必ず何らかの劣化や不具合が発生します。
多くの人は「太陽光パネルは壊れない」「メンテナンスフリー」と思いがちですが、実際には様々な要因で性能が低下したり、故障したりすることがあるのです。
気づかないうちに発電量が減っている
厄介なのは、太陽光パネルの劣化や故障の多くが、目に見えにくく気づきにくいことです。発電量が徐々に低下していても、天候による変動と区別がつかず、「今月は天気が悪かったから」と見過ごしてしまうケースが非常に多いのです。
実際には、適切な点検やモニタリングを行わないと、数年間にわたって本来の50〜70%程度の発電量しか得られていなかった、というケースも珍しくありません。
早期発見が経済損失を防ぐ
太陽光パネルの問題を早期に発見し対処することで、発電量の低下を最小限に抑え、長期的な経済的メリットを最大化できます。
定期的な点検、発電量のモニタリング、異常の早期発見——これらが、太陽光発電システムを長く効率的に使い続けるための鍵となります。
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太陽光パネル表面の汚れ

太陽光パネルの表面に付着する汚れは、最も一般的な発電効率低下の原因です。黄砂、花粉、排気ガス、鳥の糞、落ち葉などが積み重なると、太陽光を遮り、発電量が低下します。
軽度の汚れでも5〜10%程度、ひどい場合には20〜30%も発電効率が落ちることがあります。年間で考えれば、数万円の損失につながる可能性があります。
雨で自然に流れる?実はそうでもない
「雨が降れば汚れは自然に流れる」と思われがちですが、実際にはそうとは限りません。特に傾斜が緩い屋根や、鳥の糞のような粘着性のある汚れは、雨だけでは完全に落ちません。
また、都市部や幹線道路沿いの住宅では、排気ガスに含まれる油分が付着し、それにホコリが固着して頑固な汚れになることもあります。
定期的な清掃が必要
理想的には年に1〜2回、専門業者による清掃を行うことをお勧めします。高所作業となるため、自分で清掃するのは危険です。
清掃費用は1回あたり2〜5万円程度が相場ですが、これによって数%から十数%の発電効率回復が期待できるため、十分に費用対効果がある投資と言えます。
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セルクラック(微細なひび割れ)

セルクラックとは、太陽光パネルを構成する太陽電池セル(シリコンウェハー)に生じる微細なひび割れのことです。肉眼では見えないほど小さなひびですが、発電性能に大きな影響を与えます。
セルクラックが発生すると、その部分の発電効率が低下し、場合によってはパネル全体の出力が10〜20%減少することもあります。
セルクラックが発生する原因
セルクラックの主な原因は以下の通りです。施工時の衝撃や不適切な取り扱い、強風や台風による架台の振動、雹(ひょう)などの衝撃、経年による熱膨張・収縮の繰り返し、積雪の重み——これらの要因が複合的に作用して、セルにひびが入るのです。
特に、施工時に既にセルクラックが発生していたケースも少なくありません。パネルの運搬や設置の際に、乱暴に扱われることで内部にダメージが蓄積されます。
発見には専門的な検査が必要
セルクラックは通常の目視点検では発見できません。発見するには、赤外線サーモグラフィーカメラやEL(エレクトロルミネッセンス)検査という専門的な検査が必要です。
サーモグラフィー検査では、発熱している異常部分を特定でき、セルクラックによって抵抗が増加している箇所を見つけることができます。
予防と早期発見が重要
一度発生したセルクラックは修復できないため、予防と早期発見が重要です。信頼できる業者による丁寧な施工、定期的な専門点検、異常な発電量低下があった場合の速やかな調査——これらが対策となります。
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パワーコンディショナーの寿命

太陽光パネル本体の寿命が20〜30年であるのに対し、パワーコンディショナー(パワコン)の寿命は10〜15年程度です。つまり、太陽光発電システムを長期間使用する場合、パワコンは少なくとも1回は交換が必要になります。
パワコンは電子部品で構成されており、熱や湿気、経年劣化によって内部部品が消耗します。特にコンデンサーや冷却ファンなどの部品は劣化しやすく、これらが故障するとパワコン全体が機能しなくなります。
パワコンの故障の前兆サイン
パワコンが寿命を迎える前には、いくつかの前兆サインが現れることがあります。異音(ブーンという音が大きくなる、異常な音がする)、エラー表示の頻発、発電量の不安定な変動、本体の過度な発熱——これらの症状が見られたら、早めに点検を受けるべきです。
完全に故障する前に対処すれば、データを残して交換できたり、計画的に費用を準備できたりするメリットがあります。
交換費用は20〜40万円程度
パワコンの交換費用は、機種や容量によって異なりますが、一般的な住宅用で20〜40万円程度が相場です。本体価格に加えて、工事費用も必要になります。
この費用は事前に想定しておくべき「必要経費」です。太陽光発電の経済性を計算する際には、10〜15年後のパワコン交換費用も織り込んでおく必要があります。
保証期間の確認を忘れずに
多くのパワコンには10年程度のメーカー保証が付いています。保証期間内であれば、故障時に無償で修理または交換してもらえる場合があります。
購入時には保証内容をしっかり確認し、保証書は大切に保管しておきましょう。また、有償の延長保証サービスを提供しているメーカーもあります。
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配線・接続部の劣化

太陽光パネルやパワコンに比べて注目されにくいのが、配線や接続部の劣化です。しかし、これらの部品も屋外で長期間使用されるため、確実に劣化していきます。
紫外線による被覆の劣化、雨水の浸入による腐食、接続部の緩み、動物による噛み傷——こうした問題が発生すると、発電効率の低下や、最悪の場合は火災のリスクにもつながります。
接続不良は発熱の原因に
配線の接続部分が緩んだり、接触不良を起こしたりすると、その部分で抵抗が増加し発熱します。この発熱が進行すると、接続部が焼損したり、火災につながったりする危険性があります。
実際に、太陽光発電システムでの火災事故の原因として、配線や接続部の不良が挙げられるケースが少なくありません。
ケーブルの被覆劣化にも注意
屋外に配線されているケーブルは、常に紫外線や雨風にさらされています。年月が経つと被覆が劣化し、ひび割れや硬化が進みます。
被覆が劣化すると、内部の導線が露出したり、水分が浸入したりして、漏電や短絡の原因となります。
定期点検で早期発見
配線や接続部の問題は、定期的な目視点検とサーモグラフィー検査で発見できます。特に、接続部の異常発熱はサーモグラフィーで明確に確認できるため、専門業者による点検が有効です。
異常が見つかった場合は、早急に修理または交換することで、大きなトラブルを未然に防げます。
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太陽光発電の架台の錆びや腐食

太陽光パネルを屋根に固定する架台は、主にアルミニウムやステンレスなどの金属で作られています。これらの金属は耐久性が高いとされていますが、長期間屋外で使用すれば、やはり錆びや腐食は避けられません。
特に海沿いの地域では塩害の影響を受けやすく、通常よりも早く錆びが進行します。また、工業地帯では大気汚染物質の影響で腐食が進むこともあります。
錆びが進むとパネルが落下する危険も
太陽光発電の架台の錆びや腐食が進行すると、強度が低下します。最悪の場合、強風や地震の際にパネルが落下したり、架台が破損したりする危険性があります。
実際に、台風の際に劣化した架台が破損し、パネルが飛ばされたり落下したりする事故も報告されています。これは近隣への被害にもつながる重大な問題です。
定期的な目視点検と防錆対策
太陽光発電の架台の状態は比較的目視で確認しやすい部分です。年に1〜2回、可能であれば自分でも双眼鏡などを使って遠くから確認し、明らかな錆びや変色がないかチェックしましょう。
専門業者による点検では、錆びの進行度合いを詳しく調べ、必要に応じて防錆処理や部品交換を行います。
設置時の材質選びも重要
太陽光発電の架台の材質や防錆処理の品質は、業者によって異なります。特に海沿いや多湿な地域では、耐食性の高い材質や、しっかりとした防錆処理が施された架台を選ぶことが重要です。 初期コストは若干高くなりますが、長期的なメンテナンスコストや安全性を考えれば、十分に価値のある投資と言えます。
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太陽光発電の発電量モニタリングで異常を早期発見

太陽光発電システムの異常を早期に発見するための最も基本的な方法は、日々の発電量をモニタリングすることです。多くのシステムには、リアルタイムで発電量を確認できるモニターやスマートフォンアプリが付属しています。
毎日チェックする必要はありませんが、週に1回程度、発電量の推移を確認する習慣をつけることをお勧めします。
「いつもより少ない」を見逃さない
天候による変動は当然ありますが、「同じような天気なのに以前より明らかに発電量が少ない」と感じたら、何らかの問題が発生している可能性があります。
例えば、晴天の日の発電量が、以前の同条件の日と比べて20%以上減少している場合は、汚れ、故障、劣化などの問題を疑うべきです。
過去データとの比較が有効
多くのモニタリングシステムには、過去のデータと比較する機能があります。前年の同月と比較して発電量がどう変化しているかを確認することで、異常を早期に発見できます。
経年劣化による自然な発電量低下は年1%程度が標準ですが、それを大きく超える低下があれば、何らかの対処が必要なサインです。
専門業者の遠隔モニタリングサービスも
一部の専門業者では、遠隔モニタリングサービスを提供しています。発電量データを24時間監視し、異常があれば自動的に通知してくれるサービスです。
月額1,000〜3,000円程度の費用がかかりますが、自分で常に気にかける必要がなく、専門家の目で異常を早期発見してもらえるメリットがあります。
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定期点検の重要性とコスト

経済産業省のガイドラインでは、住宅用太陽光発電システムについて、4年に1回程度の定期点検を推奨しています。これは、FIT制度の保守点検義務に基づくものです。
定期点検では、パネルの状態、パワコンの動作、配線や接続部の確認、架台の状態、発電量の測定などを専門技術者が総合的にチェックします。
点検費用は2〜5万円程度
定期点検の費用は、システムの規模や点検内容によって異なりますが、一般的な住宅用で2〜5万円程度が相場です。サーモグラフィー検査などの詳細な検査を含める場合は、さらに費用が上がることもあります。
この費用を「もったいない」と感じる方もいるかもしれませんが、異常の早期発見により、大規模な修理や発電量低下による経済損失を防げることを考えれば、十分に価値のある投資です。
点検で見つかる問題は意外と多い
実際に定期点検を行うと、パネル表面の汚れ、接続部の緩み、軽度の配線劣化、架台のボルトの緩みなど、何らかの問題が見つかるケースが非常に多いです。
これらは放置すれば大きなトラブルに発展する可能性がありますが、早期に発見して対処すれば、小さな修理や調整で済むことがほとんどです。
保証期間内でも点検は必要
「保証期間内だから大丈夫」と思われるかもしれませんが、保証は故障した場合の修理や交換を保証するものであり、定期点検を免除するものではありません。
むしろ、保証を確実に受けるためにも、定期的な点検記録を残しておくことが重要です。適切なメンテナンスを怠ったことが原因の故障は、保証の対象外となる場合もあります。
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まとめ:「見えない劣化」を見逃さない

劣化は必ず起こる、問題は対処できるか
太陽光パネルやシステムの劣化・故障は、長期間使用すれば必ず発生します。重要なのは、劣化を恐れることではなく、適切に発見し対処することです。
「設置したら終わり」ではなく、「設置してからが始まり」という意識を持ち、長期的に付き合っていく姿勢が大切です。
小さな異常を見逃さない習慣を
発電量の定期的なチェック、目視での確認、専門業者による定期点検——これらを組み合わせることで、ほとんどの問題は早期に発見できます。
「なんとなく発電量が少ない気がする」という小さな違和感を見逃さず、すぐに調べる習慣が、長期的な経済的メリットを守ることにつながります。
メンテナンス費用も含めて計画を
太陽光発電の導入を検討する際には、初期費用だけでなく、定期点検費用、清掃費用、パワコン交換費用などのメンテナンスコストも含めて計画を立てましょう。
20年間の運用で考えれば、点検費用(4年に1回×5回=10〜25万円)、清掃費用(年1〜2回×20年=40〜100万円)、パワコン交換(1〜2回=20〜80万円)など、合計で100万円前後のメンテナンスコストが発生します。
これらを含めても十分に経済的メリットがあるかを検討し、納得した上で導入することが、後悔しない選択につながります。


























