
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、電気代の削減や停電時の安心感といった多くのメリットが得られます。一方で、導入後に「売電収入が急に減った」「思っていたほど儲からない」と戸惑う人が少なくありません。高額な設備を入れているだけに、こうした違和感は不安や後悔につながりやすいポイントです。
実はこの問題の多くは、設備そのものではなく、蓄電池の設定ミスによって起きています。本来は売電すべき電力が、意図せず蓄電池に回ってしまっているケースが非常に多いのです。
FIT期間中は「自家消費優先」が逆効果になることもある
蓄電池は、太陽光の余剰電力を貯めて自家消費を増やすための設備です。しかしFIT期間中は、この仕組みが必ずしも経済的に正解とは限りません。FIT期間中は売電単価が高く設定されているため、昼間に発電した電力は、できるだけ売電に回した方が収益性が高くなるケースが多いからです。
にもかかわらず、蓄電池が優先的に充電される設定になっていると、本来高単価で売れるはずの電力が蓄電池に吸収されてしまい、結果として売電収入が大きく減ってしまいます。設定次第では、年間で数万円単位の差が生じることも珍しくありません。
見落とされやすい蓄電池の設定ポイント
売電収入が減ってしまう背景には、蓄電池の設定が複雑で分かりにくいという問題もあります。充電上限の設定や運転モードの選択、出力制御がかかった際の挙動など、細かな設定が複数絡み合っているため、ユーザー自身が内容を把握しきれないケースが多く見られます。
さらに、施工業者が初期設定のまま引き渡してしまうことも珍しくなく、「設定を変えられること自体を知らなかった」という声も少なくありません。その結果、知らないうちに売電よりも充電が優先され、経済性を損なう運用になってしまいます。
売電収入を最大化するには設定の考え方が重要
太陽光と蓄電池を併用する場合、特にFIT期間中は「自家消費を増やすこと」と「売電収入を最大化すること」のバランスを正しく考える必要があります。すべてを蓄電池に回すのではなく、売電すべき電力と貯める電力を意識的に切り分けることで、導入効果は大きく変わります。
導入後に後悔しないために見直すべきポイント
この記事では、太陽光と蓄電池を組み合わせた際に売電収入が減ってしまう典型的な設定ミスと、その対策について分かりやすく解説します。FIT期間中に最大限の収益を得るために見直すべき設定や、選ぶべき運転モードの考え方を整理し、導入後に「知らなかった」と後悔しないためのポイントをまとめていきます。
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蓄電池が余剰電力を全て吸収してしまう設定

昼間に蓄電池を優先充電している
蓄電池の設定で、太陽光の余剰電力を蓄電池に優先的に充電するモードにしている場合、売電される電力がほとんどなくなります。FIT期間中で売電単価が高い場合、これは大きな損失です。
FIT期間中は売電優先が得
FIT期間中は売電単価が24から48円程度と高いため、余剰電力は売電した方が得です。蓄電池への充電は、深夜電力や売電後の余剰分に限定すべきです。
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蓄電池の充電上限設定が高すぎる

常に100パーセントを維持する設定
蓄電池を常に満充電に保つ設定にすると、昼間の太陽光が全て蓄電池に吸収され、売電されません。
充電上限を調整する
FIT期間中は、蓄電池の充電上限を50から70パーセント程度に抑え、残りは売電に回す設定が推奨されます。
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売電優先モードが設定されていない

自家消費優先モードのまま
多くの蓄電池には、売電優先モードと自家消費優先モードがあります。FIT期間中は売電優先モードに設定すべきですが、これを知らずに自家消費優先のままにしているケースがあります。
FIT終了後は自家消費優先に切り替え
FIT終了後は売電単価が安くなるため、自家消費優先モードに切り替えることで経済効果を最大化できます。
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出力制御時に蓄電池が充電しない設定

出力制御時こそ蓄電池に充電すべき
出力制御とは、電力会社が電力の需給バランスを保つために、太陽光発電システムへ「発電を一時的に抑えてください」と指示する仕組みです。本来なら発電していたはずの電力が“捨てられてしまう”ため、出力制御がかかると家庭の太陽光発電は大きな損失を受けます。しかし、蓄電池が出力制御時の充電に対応していれば、この“捨てるはずの電力”を蓄電池に回すことができ、損失を最小限に抑えられます。特に近年は太陽光の普及により出力制御が増えているため、この機能の有無は経済性に直結します。
設定によっては蓄電池が充電しないことがある
ところが、蓄電池の設定が「通常時のみ充電」「余剰電力のみ充電」などに固定されていると、出力制御がかかった瞬間に蓄電池が充電を停止してしまうケースがあります。これは、蓄電池が“余剰電力がない”と判断してしまうためです。結果として、本来なら蓄電池に回せたはずの電力がゼロになり、売電もできず、ただ発電を止めるだけという最も損をする状態になります。
機種によって対応が異なる
出力制御時の蓄電池充電は、すべての蓄電池が対応しているわけではありません。最新モデルでは標準対応していることが多いものの、数年前のモデルや低価格帯の蓄電池では非対応のケースもあります。また、対応していても「初期設定ではOFFになっている」「施工業者が設定していない」など、ユーザーが気づかないまま損をしていることも珍しくありません。
購入前・設置後の確認が重要
出力制御が増えている地域では、この機能の有無が年間の経済効果に大きく影響します。購入前にメーカーへ確認することはもちろん、すでに設置済みの場合でも、設定画面やアプリで“出力制御時の充電”が有効になっているかチェックすることが大切です。不明な場合は施工業者に問い合わせることで、無駄な損失を防げます。
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施工業者の設定ミス

デフォルト設定のまま引き渡し
蓄電池は多機能である一方、初期設定のままでは家庭の電力使用パターンやFIT期間の状況に最適化されていないことがよくあります。本来であれば、施工業者が設置時に「売電優先」「自家消費優先」「充電上限」「バックアップ容量」などを家庭の状況に合わせて調整するべきですが、現場では“とりあえず動く状態”のデフォルト設定のまま引き渡されるケースが少なくありません。特に、太陽光と蓄電池を同時導入した家庭では、ユーザー自身が設定の意味を理解していないことも多く、売電収入が減って初めて問題に気づくことがあります。
設置後の設定確認が重要
蓄電池は「どの時間帯に充電するか」「どこまで充電するか」「売電と自家消費のどちらを優先するか」など、経済性に直結する設定が複数あります。FIT期間中であれば売電優先モードにするべきですが、施工業者が説明を省略したり、ユーザーが理解しないまま運用を開始してしまうと、昼間の高単価売電が蓄電池に吸収されてしまい、大きな損失につながります。引き渡し時には、必ず設定画面を一緒に確認し、充電モード、充電上限、売電優先設定、出力制御時の挙動などを細かくチェックすることが大切です。
設定は後から変更できる?
蓄電池の設定は後から変更できるため、家庭の電力使用状況が変わったときやFIT終了後には、再度見直す必要があります。不明点があれば遠慮せず施工業者に質問し、最適な設定を維持することで、太陽光と蓄電池のメリットを最大限に引き出せます。
まとめ:FIT期間中は売電優先設定が基本
太陽光と蓄電池を併用した際に売電収入が減る原因の多くは、蓄電池の設定がFIT期間の運用に合っていないことにあります。特に、昼間の余剰電力を蓄電池に優先的に充電する設定や、充電上限を100%に固定してしまう設定は、売電すべき電力を吸収してしまい、収益を大きく下げる要因になります。FIT期間中は売電単価が高いため、蓄電池の役割は「夜間の自家消費補助」に限定し、昼間は売電を優先することが経済的に最も合理的です。
また、売電優先モードに切り替えていない、出力制御時に蓄電池が充電しない設定になっている、施工業者がデフォルト設定のまま引き渡している──こうした“気づきにくい設定ミス”も売電収入の低下につながります。蓄電池は高価な設備であり、設定ひとつで年間の収益が大きく変わるため、導入時の設定確認と定期的な見直しは必須です。
FIT終了後は売電単価が大幅に下がるため、自家消費優先モードに切り替えることで蓄電池のメリットを最大化できます。つまり、太陽光と蓄電池の最適な運用は「FIT期間中」と「FIT終了後」で大きく異なるということです。
設定を正しく理解し、家庭の電力使用パターンに合わせて調整することで、太陽光と蓄電池のメリットを最大限に引き出すことができます。
なお、本記事の内容は一般的な情報に基づいています。蓄電池の機種や契約内容によって最適な設定は異なります。詳しくは施工業者やメーカーにご確認ください。
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太陽光+蓄電池で売電収入下落|よくある質問
Q1: FIT期間中でも蓄電池を使った方が良いケースはありますか?
停電対策を重視する場合や、売電単価より買電単価が高い場合は蓄電池を活用するメリットがあります。ただし、経済性だけで考えるとFIT期間中は売電優先が得です。
Q2: 売電優先モードに設定すると蓄電池の意味がないのでは?
売電後の余剰分や深夜電力で充電し、夜間に使うことで電気代を削減できます。また、停電時のバックアップとしても機能します。
Q3: FIT終了のタイミングで設定を変更すべきですか?
FIT終了後は売電単価が大幅に下がるため、自家消費優先モードに切り替えることで経済効果を高められます。
Q4: 蓄電池の設定は自分で変更できますか?
機種によりますが、多くは専用アプリや設定画面から変更可能です。ただし、複雑な設定は業者に依頼する方が安心です。
Q5: 出力制御時の蓄電池充電に対応している機種はどれですか?
最近の機種は対応していることが多いです。購入前にメーカーに確認しましょう。
Q6: 売電収入が減った原因を確認する方法は?
蓄電池のモニターやアプリで充電・放電履歴を確認し、昼間に大量充電されていないか確認しましょう。不明な場合は施工業者に相談してください。
Q7: FIT期間中でも蓄電池を昼間に使うメリットはありますか?
基本的には売電優先が得ですが、停電対策を重視する家庭や、昼間の買電が多い場合は蓄電池を活用するメリットがあります。ただし、経済性だけで見るなら昼間の充電は避けるべきです。
Q8: 売電優先モードにしても蓄電池が勝手に充電されることはありますか?
あります。機種によっては、最低限のバックアップ容量を確保するために自動で充電する仕様があります。設定画面でバックアップ容量を確認しましょう。
Q9: 蓄電池の充電上限を下げると停電時に不安ではありませんか?
停電対策を重視する場合は、バックアップ専用の容量を確保できる機種を選ぶと安心です。通常時は上限を下げ、停電時のみ深く使える設定が可能なモデルもあります。
Q10: 売電収入が減った原因を自分で特定できますか?
蓄電池アプリの充放電履歴を確認すれば、昼間にどれだけ充電されているかが分かります。原因が特定できない場合は、施工業者に設定の再確認を依頼するのが確実です。


























