
電気自動車(EV)を購入してから、さまざまな速度で走行しながら電費を観察していると、速度によって数値が大きく変わることに気づきます。たとえば市街地で時速40km前後で走行した場合は、電費が6.5km/kWh程度と比較的良好です。
一方、高速道路で時速100km前後まで上げると、電費は4.5km/kWh程度まで悪化することがあります。この違いから、「高速走行は電費が悪い」ということは感覚的にも理解しやすいものです。
では一番電費が良いのは何km/hなのか?
高速道路で電費が悪化することは分かっても、では逆に「最も電費が良い速度は何km/hなのか」という疑問が出てきます。ゆっくり走れば走るほど電費が良くなるようにも思えますが、実際にはそう単純ではありません。
低速すぎると走行時間が長くなり、補機類の電力消費の影響が大きくなる可能性もあります。そのため、本当に効率が良い速度帯を知るには、感覚ではなく実際に比較する必要があります。
速度だけを変えて最適な電費を比較検証
この疑問を明らかにするため、今回は時速30km、40km、50km、60km、70km、80kmという複数の速度帯で、それぞれ10kmずつ走行し、電費を比較する検証を行いました。
同じルートを使い、なるべく同じ条件で走行しながら、速度だけを変えることで、どの速度帯が最も電費に優れているのかを確認するのが目的です。条件をそろえて比較することで、EVにとって本当に効率の良い巡航速度が見えてきます。
電気自動車(EV)は低速走行と中速巡航のどちらが一番電費に優れているのかという疑問に対し、実際の比較データをもとに詳しく解説します。あわせて、なぜその速度帯で電費が良くなるのか、低速と中速で何が違うのか、さらに日常運転でどう活かせるのかまでわかりやすく整理していきます。最適な速度帯を理解することで、EVの電費をより効率よく改善できるようになります。
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比較方法:速度別に10kmずつEVを走行して電費を測定

走行ルートと測定条件を統一した
比較は、交通量が少ない郊外の直線道路で実施しました。信号がほとんどなく、一定速度で巡航できる道路です。全長10kmの区間を、時速30km、40km、50km、60km、70km、80kmで走行しました。
各速度で、エアコン設定、運転モード(エコモード)を統一しました。外気温は25度前後の春季に実施し、暖房や冷房の影響を最小限にしました。各速度での走行は、3回ずつ実施し、平均値を取りました。風の影響を考慮し、往路と復路の両方で測定し、平均値を使用しました。
クルーズコントロールを使用して速度を一定に保った
速度を一定に保つため、クルーズコントロール機能を使用しました。クルーズコントロールにより、アクセルペダルの操作による誤差を排除できます。各速度で、クルーズコントロールを設定し、10km区間を走行しました。
走行中は、アクセルやブレーキの操作を一切行いませんでした。これにより、純粋に速度だけの影響を測定できました。ただし、時速30kmと40kmは、クルーズコントロールが作動しない速度域のため、アクセルペダルを一定に保つよう注意しました。
消費電力量と所要時間から電費を算出した
各速度での走行後、消費電力量(kWh)と所要時間(分)を記録しました。10km区間の消費電力量を10で割ることで、電費(km/kWh)を算出しました。
たとえば、10km走行で1.5kWh消費した場合、電費は6.7km/kWhです。また、所要時間も記録し、速度と電費のトレードオフを評価しました。速度が速いほど、所要時間が短くなりますが、電費が悪化します。速度と電費のバランスを考慮した最適速度を見つけることが目的でした。
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比較結果:時速50〜60kmが最も電費が良い

時速50kmで電費7.1km/kWhが最高値
比較の結果、時速50kmで電費が最も良く、7.1km/kWhでした。
時速40kmは6.8km/kWh、時速60kmは7.0km/kWhで、時速50km前後が最適速度帯です。
時速30kmは6.2km/kWhで、意外にも電費が悪かったです。
時速70kmは6.5km/kWh、時速80kmは5.3km/kWhと、速度が上がるほど電費が悪化しました。
時速50〜60kmの速度帯が、EVにとって最も効率的な速度です。この速度帯では、空気抵抗がまだ小さく、モーター効率が高いです。
時速30kmは補機の消費電力比率が高く電費が悪い
時速30kmの電費が意外に悪かった理由は、補機(エアコン、ライト、オーディオなど)の消費電力比率が高いためです。時速30kmで10km走行すると、所要時間は20分です。
補機の消費電力は0.3〜0.5kW程度で、20分間で0.1〜0.17kWh消費します。一方、走行の消費電力は0.5〜0.7kW程度で、20分間で0.17〜0.23kWh消費します。補機が全体の消費電力の30〜40%を占めます。時速50kmなら、所要時間は12分で、補機の影響が小さくなります。低速走行では、補機の影響が大きく、電費が悪化します。
時速80kmは空気抵抗が急増して電費が大幅に悪化
時速80kmの電費が大幅に悪化した理由は、空気抵抗が急増するためです。空気抵抗は、速度の2乗に比例します。時速80kmは、時速50kmと比べて速度が1.6倍ですが、空気抵抗は2.56倍になります。
空気抵抗が増加すると、同じ距離を走るために多くのエネルギーが必要になります。時速80kmで10km走行すると、消費電力が1.9kWh程度で、電費は5.3km/kWhです。時速50kmなら、消費電力が1.4kWh程度で、電費は7.1km/kWhです。高速走行は、空気抵抗により電費が大幅に悪化します。
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EVの最適速度帯の特徴

時速50〜60kmは空気抵抗がまだ小さい
時速50〜60kmは、空気抵抗がまだ小さい速度帯です。空気抵抗は、時速60km程度までは緩やかに増加しますが、時速70km以上になると急激に増加します。
時速50kmの空気抵抗を基準とすると、時速60kmは約1.4倍、時速70kmは約1.9倍、時速80kmは約2.6倍です。
時速50〜60kmなら、空気抵抗の増加が穏やかで、電費への影響が小さいです。
一方、時速70km以上になると、空気抵抗が急増し、電費が大幅に悪化します。空気抵抗を抑えることが、電費向上の鍵です。
時速50〜60kmはモーター効率が高い
時速50〜60kmは、モーター効率が高い速度帯です。EVのモーターは、中速域で効率が最大化されます。低速では、モーターの回転数が低く、効率がやや低下します。高速では、モーターの回転数が高くなり、効率がやや低下します。時速50〜60kmは、モーターの回転数が適度で、効率が最も高いです。モーター効率が高いと、同じ電力でより多くの駆動力を得られます。モーター効率の最適化が、電費向上につながります。
時速50〜60kmは所要時間と電費のバランスが良い
時速50〜60kmは、所要時間と電費のバランスが良い速度帯です。
時速30kmは電費が良いですが、所要時間が長すぎます(10kmで20分)。
時速80kmは所要時間が短いですが(10kmで7.5分)、電費が悪すぎます。
時速50kmなら、所要時間は12分で、電費は7.1km/kWhです。
時速60kmなら、所要時間は10分で、電費は7.0km/kWhです。所要時間と電費のバランスを考えると、時速50〜60kmが最適です。実用性と経済性を両立できる速度帯です。
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EV運用の実用的な解決策

一般道では時速50〜60kmを維持する
一般道では、可能な限り時速50〜60kmを維持することをおすすめします。信号や交通状況により、常にこの速度を維持するのは難しいですが、意識的にこの速度帯で走行することで、電費を改善できます。
制限速度が60kmの道路なら、時速55〜60km程度で巡航します。制限速度が50kmの道路なら、時速50km程度で巡航します。急加速や急減速を避け、滑らかに加減速することも重要です。一般道での電費を最大化するには、時速50〜60kmの維持が鍵です。
高速道路では時速80km以下を心がける
高速道路では、時速80km以下を心がけることで、電費を改善できます。高速道路の法定速度は100kmですが、時速100kmで走行すると、電費が4.5km/kWh程度に悪化します。
時速80kmなら、電費は5.3km/kWh程度です。
時速80kmと100kmでは、所要時間の差はわずかですが、電費の差は大きいです。急ぎでない場合、時速80km程度で走行することをおすすめします。ただし、交通の流れを妨げないよう注意が必要です。走行車線を使用し、追い越し車線には入らないようにします。
市街地では電費より安全性を優先する
市街地では、電費より安全性を優先することが重要です。時速30kmが最適速度でないとしても、住宅街や学校の周辺では、時速30km程度で走行する必要があります。
安全性を確保した上で、可能な範囲で電費を改善する——このバランスが重要です。幹線道路など、安全に時速50〜60kmで走行できる道路では、この速度を維持します。一方、住宅街や交通量が多い道路では、安全な速度を優先します。電費は重要ですが、安全性が最優先です。
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まとめ:時速50〜60kmが最も電費が良い
電気自動車(EV)の電費を低速走行と中速巡航で比較した結果、最も効率が良いのは時速50〜60kmのゾーンであることが確認できます。実測では、時速50kmで7.1km/kWh、時速60kmで7.0km/kWhとピークを記録しています。この速度帯は「低速すぎず、高速すぎない」バランスの取れた領域で、EVの性能を最も引き出しやすい条件です。
低速は補機電力が増え、中速は空気抵抗が増える
一見すると低速の方が電費が良さそうに思えますが、時速30km程度ではエアコンや電装系などの補機電力の割合が高くなり、電費は6.2km/kWh程度にとどまります。
一方で時速80kmになると空気抵抗が急激に増加し、電費は5.3km/kWh程度まで悪化します。速度によって電費が変わる理由は、この「補機負荷」と「空気抵抗」のバランスにあります。
50〜60km/hが最適になる理由
時速50〜60kmの速度帯では、空気抵抗はまだ小さく、モーター効率も高い状態を維持できます。また、走行時間と消費電力のバランスも良いため、実用面と電費の両方で最適なポイントとなります。単純に遅く走ることが最も効率的とは限らない点が、電気自動車(EV)の特徴です。
電費を改善するための実践的な走り方
実際の運用では、一般道では時速50〜60kmを意識して巡航することで電費改善が期待できます。高速道路では完全に同じ条件にはならないものの、時速80km以下を意識することで電費の悪化を抑えることが可能です。
ただし、市街地では電費よりも安全運転を優先することが重要です。最適速度帯を理解し、走行環境に応じて速度を調整することで、電費と実用性を両立できます。
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EVの電費は低速と中速どっちが良い?よくある質問(Q&A)
Q1: 比較の結果、最も電費が良い速度は何km/hですか?
比較の結果、時速50kmで電費が最も良く7.1km/kWhでした。時速40kmは6.8km/kWh、時速60kmは7.0km/kWhで、時速50km前後が最適速度帯です。時速30kmは6.2km/kWhで意外にも電費が悪く、理由は補機の消費電力比率が高いためです。
時速70kmは6.5km/kWh、時速80kmは5.3km/kWhと速度が上がるほど電費が悪化し、これは空気抵抗が急増するためです。時速50〜60kmの速度帯が空気抵抗がまだ小さくモーター効率が高く所要時間と電費のバランスが良い最適速度帯です。
Q2: なぜ時速30kmは電費が悪いのですか?
時速30kmの電費が意外に悪かった理由は補機の消費電力比率が高いためです。時速30kmで10km走行すると所要時間は20分で、補機(エアコン、ライト、オーディオなど)の消費電力は0.3〜0.5kW程度で20分間で0.1〜0.17kWh消費します。
一方走行の消費電力は0.5〜0.7kW程度で20分間で0.17〜0.23kWh消費し、補機が全体の消費電力の30〜40%を占めます。時速50kmなら所要時間は12分で補機の影響が小さくなります。低速走行では所要時間が長く補機の影響が大きいため電費が悪化します。
Q3: 実用的には、どのように速度を選べば良いですか?
一般道では可能な限り時速50〜60kmを維持することをおすすめします。制限速度が60kmの道路なら時速55〜60km程度で巡航し、制限速度が50kmの道路なら時速50km程度で巡航します。高速道路では時速80km以下を心がけることで電費を改善でき、時速80kmなら電費は5.3km/kWh程度です。
ただし市街地では電費より安全性を優先することが重要で、住宅街や学校の周辺では時速30km程度で走行する必要があります。最適速度帯を理解し状況に応じた速度選択を行うことで電費と実用性を両立できます。

執筆・監修者:エコ発電本舗 太陽光・蓄電池・V2H専門チーム
本記事は、太陽光発電・蓄電池・V2Hの施工・販売に携わる専門チームが執筆・監修しています。各メーカーの施工ID保有者やMBA、宅地建物取引士などの有資格者が、豊富な施工実績と最新の業界情報をもとに、信頼性の高い情報をわかりやすく解説いたします。

























