EVが家や地域の電力源になる?ホンダらのV2G実証実験を解説

投稿日:2026年01月25日

EVが家や地域の電力源になる?ホンダらのV2G実証実験を解説

電気自動車は、ガソリン車に代わる新しい移動手段として普及が進んできました。
静粛性の高さや走行時に排出ガスを出さない点、エネルギー効率の良さなどが評価され、次世代の自動車として広く認知されつつあります。

 「移動」だけでは語れなくなったEVの価値 

一方で近年、電気自動車の価値は単なる「移動」にとどまらない段階に入り始めています。その大きな理由が、電気自動車が大容量のバッテリーを搭載している点にあります。

 大容量バッテリーがもたらす新しい役割 

電気自動車に搭載されているバッテリーは、走行のためだけのものではありません。電力を蓄える装置として捉えれば、その容量や出力は家庭用蓄電池に匹敵する性能を持っています。つまり電気自動車は、走っていない時間帯には「電力をためておける存在」として活用できる可能性を秘めているのです。

なぜ「電力インフラ」として注目されるのか

電力を取り巻く環境も、大きく変化しています。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が進む一方で、発電量が天候に左右されやすいという課題が顕在化しています。
電力は需要と供給のバランスが常に一致していなければならず、余った電気をためておくことが難しいという特性があります。

そこで注目されているのが、電気自動車に蓄えられた電力を、家庭や地域の電力ネットワークに活用するという考え方です。
電気自動車が多数存在する社会では、それぞれの車両が小さな蓄電池として機能し、全体としては非常に大きな電力調整力を持つことになります。

このような背景のもと、本田技研工業をはじめ、複数の企業が連携し、個人が所有する電気自動車を地域電力に活用する実証事業に取り組み始めました。本記事では、この新しい取り組みが何を目指し、私たちの暮らしにどのような変化をもたらすのかを、一般ユーザー目線で分かりやすく解説していきます。

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V2Gとは?EVと電力ネットワークをつなぐ仕組み

V2Gとは?EVと電力ネットワークをつなぐ仕組み

V2Gとは「Vehicle to Grid(ビークル・トゥ・グリッド)」の略称で、電気自動車に蓄えられた電力を電力系統、つまり電力ネットワーク側へ供給する仕組みを指します。
従来、電気自動車と電力の関係は「充電する側・される側」という一方向の関係でした。家庭や充電設備から電気を受け取り、走行のために消費するという形です。

V2Gでは、この関係が双方向になります。電気自動車は電力を受け取るだけでなく、必要に応じて電力を外部へ戻すことが可能になります。これにより、電気自動車は「移動手段」であると同時に、「分散型の蓄電設備」として機能するようになります。

似た言葉としてV2H(Vehicle to Home)がありますが、こちらは電気自動車から家庭へ電力を供給する仕組みです。V2Gはさらに一歩進み、家庭単位にとどまらず、地域全体や電力市場と連動する点が大きな違いです。

電気自動車はどのように電力を供給するのか

V2Gの仕組みは、複雑に見えて基本的な流れはシンプルです。
電気自動車が接続された充放電設備を通じて、電力の出し入れを制御します。この制御は人が手動で行うものではなく、システムが自動で判断します。

具体的には、次のような要素をもとに充放電が行われます。
・電気自動車のバッテリー残量
・オーナーが指定した使用予定時間
・家庭や地域の電力需要
・電力市場の需給状況や価格動向

例えば、電気自動車を長時間使用しない夜間や日中の駐車中に、電力需要が高まった場合、システムは電気自動車から電力を供給します。一方で、電力が余っている時間帯や電気料金が安い時間帯には、再び電気自動車へ充電が行われます。

このように、電気自動車の利用予定を妨げない範囲で、電力のやり取りが最適化される点がV2Gの大きな特徴です。
オーナーが「いつ、どれだけ使うか」を事前に設定しておけば、日常の使い勝手を損なうことなく、電力ネットワークに参加することが可能になります。

なぜV2Gが注目されているのか?

V2Gが注目される背景には、再生可能エネルギーの普及があります。太陽光発電や風力発電は、発電量が天候や時間帯に左右されやすく、電力の需給バランスを保つことが課題となっています。
その調整役として、即座に充放電が可能な電気自動車のバッテリーは非常に相性の良い存在です。

V2Gは、電気自動車を「使われる電力消費機器」から、「電力を支えるインフラ」へと進化させる考え方と言えるでしょう。

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実証事業を支える4社の役割分担

実証事業を支える4社の役割分担

本田技研工業 電気自動車とユーザーをつなぐ中核

本実証事業の中心的な役割を担うのが、本田技研工業です。
本田技研工業は、電気自動車の充放電を制御する技術と、オーナーが操作するための専用アプリケーションの開発を担当しています。

このアプリでは、電気自動車の使用予定時間や希望する充電状態などを事前に設定することができます。これにより、オーナーが気付かないうちに電気自動車の電力が使用されている、といった事態を防ぎながら、電力ネットワークへの供給が可能になります。
電気自動車の利便性を損なわずに電力活用を行うための「ユーザー接点」を担っている点が、本田技研工業の大きな役割です。

住友電気工業 電力を束ねる技術の要

住友電気工業は、電気自動車に蓄えられた電力を「束ねて」制御する役割を担います。
個々の電気自動車が供給できる電力は限られていますが、複数台をまとめて制御することで、電力市場や電力系統から見て意味のある規模の電力リソースとして扱うことが可能になります。

このように分散した電力を集約して管理する仕組みは、アグリゲーションと呼ばれています。住友電気工業は、このアグリゲーションを支える制御技術やシステムを提供し、電気自動車が社会インフラとして機能するための基盤を整えています。

MCリテールエナジー 電力市場とつなぐ役割

MCリテールエナジーは、電力小売事業者としての立場から、この実証事業を電力市場と結び付ける役割を担っています。 電力の需給調整や市場取引は、専門的な知識と制度理解が必要な分野です。MCリテールエナジーは、アグリゲーションコーディネーターとして、電気自動車から供給される電力を市場で適切に活用する仕組みを構築しています。

これにより、単なる実験にとどまらず、将来的な事業化を見据えた実証が可能になります。電気自動車の電力が、実際にどのような価値を持つのかを検証するうえで、欠かせない存在と言えるでしょう。

ALTNA 事業として成立するかを見極める

ALTNAは、本実証事業において経済性や事業性の評価を担当します。技術的に可能であっても、コストや運用面で現実的でなければ、社会に広く普及することはできません。

ALTNAは、実証で得られるデータをもとに、電気自動車を活用した電力サービスがどの程度の価値を生み出せるのかを分析します。将来的に、電気自動車オーナーが参加しやすく、かつ持続可能なビジネスモデルを描けるかどうかを検証する役割を担っています。

4社連携が意味するもの

本実証事業は、単一の企業では成立しない取り組みです。電気自動車の制御、電力の集約、電力市場との接続、事業性評価というそれぞれの専門領域を、4社が分担することで初めて成り立っています。

この連携は、電気自動車を社会インフラとして活用するための「実装モデル」を示すものでもあります。

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なぜ今、電気自動車の電力活用が求められている?

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再生可能エネルギー普及が生んだ新たな課題

近年、日本国内では太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が着実に進んでいます。発電時に二酸化炭素を排出しない点から、脱炭素社会を実現するうえで欠かせない存在となっています。 しかし、その一方で再生可能エネルギー特有の課題も浮き彫りになっています。

再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が大きく変動します。 太陽光発電であれば昼間に発電が集中し、夜間は発電できません。風力発電も風の強さによって発電量が左右されます。このような不安定さは、電力需給のバランスを保つうえで大きな課題となります。

電力は「ためにくい」エネルギー

電力の特徴として、需要と供給を常に一致させる必要がある点が挙げられます。 発電量が需要を上回れば余剰が発生し、下回れば停電などのリスクが高まります。従来は、火力発電所の出力を調整することで、このバランスを保ってきました。

しかし、再生可能エネルギーの比率が高まるにつれて、従来型の調整手法だけでは対応が難しくなってきています。 ここで重要になるのが、「電気をためておき、必要なときに使う」という考え方です。

電気自動車が持つ潜在的な蓄電力

電気自動車は、一台ごとに大容量のバッテリーを搭載しています。 普段は走行のために使われるこのバッテリーですが、走行していない時間帯には、電力を蓄えたまま待機している状態になります。

多くの電気自動車は、一日の大半を駐車した状態で過ごしています。この「使われていない時間」を活用できれば、電気自動車は移動手段であると同時に、分散型の蓄電池として機能します。 一台一台の容量は限られていても、台数が増えれば、社会全体では非常に大きな蓄電力となります。

電気自動車活用が「今」注目される理由

再生可能エネルギーの拡大、電力需給の不安定化、そして電気自動車の普及。 これら三つの流れが重なったことで、電気自動車の電力活用は「将来の構想」ではなく、「現実的な選択肢」として注目されるようになりました。

今回の実証事業は、こうした社会的背景を踏まえ、電気自動車が本当に電力インフラの一部として機能できるのかを検証する試みです。

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電気自動車の電力活用で何が変わるのか?

電気自動車の電力活用で何が変わるのか

電気自動車オーナーにとってのメリット

電気自動車の電力を地域や電力ネットワークに活用する取り組みは、社会全体のためだけの仕組みではありません。 電気自動車を所有する個人にとっても、現実的なメリットが生まれる可能性があります。

まず挙げられるのが、電力の有効活用による経済的な価値です。 電気自動車に蓄えられた電力は、これまで走行以外には使われない「眠った資産」とも言える存在でした。V2Gの仕組みを通じて、この電力が電力需給の調整に活用されれば、その対価として報酬を得られる可能性があります。

また、充電や放電はシステムが自動で制御するため、日常の使い勝手が大きく変わるわけではありません。 電気自動車の使用予定時間や必要な充電量をあらかじめ設定しておけば、生活スタイルに支障をきたさずに参加できる点も重要なポイントです。

電気代や総保有コストへの影響

電気自動車の充放電が最適化されることで、電気代の面でもメリットが期待されます。 電力需要が低く電気料金が安い時間帯に充電し、需要が高い時間帯には電力を供給する。このような運用が実現すれば、結果として電力コストを抑えることにつながります。

電気自動車は、車両価格だけでなく、充電費用やメンテナンス費用を含めた総保有コストで考えることが重要です。 V2Gによる電力活用が広がれば、電気自動車は「維持費を抑える存在」から、「価値を生み出す存在」へと位置付けが変わる可能性があります。

地域社会にとってのメリット

電気自動車の電力活用は、地域社会にとっても大きな意味を持ちます。 地域内に点在する電気自動車が分散型の電源として機能すれば、電力需給のバランスが取りやすくなり、電力網全体の安定性が向上します。

特に、再生可能エネルギーの導入が進む地域では、発電量の変動を吸収する役割として電気自動車が活躍します。 これにより、再生可能エネルギーを無駄なく活用できる環境が整い、脱炭素社会の実現を後押しすることにつながります。

災害時や非常時のバックアップ電源

日本は自然災害が多い国であり、停電対策は重要な課題です。 電気自動車が電力供給源として機能する仕組みが整えば、災害時に地域内で電力を融通し合うことも可能になります。

個人が所有する電気自動車が、非常時には地域を支える存在になる。 この点は、単なる経済的メリットにとどまらない、電気自動車の新しい価値と言えるでしょう。

電気自動車が電力インフラの一部として機能することで、個人の選択が社会全体の利益につながる仕組みが生まれます。

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実証から社会実装へ 見えてきた課題と今後の展望

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技術的には可能でも「運用」は簡単ではない

電気自動車を電力ネットワークに活用するV2Gは、技術的にはすでに実現可能な段階にあります。 しかし、社会全体で本格的に活用していくためには、運用面でいくつかの課題が残されています。

電気自動車は個人の所有物であり、利用状況は人それぞれ異なります。 ある日は長距離を走行し、ある日はほとんど使わないといった不規則さが前提になります。そのため、どの時間帯に、どれだけの電力を供給できるのかを正確に予測することは簡単ではありません。

この課題に対しては、複数の電気自動車をまとめて制御するアグリゲーション技術や、利用実績データを活用した高度な予測が重要になります。今回の実証事業は、こうした「実際に使う段階での難しさ」を検証する意味合いも持っています。

バッテリー劣化への不安と向き合う

電気自動車オーナーがV2Gに参加する際、気になる点の一つがバッテリーの劣化です。充放電の回数が増えることで、バッテリー寿命が短くなるのではないかという不安は、多くの人が抱く疑問と言えるでしょう。

この点については、制御方法が重要になります。無理な放電や過度な充放電を避け、バッテリーに負担をかけない範囲で運用することが前提となります。実証事業では、こうした運用が実際にどの程度バッテリーに影響を与えるのかをデータとして蓄積し、客観的に評価していくことが求められます。

ユーザーが参加しやすい仕組みづくり

どれだけ社会的意義が大きくても、ユーザーにとって使いにくい仕組みでは普及は進みません。 電気自動車オーナーが意識せずとも自然に参加できること、設定や操作が分かりやすいことが重要です。

今回の実証で開発されているアプリのように、使用予定を入力するだけであとは自動で制御される仕組みは、その一つの方向性と言えるでしょう。 電気自動車を「特別なことをしなくても社会に貢献できる存在」にすることが、普及の鍵になります。

電気自動車が社会インフラになる未来

これらの課題を一つずつ乗り越えていけば、電気自動車は単なる移動手段ではなく、社会を支えるインフラの一部として位置付けられるようになります。
個人が所有する電気自動車が、結果として地域の電力安定化や再生可能エネルギーの有効活用につながる社会です。 今回の実証事業は、その未来に向けた第一歩と言えるでしょう。

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電気自動車が社会とつながる新しいかたち

電気自動車が社会とつながる新しいかたち

「所有するクルマ」から「社会を支える存在」へ

本記事で紹介してきた実証事業は、電気自動車の役割が大きく変わりつつあることを示しています。 これまで電気自動車は、移動手段としての利便性や環境性能が主な評価軸でした。しかし今後は、それに加えて「電力を蓄え、社会に還元する存在」としての価値が問われる時代に入っていきます。

個人が所有する電気自動車が、走っていない時間に地域や電力ネットワークを支える。 この考え方は、電気自動車を単なる消費財ではなく、社会インフラの一部として捉える発想の転換と言えるでしょう。

電気自動車と電力が結び付くことで生まれる可能性

電気自動車の電力活用は、再生可能エネルギーの普及や電力需給の安定化といった社会課題の解決に直結します。 同時に、電気自動車オーナーにとっても、電力を有効活用することで新たな価値を生み出す仕組みとなり得ます。

重要なのは、特別な意識や大きな負担を伴わずに参加できる点です。 日常的に電気自動車を使いながら、その裏側で社会に貢献できる。このような仕組みは、今後の電気自動車普及を後押しする要素にもなるでしょう。

電気自動車社会の次のステージへ

電気自動車は、走行性能や充電性能の進化だけで評価される時代から、社会全体との関係性で評価される段階へと進みつつあります。 電力と結び付くことで、電気自動車はより身近で、より意味のある存在へと変化していくでしょう。

今回の取り組みは、電気自動車社会の「次のステージ」を示す一例です。 今後、こうした実証の成果がどのように実装され、私たちの暮らしにどのように溶け込んでいくのか。電気自動車に関心を持つ一人として、その動向を注視していきたいところです。

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