EVの電気代は本当に安い?夜間電力値上げで変わるEV充電とランニングコスト

投稿日: 2026年08月19日

EVの電気代は本当に安い?夜間電力値上げで変わるEV充電とランニングコスト

電気自動車(EV)を購入する際、多くの人はランニングコストの安さに魅力を感じます。販売時のシミュレーションでも、「夜間電力プランを使えば、充電コストは月2,000円程度です」と説明されることが少なくありません。例えば、夜間電力単価が1kWhあたり12円で、月に1,000km走行すると約167kWhの電力が必要だとします。

この場合、167kWh × 12円で約2,000円という計算になり、「ガソリン代よりかなり安い」と納得しやすくなります。EVの経済性を実感するきっかけとして、この数字は非常に分かりやすいものです。

数年後に届く「夜間料金改定」の通知

ところが、電気自動車(EV)を使い始めてしばらくすると、その前提が変わることがあります。ある日、電力会社から「夜間料金単価改定のお知らせ」が届き、これまで12円だった夜間電力単価が18円に上がる。

こうした変化が現実に起こると、EVのランニングコストに対する見え方も一気に変わります。同じ走行距離、同じ充電量であっても、電気料金が上がれば当然ながら毎月の充電コストも増えます。これまで月2,000円程度だったものが、月3,000円前後になることもあり、年間では1万円以上の差になるケースもあります。

電気自動車(EV)のランニングコストは「固定」ではない

このとき初めて、多くのEVユーザーは気づきます。EVのランニングコストは、購入時に見たシミュレーションのまま固定されるものではなく、電気料金の影響を大きく受けるという事実です。

ガソリン車であれば、ガソリン価格の変動がコストに直結することは広く知られています。一方でEVは、「電気だから安定して安い」というイメージを持たれがちです。しかし実際には、電気料金もまた変動するものであり、特に夜間充電を前提にしている家庭ほど、その影響を受けやすくなります。

夜間充電前提の家庭ほど変化を強く感じる

夜間電力プランを活用している家庭では、EVの充電コストを「夜に安く充電すること」で最適化しています。そのため、夜間料金の値上がりは、そのまま想定していた経済メリットの縮小につながります。

つまりこれは、単なる値上げの問題ではなく、「夜間充電なら安い」というEV運用の前提が揺らぐ出来事でもあります。夜間充電を基本にしてきた家庭ほど、その変化を強く実感しやすいのです。

夜間電力の値上がりによってEVのランニングコストを改めて意識するようになる理由と、その背景にある夜間充電前提の家庭ならではの変化について詳しく解説します。EVの維持費は本当にどこまで安いのか、そして今後どう考えるべきかを整理していきます。

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「夜間電力は安い」という前提が崩れる

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「夜間12円」の時代は終わった

EV購入時、多くの人が「夜間電力プラン」に加入します。深夜1時〜7時の電力単価が12〜15円程度と安く、EV充電に最適だからです。しかし、近年の燃料費高騰や電力需給逼迫により、夜間電力単価も値上がりしています。

かつて12円だった夜間単価が、18円、20円と上昇している電力会社もあります。この値上がりにより、「夜間電力は圧倒的に安い」という前提が崩れつつあります。値上がり後も昼間より安いことは確かですが、差が縮まっており、メリットが減少しています。

「燃料費調整額」の影響

電気料金には「燃料費調整額」が上乗せされます。これは、火力発電の燃料(石油、ガス、石炭)の価格変動を電気料金に反映する仕組みです。

燃料費が上がると、電気料金も上がります。燃料費調整額は、夜間・昼間問わず全体にかかるため、夜間電力も影響を受けます。

近年、燃料費が高騰し、燃料費調整額が大幅に上がったため、夜間電力の実質単価が20円を超えることもあります。この「見えにくいコスト増」が、EVのランニングコストを押し上げています。

「再エネ賦課金」も上昇

電気料金には「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」も含まれます。これは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及を支援するための費用です。

再エネ賦課金は年々上昇しており、2023年には1kWhあたり3円程度になっています。これも夜間電力に上乗せされるため、実質的な充電コストが増加します。夜間単価15円 + 燃料費調整額3円 + 再エネ賦課金3円 = 実質21円、といった具合です。

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「月2,000円」から「月3,000円超」へ

「月2,000円」から「月3,000円超」へ

「シミュレーション通りにならない」

EV購入時のシミュレーションでは、「月2,000円で1,000km走れる」と説明されました。しかし、実際には月3,000〜3,500円かかっています。この差額1,000〜1,500円は、年間で12,000〜18,000円の増加です。

5年間で6〜9万円の差になります。「シミュレーション通りにならない」という失望感が、EV購入への後悔につながることもあります。ただし、ガソリン代と比較すれば、依然としてEVの方が安いことが多いです。

「ガソリン代との差が縮まる」

EV購入の大きな動機の一つが「燃料費削減」です。ガソリン代が月10,000円だったのが、EVなら2,000円で済む——この差額8,000円が魅力でした。しかし、夜間電力が値上がりし、充電コストが3,500円になると、差額は6,500円に縮まります。

さらに、ガソリン価格が下がれば(例:月8,000円)、差額は4,500円になります。この「差額の縮小」が、EVの経済的メリットを実感しにくくさせます。

「電気料金の変動リスク」

ガソリン価格も変動しますが、電気料金も同様に変動します。EVユーザーは、この「電気料金の変動リスク」にさらされています。燃料費が上がれば電気料金も上がり、充電コストが増加します。

また、電力会社の料金プラン改定により、夜間単価が突然値上げされることもあります。この予測不可能な変動が、電気自動車(EV)のランニングコストを不安定にします。ガソリン価格は全国ほぼ一律ですが、電気料金は電力会社や契約プランによって大きく異なるため、比較が難しいのも問題です。

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「昼間充電」という選択肢を考え始める

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「太陽光がある家は昼間充電が有利

太陽光発電を設置している家庭では、昼間に太陽光の電力でEVを充電すれば、電気代がかかりません(自家消費)。夜間電力が18円/kWhなら、昼間の太陽光充電で月3,000円の充電コストをゼロにできます。

この「昼間充電」という選択肢が、夜間電力値上がりによって魅力的になります。ただし、昼間に自宅にいる必要があるため、在宅勤務や専業主婦(夫)の家庭に限られます。

「夜間プランを解約する」判断

夜間電力プランは、夜間単価が安い代わりに、昼間単価が高く設定されています。夜間18円、昼間35円、といった具合です。もし太陽光で昼間の電力をまかなえるなら、夜間プランを解約し、通常プラン(昼夜同一単価25円程度)に戻す方が得なこともあります。

夜間充電をやめ、昼間の太陽光充電に切り替えることで、トータルの電気代を削減できる可能性があります。この判断には、シミュレーションが必要です。

「太陽光がない家は不利」

太陽光発電がない家庭では、昼間充電という選択肢がありません。夜間電力が値上がりしても、それを受け入れるしかありません。この「太陽光の有無による格差」が、EVユーザー間で広がっています。

太陽光がある家庭はEV充電コストをゼロにできるのに、太陽光がない家庭は値上がりした夜間電力を払い続ける——この不公平感が、太陽光設置への動機になることもあります。

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「ランニングコスト」の再計算

「ランニングコストの再計算」

「5年間のトータルコスト」

EV購入時、5年間のトータルコストを計算していたはずです。車両価格、充電コスト、車検、保険——これらを合計し、ガソリン車と比較していました。しかし、夜間電力が値上がりすると、このシミュレーションが狂います。充電コストが年間36,000円(月3,000円)になると、5年で18万円です。

当初の見積もりが年間24,000円(月2,000円)、5年で12万円だったとすると、6万円の誤差が生じます。この誤差を織り込んで、再計算する必要があります。

「それでもガソリン車より安い」

夜間電力が値上がりしても、多くの場合、EVの方がガソリン車よりランニングコストは安いです。ガソリン価格が170円/L、燃費15km/Lなら、月1,000km走行で約11,300円かかります。

EVが月3,500円なら、差額は7,800円、年間で93,600円の節約です。5年で約47万円の節約になります。この「それでもガソリン車より安い」という事実を再確認することで、EVへの満足度を保てます。

「電力会社を乗り換える」選択肢

電力自由化により、電力会社を選べる時代です。夜間電力が値上がりした電力会社から、より安いプランを提供する電力会社に乗り換えることも検討できます。

新電力会社の中には、EV向けの特別プランを提供しているところもあります。乗り換えには手続きが必要ですが、年間で数千円〜1万円以上の節約になることもあります。定期的にプランを見直し、最適な電力会社を選ぶことが、ランニングコスト削減の鍵です。


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まとめ:電気料金変動は「EVの宿命」

電気自動車(EV)のランニングコストは「夜間電力を使えば安くなる」という前提で語られることが多くあります。実際、EV購入時のシミュレーションでも、夜間の安い電気料金を前提に充電コストが計算されるケースが一般的です。

しかし近年は、燃料費の上昇や再エネ賦課金の増加、電力会社の料金改定などの影響により、夜間電力の単価も徐々に上昇しています。これまでの前提が変わり始めていることに気づき、EVのランニングコストを改めて見直す人も増えています。

充電コストは月2,000円から3,000円超へ

夜間電力の値上がりによって、EVの充電コストにも変化が生じています。以前は月2,000円程度で収まっていた家庭でも、最近では月3,000円以上かかるケースも珍しくありません。

もちろんガソリン代と比べれば依然として安い場合が多いものの、「想定していたより安くない」と感じるEVユーザーも出てきています。

昼間充電という選択肢を考え始める家庭も

こうした状況を受けて、一部の家庭では充電方法を見直す動きも出ています。特に太陽光発電を導入している家庭では、夜間ではなく昼間に充電する方が合理的になる場合があります。

自家発電した電力をそのままEV充電に使うことで、電力会社から購入する電気を減らすことができるためです。このように、充電スタイル自体を見直すことも一つの対策になります。

EVランニングコストは定期的な見直しが必要

EV購入時に作ったランニングコストの試算は、数年後には状況が変わっていることもあります。電気料金は固定ではなく、社会情勢やエネルギー市場の影響を受けて変動するためです。

そのため、EVユーザーは定期的に電気料金や充電コストを確認し、自分の充電スタイルが最適かどうかを見直すことが重要になります。

それでもEVはガソリン車より経済的な場合が多い

夜間電力が値上がりしたとしても、多くの場合はガソリン車よりEVの方がランニングコストは低くなる傾向があります。さらに、太陽光発電を活用した昼間充電や、電力会社のプラン変更によってコストを抑えることも可能です。

電気料金の変動はEVユーザーにとって避けられない要素ですが、充電方法や電力契約を柔軟に見直すことで、EVのメリットを最大限に活かすことができます。電気代の変化に対応しながら、自分に合ったEV運用を続けていくことが大切です。

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EVランニングコスト|よくある質問(Q&A)

Q1: 夜間電力の値上がりは、どのくらいですか?

夜間電力の値上がり幅は、電力会社や時期によって異なりますが、近年では30〜50%程度値上がりしているケースがあります。たとえば、夜間単価が12円から18円になると50%の値上がりです。燃料費調整額や再エネ賦課金を含めると、実質単価が20円を超えることもあります。自分の契約している電力会社の料金改定情報を定期的に確認しましょう。

Q2: 夜間電力が値上がりしても、EVの方がガソリン車より安いですか?

はい、多くの場合、EVの方が安いです。夜間電力が20円/kWhになっても、月1,000km走行で約3,300円です。ガソリン車が燃費15km/L、ガソリン価格170円/Lなら、月約11,300円かかります。差額は8,000円、年間で96,000円の節約です。ただし、ガソリン価格が大幅に下がったり、電気料金がさらに上がったりすれば、差額は縮まります。

Q3: 太陽光がある家庭は、昼間充電に切り替えるべきですか?

太陽光がある家庭で、昼間に自宅にいることが多いなら、昼間充電に切り替えることをおすすめします。太陽光の電力でEVを充電すれば、充電コストがゼロになります。ただし、昼間に外出していることが多い場合は、昼間充電は難しいです。また、夜間プランを解約すると、夜間の家庭用電力も高くなるため、トータルで得かどうかをシミュレーションする必要があります。

Q4: 電力会社を乗り換えると、どのくらい節約できますか?

電力会社の乗り換えによる節約額は、現在の契約と乗り換え先のプランによって異なりますが、年間で数千円〜1万円以上節約できることがあります。EV向けの特別プランを提供している新電力会社もあり、夜間単価が安く設定されていることがあります。複数の電力会社のプランを比較し、最適なものを選びましょう。

Q5: 夜間電力が値上がりした場合、EVを手放すべきですか?

いいえ、夜間電力が値上がりしても、EVを手放す必要はありません。EVのメリットは、燃料費削減だけではなく、静粛性、加速性能、環境性能など多岐にわたります。また、夜間電力が値上がりしても、依然としてガソリン車よりランニングコストは安いことが多いです。太陽光充電や電力会社の乗り換えなど、コスト削減の工夫をすることで、EVのメリットを維持できます。

Q6: 今後、夜間電力はさらに値上がりしますか?

今後の夜間電力の動向は、燃料費、電力需給、政策などによって変わります。燃料費が高騰すれば値上がりし、再生可能エネルギーが普及すれば安定する可能性もあります。ただし、短期的には値上がり傾向が続く可能性があります。電気料金の動向を定期的にチェックし、必要に応じてプランを見直すことをおすすめします。

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執筆・監修者:エコ発電本舗 太陽光・蓄電池・V2H専門チーム

 執筆・監修者:エコ発電本舗 太陽光・蓄電池・V2H専門チーム 
本記事は、太陽光発電・蓄電池・V2Hの施工・販売に携わる専門チームが執筆・監修しています。各メーカーの施工ID保有者やMBA、宅地建物取引士などの有資格者が、豊富な施工実績と最新の業界情報をもとに、信頼性の高い情報をわかりやすく解説いたします。

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