
「太陽光発電があれば停電しても安心」「災害に強い家になる」という営業トークを聞いて、災害対策として太陽光発電を導入する人は少なくありません。
しかし、実際の停電時に「使えなかった」という事例が多数報告されています。自立運転モードの設定ミス、夜間の停電、曇天・雨天での発電不足など、期待と現実のギャップが大きい分野です。停電時に使えなかった具体的な事例と、その原因を解説します。
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事例①:「自立運転モード」を知らなかった

停電時は「自動で切り替わらない」
多くの人が誤解しているのは、「太陽光発電があれば、停電時に自動で電気が使える」という点です。実際には、停電時には手動で「自立運転モード」に切り替える必要があります。
実例1:Aさん(40代家族)の停電体験
台風で停電が発生。Aさんは「太陽光があるから大丈夫」と思っていましたが、家中の電気が使えません。翌朝、太陽が出ても電気は復旧しませんでした。
後日、業者に連絡したところ、「自立運転モードに切り替える必要があった」と説明されました。Aさんは「そんな説明、導入時に聞いていない」と不満を語ります。パワコンの操作方法を知らず、結局停電中は一切電気が使えませんでした。
「自立運転モード」の切り替え手順
自立運転モードへの切り替えは、機種によって異なりますが、一般的には以下の手順が必要です。
自立運転モードへの切り替え手順(一般例)
1. 家のブレーカーを全て落とす
2. パワコンの運転を停止する
3. 自立運転モードに切り替える(ボタン操作)
4. 自立運転用コンセントに家電を接続する
5. 太陽光が発電していれば使用可能
この手順を知らない、あるいは説明書を紛失してしまったために、停電時に使えなかったケースは非常に多いです。
「自立運転用コンセント」の存在を知らない
自立運転モードでは、通常のコンセントは使えません。パワコン本体や近くに設置された「自立運転用コンセント」にだけ電気が供給されます。
自立運転用コンセントの現実
● パワコンの近くに1〜2口しかない
● 延長コードで家中に配線する必要がある
● 使用できる電力は1.5kW程度(機種による)
● エアコンや電子レンジなど高出力機器は使えないことが多い
● 自立運転用コンセントがどこにあるか知らない人も多い
「太陽光があれば家中の電気が使える」と思っていた人にとって、この制限は大きなショックです。
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事例②:夜間の停電では「完全に無力」

夜に停電したら翌朝まで我慢
太陽光発電は、太陽が出ている間しか発電しません。当たり前のことですが、災害時の心理状態では忘れてしまいがちです。
実例2:Bさん(60代夫婦)の落胆
地震で夜間に停電が発生。Bさん夫婦は「太陽光があるから大丈夫」と安心していましたが、夜間は全く発電せず、真っ暗な中で一晩を過ごすことになりました。
翌朝、太陽が出てから慌てて自立運転モードに切り替えましたが、「一番必要な夜に使えないなら意味がない」と感じたそうです。結局、懐中電灯とカセットコンロで凌ぎました。
蓄電池がなければ夜間は使えない
夜間の停電に対応するには、蓄電池が必須です。しかし、蓄電池は追加で100万円以上かかるため、太陽光だけを導入している家庭が大多数です。
夜間停電時の太陽光発電の限界
● 太陽光のみ:夜間は完全に無力
● 蓄電池あり:数時間〜1日程度は使える(容量次第)
● 停電が夜間に発生した場合、翌朝まで何もできない
● 冬場は日照時間が短く、昼間の発電時間も限られる
● 夜に再び停電すれば、また翌朝まで我慢
「災害は夜に起きることも多い」
地震は時間を選びません。統計的には、夜間に発生する大地震も多数あります。また、台風による停電も、夜間に発生することがあります。
「災害対策として太陽光を導入したのに、夜に災害が起きたら役に立たない」という現実は、導入前に理解しておくべきです。
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事例③:曇天・雨天では「発電量が不足」

災害時こそ天候が悪いという皮肉
台風、大雨、豪雪などの災害時は、往々にして天候が悪く、太陽光発電の効率が大きく低下します。
実例3:Cさん(50代家族)の台風停電
台風で停電が発生。Cさんは自立運転モードへの切り替え方も知っており、準備万端でした。しかし、台風による曇天と雨で、発電量はほとんどゼロ。スマートフォンを少し充電できた程度で、冷蔵庫やテレビは動かせませんでした。
「晴れていれば使えたのに、災害時に限って曇りや雨。太陽光は災害に弱いと実感した」とCさんは語ります。
雨天時の発電量は「晴天の10〜20%」
曇天時の発電量は、晴天時の30〜50%程度、雨天時はさらに少なく10〜20%程度まで低下します。
悪天候時の太陽光発電の現実
● 曇天:発電量は晴天の30〜50%
● 雨天:発電量は晴天の10〜20%
● 台風時:ほぼ発電しないことも
● 豪雪時:パネルが雪に覆われれば発電ゼロ
● 災害時の天候が悪いことは珍しくない
5kWのシステムでも、雨天時には0.5〜1kW程度の発電量になることがあり、冷蔵庫を動かすのがやっとという状況です。
「数日間の停電」には対応できない
大規模災害では、停電が数日間続くこともあります。曇天や雨天が続けば、太陽光発電だけでは電力を確保できず、結局は電力の復旧を待つしかありません。
「災害に強い」というイメージと、現実の厳しさには大きなギャップがあります。
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事例④:蓄電池があっても「容量不足」

「1日分」しか持たない現実
蓄電池を導入していても、容量には限りがあります。一般的な家庭用蓄電池(5〜7kWh)では、節電しても1日程度しか持ちません。
実例4:Dさん(40代家族・蓄電池あり)の長期停電
大規模停電で3日間電気が来ませんでした。Dさんの家には蓄電池(容量6kWh)があり、初日は冷蔵庫と照明、スマホ充電に使えました。しかし、2日目は曇天で充電が不十分。夜までに蓄電池が空になり、3日目はほぼ使えませんでした。
「蓄電池があるから安心と思っていたが、長期停電には全く足りなかった」とDさんは振り返ります。
「必要最低限」の電力確保が精一杯
蓄電池があっても、使える電力は限られます。普段通りに家電を使えば、数時間で空になります。
蓄電池6kWhで使える時間の目安
● 冷蔵庫のみ:約24時間
● 冷蔵庫+照明+スマホ充電:約12〜18時間
● 冷蔵庫+照明+テレビ:約8〜12時間
● エアコン使用:約3〜6時間で空になる
● 普段通りの生活:約2〜3時間で空になる
災害時に必要なのは、冷蔵庫、照明、スマホ充電、情報収集(テレビ・ラジオ)程度に絞る必要があります。
「充電できなければ翌日は使えない」
蓄電池は、太陽光で充電できなければ、一度使い切ったら終わりです。曇天や雨天が続けば、充電が不十分で翌日は使えません。
蓄電池は「万能の備え」ではなく、「数日間の繋ぎ」と考えるべきです。
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太陽光発電は「災害に強い」の正しい理解

太陽光は「災害対策の一部」にすぎない
太陽光発電は、災害時の電力確保に一定の効果はあります。しかし、「太陽光さえあれば安心」というのは過信です。
太陽光発電の災害時の役割(現実的な評価)
● ○ 昼間、晴天時に限定的な電力を供給できる
● ○ スマホ充電、照明など最低限の電力は確保できる
● × 夜間は完全に無力(蓄電池なしの場合)
● × 曇天・雨天時は発電量が大幅に減少
● × 長期停電(数日以上)には対応困難
● × 自立運転モードの知識と操作が必要
災害対策は「多層的」に考える
太陽光発電だけに頼るのではなく、複数の備えを組み合わせることが重要です。
現実的な災害対策の組み合わせ
● 太陽光発電(昼間の電力確保)
● 蓄電池またはポータブル電源(夜間対応)
● 懐中電灯・ランタン(照明)
● カセットコンロ(調理)
● 非常食・水の備蓄
● 手動充電式ラジオ(情報収集)
● 発電機(長期停電時の選択肢)
太陽光発電は「あれば助かる」レベルであり、「これだけで安心」ではありません。
「期待値の調整」が満足度を左右する
「災害時にどの程度役立つか」を正確に理解していれば、停電時に失望することはありません。
「晴天の昼間なら、スマホ充電と冷蔵庫が動かせる程度」という現実的な期待であれば、太陽光発電は十分に価値があります。逆に、「災害時も普段通り生活できる」という過度な期待は、必ず失望につながります。
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太陽光発電を導入前に確認すべきこと

自立運転モードの操作を「今」確認する
太陽光発電を導入済みの方は、今すぐ自立運転モードへの切り替え方を確認してください。災害時に慌てて説明書を探しても見つからない可能性があります。
今すぐ確認すべきこと
● パワコンの操作パネルの場所
● 自立運転モードへの切り替え手順
● 自立運転用コンセントの場所
● 使用できる電力の上限(kW)
● 説明書の保管場所(家族全員が知っている)
「実際に試してみる」ことの重要性
可能であれば、晴れた日に一度、ブレーカーを落として自立運転モードを試してみることをお勧めします。実際に操作してみることで、災害時に慌てずに対応できます。
災害対策「だけ」で導入するなら再考を
これから太陽光発電を導入する方で、「災害対策だけ」が目的なら、他の選択肢も検討すべきです。
災害対策の費用対効果比較
● 太陽光発電(災害対策のみ):150万円 → コスパ悪い
● ポータブル電源:10〜30万円 → コスパ良い
● 発電機:5〜15万円 → コスパ良い
● 懐中電灯・非常食など:数万円 → 最もコスパ良い
災害対策と電気代削減の両方を目的とするなら、太陽光発電は価値があります。しかし、災害対策だけなら、もっと安価で確実な方法があります。
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太陽光発電は本当に災害に強い|よくある質問(FAQ)
Q1:太陽光発電は災害対策として意味がないのですか?
意味がないわけではありません。晴天の昼間であれば、スマホ充電や冷蔵庫の稼働など、最低限の電力は確保できます。ただし、「これだけで安心」ではなく、他の備えと組み合わせることが重要です。過度な期待は禁物ですが、あれば助かる設備です。
Q2:自立運転モードへの切り替えは難しいですか?
手順を知っていれば難しくありません。ただし、説明書を読んで理解し、できれば一度実際に試してみることが重要です。災害時に初めて操作しようとすると、慌てて失敗する可能性があります。今のうちに確認しておきましょう。
Q3:蓄電池があれば夜間も安心ですか?
ある程度は安心ですが、容量には限りがあります。一般的な蓄電池(5〜7kWh)では、節電しても1日程度しか持ちません。長期停電時は、昼間に太陽光で充電し、夜に最低限の電力を使う、という繰り返しになります。「普段通りの生活」は難しいと考えてください。
Q4:曇りや雨の日は全く発電しませんか?
全く発電しないわけではありませんが、発電量は大幅に減少します。曇天時は晴天の30〜50%程度、雨天時は10〜20%程度まで低下します。災害時に天候が悪いことは多いので、太陽光だけに頼るのは危険です。
Q5:災害対策として太陽光と蓄電池、どちらを優先すべきですか?
既に太陽光があるなら蓄電池の追加を検討する価値があります。一方、これから導入する場合は、予算次第です。太陽光+蓄電池で250〜350万円かかるなら、その一部でポータブル電源や発電機、非常食などを揃えた方が、総合的な災害対策としては有効かもしれません。


























