PHEVの「シリーズ方式」と「パラレル方式」

投稿日:2026年05月25日

PHEVの「シリーズ方式」と「パラレル方式」

PHEV(プラグインハイブリッド車)は、エンジンとモーターを組み合わせて走行する車ですが、その仕組みには大きく「シリーズ方式」と「パラレル方式」の2種類があります。どちらも電気とガソリンを活用する点は共通していますが、エンジンがどのように使われるかに大きな違いがあります。

シリーズ方式はモーター主体、パラレル方式はエンジンとモーターを状況によって使い分ける構造です。この違いによって、走行フィールや燃費特性、高速走行時の効率なども変わってきます。

エンジンとモーターの役割が大きく異なる

シリーズ方式では、エンジンは主に発電専用として使われ、タイヤは基本的にモーターで駆動されます。そのため、走りの感覚はEVに近く、静かで滑らかな加速が特徴です。

一方、パラレル方式ではエンジンも直接タイヤを駆動できるため、高速道路などではエンジン主体で効率よく走行できます。低速ではモーター、高速ではエンジンを活用するなど、状況に応じて役割を切り替える点が特徴です。同じPHEVでも、駆動方式によって“走り方”そのものが変わります。

燃費や電費にも違いが現れる

シリーズ方式は、市街地や渋滞など低速走行が多い環境で強みを発揮します。モーター主体で走る時間が長く、回生ブレーキによるエネルギー回収もしやすいため、街乗り中心では高い電費性能を期待できます。

一方、パラレル方式は高速走行時の燃費効率に優れており、長距離移動との相性が良いのが特徴です。高速域ではエンジンの効率が高まり、モーターとの協調制御によって燃料消費を抑えやすくなります。どちらが有利かは、普段の走行環境によって変わります。

自分の使い方に合う方式を選ぶことが重要

PHEVを選ぶ際は、「シリーズ方式」「パラレル方式」の違いを理解したうえで、自分の使い方に合うかを考えることが大切です。通勤や買い物など短距離移動が中心で、EVらしい静かな走りを重視するならシリーズ方式が向いています。

一方、高速道路を使う機会が多く、長距離移動を重視するならパラレル方式の効率性が魅力になります。最近では両方式を組み合わせた“複合方式”も増えており、より幅広いシーンへ対応できるPHEVも登場しています。

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EVの「シリーズ方式」とは?

EVの「シリーズ方式」とは何か?

エンジンは発電のみに使いモーターだけで走行する

シリーズ方式は、エンジンを発電機として使用し、発生した電力でモーターを駆動して走行する仕組みです。タイヤはモーターだけで駆動され、エンジンが直接タイヤを動かすことはありません。日産のe-POWER・三菱のアウトランダーPHEV(シリーズモード時)・マツダのMX-30 R-EVなどが採用しています。

シリーズ方式の最大の特徴は、常にモーター駆動であるため走行フィールがEVに近く、エンジン音や振動が少ない点です。エ

ンジンはバッテリー残量が低くなると発電を開始し、バッテリーを補充しながらモーター走行を継続します。街中の低速走行や渋滞時はバッテリー電力のみで走り、エンジンが稼働しないため非常に静かで滑らかな走行が可能です。

エンジンの発電効率が高い回転域で制御できるのがシリーズの強み

シリーズ方式では、エンジンが発電機として動作するため、エンジンは常に最も燃費効率の良い回転域で稼働させることができます。ガソリン車やパラレルHVではエンジンを走行速度・負荷に合わせて幅広い回転域で使う必要がありますが、シリーズ方式では発電に最適な一定の回転域で動かせるため、エンジンの熱効率を最大化できます。

ただし電力をモーターに変換する際の変換ロスが生じるため、高速道路での長距離走行では変換効率の分だけパラレル方式よりやや燃費が不利になることがあります。シリーズ方式は市街地・低速走行が多い使い方に特に向いています。

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EVの「パラレル方式」とは?

EVの「パラレル方式」とは何か?

エンジンとモーターがどちらもタイヤを直接駆動できる

パラレル方式は、エンジンとモーターの両方がタイヤを直接駆動できる構造です。走行状況に応じてエンジンのみ・モーターのみ・エンジンとモーターの協調駆動を使い分けます。

トヨタのPHEVシステム(THS II プラグインハイブリッド)・ホンダのe:PHEV・BMWのPHEVシステムなどが代表的なパラレル(またはシリーズ・パラレル複合)方式を採用しています。

パラレル方式の特徴はエンジンが直接タイヤを駆動できるため、高速道路など高速走行時の燃費効率が高い点です。エンジンの動力をそのまま走行に使えるため変換ロスが少なく、高速域でのエネルギー効率はシリーズ方式より有利になります。

高速走行ではエンジン主体・低速ではモーター主体に切り替わる

パラレル方式では走行条件に応じた自動的な駆動切り替えが行われます。低速・市街地走行ではモーターのみで走行するEVモードが使われ、静粛性と電費効率を重視した走行が可能です。

加速時や高速走行時はエンジンが加わりエンジン主体または協調駆動に切り替わります。バッテリー残量が少ない場合はエンジン主体で走行しながらモーターが補助します。この切り替えはコンピューターが自動で最適化するため、ドライバーが意識することなく効率的な走行が実現します。

シリーズ方式のようなモーター駆動の一貫性はありませんが、走行シーンに合わせた柔軟な駆動配分がパラレル方式の強みです。

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EVの「シリーズ方式」「パラレル方式」走行特性の比較

EVの「シリーズ」「パラレル」走行特性の比較

市街地・低速走行はシリーズ方式が有利

市街地での低速走行・渋滞・頻繁な停発進が多い使い方では、シリーズ方式の方が電費・快適性の面で優れる傾向があります。

常にモーター駆動であるため発進加速がスムーズで静粛性が高く、エンジンが停止しているときは完全なEV走行感を得られます。

また回生ブレーキによるエネルギー回収効率が高く、市街地での電費が良好です。バッテリー残量がある限りエンジンが介入しないため、通勤など短距離の日常使いでEVとして使い切る用途ではシリーズ方式のPHEVが使いやすいといえます。

高速・長距離走行はパラレル方式が効率面で優位

高速道路での長距離走行が多い使い方では、パラレル方式が燃費効率の面で有利になります。エンジンが直接タイヤを駆動できるパラレル方式は、高速走行時に発電・変換というシリーズ特有のロスが発生しないためエネルギー効率が高くなります。

バッテリーを使い切った後のHVモード(ガソリン走行)での燃費も、シリーズ方式は発電効率の制約を受けるのに対し、パラレル方式は直接駆動のメリットが出やすいです。出張・旅行など長距離を頻繁に走る方には、パラレル方式のPHEVが総合的な燃費で向いています。

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EVのシリーズ・パラレル複合方式とは?

EVのシリーズ・パラレル複合方式とは?

両方式を組み合わせたシステムが主流になっている

現代の多くのPHEVは「シリーズ・パラレル複合方式(スプリット方式)」を採用しており、走行条件に応じてシリーズとパラレルの両方の動作モードを使い分けます。

トヨタのTHSII(トヨタハイブリッドシステム)をベースにしたPHEVが典型例で、低速ではシリーズ的なEV走行、高速ではパラレル的なエンジン直結走行に切り替えることで両方式のメリットを活かします。この複合方式は市街地から高速走行まで幅広い走行環境で高効率を維持できるオールラウンドな設計ですが、システムの複雑さとコストが上がるというデメリットもあります。

購入時には「シリーズ専用か、パラレルとの複合か」を確認することが、自分の使い方に合ったPHEV選びの重要なポイントです。

EVモードの航続距離も方式によって考え方が変わる

PHEVのEVモード航続距離は、シリーズ方式とパラレル方式で意味合いが少し異なります。シリーズ方式では常にモーター駆動のため、EVモードの走行感は純粋なEVと同じです。

パラレル方式では「EVモード中でも高速加速時はエンジンが介入することがある」という製品もあり、厳密なEV走行距離の考え方がシリーズと異なる場合があります。日常の通勤や買い物がEVモードの航続距離内で収まるかどうかを確認するうえで、どちらの方式かを把握しておくことが実際の電費コスト計算の精度を高めます。


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まとめ:使い方に合わせてシリーズかパラレルを選ぶ

シリーズ方式は“EVらしい走り”を重視した仕組み

シリーズ方式のPHEVは、基本的にモーターだけでタイヤを駆動するため、EVに近い滑らかな走行フィールが特徴です。発進時の静粛性が高く、加速もスムーズなため、市街地走行や短距離移動との相性が良い方式と言えます。

特に通勤や買い物など、低速域を中心に使う場面では快適性を感じやすく、エンジン音や振動を抑えた走行が可能です。渋滞時やストップ&ゴーの多い環境でもモーター主体で走行しやすく、“EV感覚”を重視したい方に向いています。

パラレル方式は高速走行時の効率に強みがある

パラレル方式は、モーターだけでなくエンジンも直接タイヤを駆動できる点が特徴です。そのため、高速道路や長距離移動ではエネルギー変換ロスが少なく、燃費効率を高めやすいメリットがあります。

低速ではモーター主体、高速ではエンジン主体へ切り替わることで、幅広い走行シーンに対応できる構成になっています。特に出張や旅行など、高速道路を使う機会が多い方には相性が良く、「電動化」と「長距離性能」のバランスを重視したいユーザーに適した方式です。

現在のPHEVは“複合方式”が主流になりつつある

近年のPHEVは、シリーズ方式とパラレル方式の両方を組み合わせた“シリーズ・パラレル複合方式”を採用するケースが増えています。低速域ではEVのようなモーター走行、高速域ではエンジン直結による高効率走行を使い分けることで、それぞれの長所を活かす設計です。

トヨタやホンダなどの最新PHEVも、この複合制御を採用するモデルが多くなっています。市街地から高速道路まで幅広く対応しやすく、1台でさまざまな使い方をしたい方にとって、バランスの良い選択肢と言えるでしょう。

PHEVは“使い方”で選ぶことが重要

PHEV選びでは、「どの方式が優れているか」ではなく、「自分の使い方に合っているか」を考えることが重要です。日常の近距離移動が中心で、EVらしい静かな走りを重視するならシリーズ方式が向いています。一方で、高速道路での長距離移動が多い方は、パラレル方式の効率性がメリットになりやすいです。また、現在は複合方式も増えているため、カタログ上のEV航続距離だけでなく、普段の走行環境や充電スタイルまで含めて比較することが、満足度の高いPHEV選びにつながります。

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PHEVの「シリーズ方式」と「パラレル方式」は何が違う?Q&A よくある質問

Q1. シリーズ方式のPHEVはバッテリーを使い切ったらどうなりますか?

シリーズ方式のPHEVはバッテリー残量が一定レベルを下回ると、エンジンが稼働して発電を開始し、その電力でモーター走行を継続します。エンジンが発電しながら走行するため、ガソリンがある限り走行を続けることができます。

ただし、エンジンが発電しながらモーターを動かすエネルギー変換のロスが生じるため、バッテリー走行時と比べて燃費(電費)は悪化します。長距離ドライブでバッテリーを使い切った後のシリーズ方式の燃費は、一般的にリッター15〜20km程度になるケースが多いですが、車種や走行条件によって大きく異なります。

Q2. PHEVはEVと比べてどのくらい充電の頻度が違いますか?

PHEVのEVモード航続距離は車種によって異なりますが、現在市販されているPHEVの多くは50〜100km程度です。日常の通勤や買い物が片道30km以内であれば、毎晩自宅で充電するだけでほぼEVとして使えます。EV走行距離を超えた場合はエンジンが補完するため、充電を忘れても困らない安心感があります。

一方、純粋なEVは200〜600km以上の航続距離を持つ製品が多く、日常使いでは2〜3日に1回の充電で十分なケースも多いです。PHEVは充電頻度よりも「充電を忘れても問題ない」というガソリンバックアップの安心感が最大のメリットです。

Q3. シリーズ方式とパラレル方式はカタログのどこで確認できますか?

カタログや公式ウェブサイトの「システム概要」「パワートレーン」「ハイブリッドシステム説明」などのページに記載されていることが多いですが、「シリーズ」「パラレル」という言葉が明記されずにメーカー独自の名称(e-POWER、THS II、e:PHEVなど)で説明されているケースが多いです。

カタログを読んでもわからない場合はディーラーの担当者に「エンジンは走行に直接使われますか、発電だけですか?」と質問するのが最も確実な確認方法です。この質問への答えで、シリーズ(発電のみ)かパラレル(走行にも使用)かを判断できます。

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